先日、日本農業新聞にスマート農業に関する記事が載っていました。
農水省は、「スマート農業実証プロジェクト」で初年度の2019年度に採択した69地区について2年間の実証成果をまとめた。水田作(30地区)では総労働時間が平均9%減り、単収は同9%増えたが、機械や施設費が増え利益がマイナスに転落する事例も発生。高額な導入費と費用対効果の見極めが課題であることが改めて浮き彫りになった。
https://www.agrinews.co.jp/news/index/108692
ざっくりと言ってしまえば、スマート農業の導入によって
「労働時間9%減、売上9%増」
「でも機械や設備の負担が増え利益が減った」
そんな話です。
まあ予想できたことというか、これからの課題だろうなぁとは思います。
自分の経営になにかしらの問題があって、そこがボトルネックになっていて、機械や設備を導入することで改善が進んで、水の流れが一気によくなる。資材調達から生産、流通、販売まで、どこがボトルネックなのかを見極めてヒト・モノ・カネをスムーズに動かしていくことができると、経営は楽しくなるし結果もついてきます。そういったボトルネックの解消にスマート農業は力を発揮すると思います。
おそらくですがこのプロジェクトではスマート機器の導入が先にあったのではないかと。こんな機械がある。生産性がアップするから使ってみませんかと。もちろん生産性は上がるでしょうし、労働時間も減るでしょう。そりゃあ先端技術を使うんだから効果はありますよ。けど機械の導入が先にあって本当のボトルネック解消とずれていたら、費用対効果が出なくて利益が減るのは当然だと思います。
大事なのはコスパですよね。
ただ、だからスマート農業はダメだ!ではないとも思います。日本農業新聞の記事でも書かれてますが、ようは費用対効果の見極めが大事だということ。それを使うことで利益につながる効果が見込めるときに導入すればいいということ。今回のはあくまで実証プロジェクトなんだからスマート農業そのものを否定するものではないと思います。
なんだかんだいって、まだ導入期なんですよね。これから徐々に普及していく技術。現時点では利益が減ってしまうことも多いし、大規模農業でしか使えなかったりするけど、そのうち多くの人が使えるようになって小規模農業でも利益が見込めるような価格帯のものが出てくるんじゃないでしょうか。
小規模な農家がいまやるべきことは何でしょうか。
使える技術になった10年20年先に真っ先に飛びつけるかどうか。こんな技術があるんだ、こんな機械があるんだと情報として知っておくのが現状の最善じゃないでしょうか。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・