自分は農業界でどのポジションにいるのか気になったことはありませんか?自分よりすごい農家がどれくらいいるのか、使いきれないほど稼いでいる農家がどれくらいいるのか、自分が平均よりも上なのか下なのか、気になりませんか?
学生のときは成績に順位がつき、偏差値があり、周りと競いながら目標とする学校への合格を目指して頑張りましたよね。部活動などでも大会があれば順位がつけられ、一つでも上を目指して汗を流しました。
いまはどうでしょうか?相変わらず競争はあり、ライバルになる農家と収穫量や品質、売上を競うことはあるかもしれません。産地間競争で団体戦をやってるかもしれません。生死をかけたバトルをしていると思います。
でも、それは井の中の蛙になりかねない危険な戦い方です。小さい頃は神童と呼ばれていたけど、大学受験のころには普通レベルでしかなかったことに気が付いた。よくある話です。地域一番店にはなっているけど、ネット通販に手を出してみたら全然売れなかった。よくある話ですが、それはマーケット全体を俯瞰して見れていないから。日本全体しいては国際社会まで目を向けることができれば、今やるべきことや目標とすべき高みが変わってくるような気がします。
特定の誰かと比べてどうこう、ではなく自分の立ち位置を客観視するため農業界での順位付けしてみることに意味があるのではないかと思います。人によってはやる気に火がつくのではないかと。
というわけで今回はカネで人を比べる最低な視点ではありますが、売上規模から農家に順位付けをしてみたいと思います。どれくらい稼いだら上位何%に入れるのか、どれくらい稼いだら天狗になれるのか、わかると思いますよ。
目次
売上規模別の分布
<前提>
「農業者」ではなく「農家」を1単位として世帯収入がベースですが、法人を含んでいるため「経営体」と表現しています。
■ランキング
今回参考にしているデータは
【2020年農林業センサスー農産物販売金額規模別経営体数】
https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/2020/030628.html
売上規模別に経営体がどんな分布をしているかをまとめてある資料です。これをもとに売上規模がどれくらいあると全体の何位になるかをまとめました。
売上1000万円あれば上位11.8% 127000位/107万経営体
売上3000万円あれば上位3.8% 4100位/107万経営体
売上1億円あれば上位0.7% 7800位/107万経営体
売上5億円あれば上位0.1% 1300位/107万経営体
わかりやすく例えれば、全国高校野球選手権大会で、地方大会準決勝進出できるのが売上3000万円レベル。売上1億円あれば甲子園に出場できます。
売上5億円以上ある農業経営体は甲子園ベスト4に入れる猛者です。
日々追われる農作業で必至だとは思いますが、ちょっと俯瞰して自分がどこに立っているのか知っておいて損はないですよ。
所得の目安
ちなみに、農業における平均的な所得率を参考にすれば、売り上げから所得が算出できます。品目によりますが、農業では補助金等を含めるとだいたい所得率20~30%になるので、売上が3000万円ある農家なら所得600~900万円くらいとれます。
サラリーマンの平均年収は約450万円ですから、世帯収入で600~900万円と考えれば悪くないでしょう。もちろん約450万円は一人当たりの年収ですし、農家は家族が複数人で働いていたりするので単純比較はできませんが、それでも売上3000万円ある農家は世間的にもイケてる部類に入ってくるのではないかと思います。
世間的にドヤ顔できるようになってくるのが売上3000万円から。そのように覚えておきましょう。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・