農業のリアル 実際どんな 収入?働き方?露地野菜編

農業って稼げるの?どうなの?憧れあるけど飛びこんで食えるの?大丈夫なの?会社員の目から見て農業は未知の世界でしょうから、生活の糧がちゃんと得られるのかどうか心配になる気持ちはすごくわかります。

現役農家だって同じ、ほかの農家さんってどれだけ稼げてるの?俺って平均より上なの?下なの?周りと比べたくなりますし、平均とかけ離れているなら改善していこうという気にもなります。

お金がすべてではない時代になったとは思いますが、なんだかんだ言っても資本主義なので無視することはできません。「お金が全てじゃないよー」は稼いだやつが言うべきセリフですし、お金がある=幸せではないけれども確実に不幸は減らせます。やっぱり生活できるくらいの収入は欲しいですよね。

そのためにまずは平均を知っておきたい。だって業界平均って気になりませんか?ITエンジニア600万円!弁護士800万円!と知ったらその業界にがぜん興味がわいてくるもんです。プロ野球選手を夢見る少年はわんさかいるけど、最低保証年収が2軍で440万円、育成で240万円と知ったら夢から覚める少年が続出するでしょう。業界平均は大事なんです。

じゃあ実際のところはどうなんでしょうか。どれくらいが農家の平均値なんでしょうか。これは調べてみればすぐにわかります。統計データがあるんです。これから参入する人にとっては目標となる数字、農家であれば自分の立ち位置を知る指標となる数字ですので、あくまでも参考程度ですが農業の実態はどうなっているのか、事実はどうなっているのかをぜひ知ってお役立てください。

露地野菜

今回は露地野菜に絞って取り上げます。トマトやイチゴなどで見られるビニールハウス等の施設野菜ではなく、広大な土地にずらっと育てられた野菜畑。天候の影響をダイレクトに受ける露地野菜をクローズアップします。

農林水産省の統計データには「営農類型別経営統計」というものがあって、農家の経営状況についての細かい数字を集計してくれています。売上、所得、経費、労働時間などの内訳を品目ごと地域ごと規模ごとに分類してあるので、平均とはいえある程度は意味のあるデータだと言えます。
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kensaku/bunya3.html

農業はとにかくバラツキが非常に大きな業界です。農家によって栽培面積が100倍以上差があることなんてザラですし、収入もピンからキリまで様々。そこで全農家の平均をとることにはあまり意味がありませんし参考になりにくいです。より現実を反映してそうな中央値ですら意味がないかもしれません。

そこで今回は経営規模、つまり耕作面積を絞って平均値を見ていきます。農業はだいたい土地の広さと収入が比例関係にあるので、面積ごとにカテゴリー分けすると正解に近づいていくという理屈ですね。

露地野菜での平均耕作面積は2~2.5haですので、その前後くらいの統計データを拾います。
①露地野菜作個人経営(母数133)1~3ha規模農家を抽出 平均面積1.7ha 
売上1200万円、経費950万円、本業の所得250万円
共済・補助金50万円、合計所得300万円

つまり「露地野菜」「1.7ha規模」の平均的な農家像は「300万円稼いでいる」ということです。ひとつ上のクラスも見てみましょう。

②露地野菜作個人経営(母数53)3~5ha規模農家を抽出 平均面積3.9ha
売上2250万円、経費1950万円、本業の所得300万円
共済・補助金260万円、合計所得560万円

露地野菜」「3.9ha規模」の平均的な農家像は「560万円稼いでいる」そんな数字が見えてきます。

現状を知ることがスタートになる

さあどうでしょうか。農家の平均像をみて何を感じましたか?
目標を立てるにしても、改善のために計画を立てるにしても、現状分析がスタートになるります。業界としてどうなのか、農家の平均はどの程度のものなのか、これがわかると「自分はこのままいけばいいのか」それとも先輩農家の真似をしていたら望む収入には届かないから「やり方を変えなきゃいけないのか」方向性が見えてくるわけです。

「営農類型別経営統計」には露地野菜だけじゃなく施設野菜、稲作、果樹、畜産などの各種興味深いデータが盛りだくさんです。年末年始にどんちゃん騒ぎもいいですが、来年の躍進に向けて数字と向き合ってみるのはいかがでしょうか。

これから農業を始めようとしている方へ

農業をやってみたいけど一歩を踏み出す勇気が出ない。安定した収入を得られるか分からない不安。作物をうまく育てられるんだろうか、作ったものが適正価格で売れるんだろうか、そんな悩みを抱えていませんか?
分からないことを相談したり、仲間同士で励まし合ったり、これまでなかった農業のカタチを生み出したり。
これから新規就農したいと考えている人にぴったりの農業コミュニティがあります。

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多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

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