年商1億円の農家はすごいのか?労働生産性を考える

年商3億円の農家!と聞くと「おおおぉっ~すげーー!」と思う方は多いでしょう。個人であれ法人であれ1億円を超えるような売り上げをたたき出している農家がいるのは、励みになりますし刺激にもなります。

ただ、●億円!という響きだけで手放しに称賛するのはやめたほうがいいです。テレビなどでも豪邸や高級車を見せびらかす年商■億円の社長をフォーカスすることがあるので、「年商=デキる社長のステータス」みたいな世論ができてますが、本当にデキるのかどうかはまた別の話です。だって年商100億円でも赤字の企業があるんだから判断材料としてはアテになりません。年商そのものにたいした価値はないんです。

もちろんそれだけの年商(=売り上げ)をつくってきた手腕は素晴らしいです。否定するつもりなんてこれっぽっちもありません。年商●億円農家がお手本とすべき対象なのかを判断するときに、年商だけを見ていたらダメだという話がしたいんです。

じゃあどこを見て判断すればいいのか。年商以外の細かい数字は公開されてないことが多いので、勝手に分析をすることすらできないんですが、それでも数少ない公開情報から「従業員数」が分かればある程度の目安になります。

たとえば年商1億円の農家がいたとして、従業員が20人だったとすると、一人当たり500万円を売り上げているわけです。

1億円÷20人=500万円

これってすごいと思いますか?その売上500万円から経費を引いた残りが利益になり、給料になるわけで、それはたぶん年収200万円前後くらいになるはず。「おおおぉっ~すげーー!」と驚嘆するような数字ではないですよね。

もちろん、従業員のうち半分がパート・アルバイトだったりすると計算が変わってくるので、社員の給料はもっと高くなると思います。とはいえ日本の平均年収と比べても決して高いとは言えず、「年商1億円の農家」というステータスから輝きが失われてしまいました。その年商をいったい何人で生み出しているのか、この考え方は非常に大切だと思いますよ。

本当はもっとちゃんとした計算をしないといけないんですが、今回は分かりやすくしています。年商だけでは判断できないことを言いたいだけなので。ちなみに、他産業にも引けを取らないレベルの農業経営でいえば
年商1億円 社員5人+パート10人
くらいなら「おおおぉっ~すげーー!」と叫んでもいいと思います。これなら社員は年収500万円くらい取れるはず。細かいところを完全に無視しているので絶対にこれが健全だとは言いませんけど。

従業員一人当たりでいくら売り上げているか、これが計算できるといろんな農家の経営がすこし見えてくると思います。ほんの上澄みに過ぎませんけど。本当は売上総利益を出して計算するべきですが、ややこしくなるので今回は割愛。まずは従業員一人当たり売上高を気にしてみてください。

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