【疑心】農業の未来。一人2000万円以上売り上げる時代がすぐそこに

農業総産出額は農業でどれだけ売上があるか、日本の農業全体でどれくらい売上があるかを示した数字。
30年以上前は10兆円を超えていましたが、失われた30年の間に9兆円前後くらいに落ちつつ横ばいを続けています。日本の経済と同じように産出額も横ばい状態です。
一方、農業者はどんどん減っていて、自営農業を主な仕事にしている基幹的農業従事者数は20年前に約240万人いましたが2021年には約130万人まで落ちてきました。
農業全体の売り上げは変わらないのに農業者は激減している。そういうことです。これは推測ではなく統計から見える事実。

これの意味するところは、農業者一人当たりの売り上げは大きくなってきているということです。実際、農家の平均耕作面積はここ10年で約1.5倍になっていて(2.2ha→3.1ha)、面積が増えれば売り上げも増えるのは当たり前の話。
もちろん細かいところまで見ていくと違った景色になります。高齢による離農者の多くは零細稲作農家で、農業産出額にはほとんど影響しないとか。地域格差が大きいとか。いろいろありますが、大きな傾向としては規模拡大路線に向かっています。

この状況は20年先まで続きます。2040年、つまり約20年先まで行くと基幹的農業従事者が40万人くらいまで減ります。現在の3分の1です。
総産出額9兆円は日本人の胃袋を満たすための数字ですから、維持しなきゃいけない数字です。この9兆円を40万人で叩き出すとしたら、一人当たり売り上げ2000万円を超えてくる。そんな未来が待っています。

9兆円 ÷ 40万人= 2250万円/人

明るい2040年の農業を目指して、ひとりひとりが稼げる農家になれるかどうかが今まさに問われています。基本的には大規模化を求められます。9兆円を維持できなければ食糧安保に関わるので、ぜひとも日本の農業を担っていくプレッシャーを感じていただけたらと思います。

農業が稼げる業界になれるかどうかは、私たちの活躍にかかっていますよ。

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