直球と変化球

少量多品目での栽培、といっても育てる野菜によって重要度がまったく違います。
夏のトマトは絶対に外せないし、冬に大根がないとお客さんに怒られてしまいます。
逆にオカノリとかトレビスとか、ふだんあんまりなじみのない野菜を頻繁に出すとやっぱり怒られてしまいます。

毎週届いてもうれしい野菜、ジャガイモやタマネギやニンジンなどは常にストックをもって長期間お届けしたいですね。
ほかにも夏ならトマト・ナス・ピーマン・キュウリなどスーパーでふだん目にするような野菜も外せません。
これらは主力品目として位置づけられていて、野菜セットの軸になるものです。
僕的な表現をすれば直球ですね。

これに対して変化球もあります。
ツルムラサキ、空芯菜、コールラビなどあまり目にすることのない野菜は、たまにセットに入ってくるから楽しいんであって毎週必ず入っていると飽きられてしまいます。
(とはいえツルムラサキや空芯菜などは夏の貴重な葉野菜なのでけっこうな頻度で入れます)
こういう珍しい野菜は変化球のなかでもナックルのような位置づけです。
また、皮が緑のナスや黄色い人参、スティックタイプのブロッコリーなどの珍品種も変化球に入ります。
この場合は野菜自体には馴染みがあるのでカーブスライダーな感じでしょうか。

たとえば。
野菜セットでお客さんを打ち取りたい(満足させたい)、とします。
配球を考えずに直球ばかり投げていては打たれてしまいます。
変化球をおりまぜながら的玉を絞らせないことが重要です。
直球を主体にして変化球も投げられる、といった本格派投手は人気がありますが、多様な球種を操る変化球投手も玄人に好まれるのでしぶとく生き残るでしょう。
いずれにしてもしっかりとした直球があってこその変化球だと思うので、スーパーで並ぶような主力野菜は確実に高いレベルで栽培できる技術を身につける必要がありそうです。

目指せダルビッシュ!

って言ってることわかりました?
ようするに珍しい野菜ももちろん大事だけど、スタンダードな野菜をおろそかにしているとわけのわからないセットになってお客さんが離れていきますよ、ということです。
そしてこのことは自分自身に言い聞かせなければならない大切な教訓です。

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

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