【規格・基準】平均から抜け出すために非常識を選ぶ道もある

「常識を疑え」と僕は自分に言い聞かせています。
医者や弁護士のように平均収入が高いなら、先輩農家の真似をしていればそれでいいのかもしれません。それなりの収入が約束されるでしょうから。
でも平均が低い農業では、先輩農家の真似をしていてもたいした収入にならないのが現状です。
ということは裏を返せば、常識を外れていかなければ高い収入は得られないということ。生き残れないということです。

常識を疑うとはどういうことかと言うと。
例えば「規格・基準」。農産物を売っていくためにJA、卸売市場、加工業者、小売店などを通すにはA・B・C品などの規格や優・秀・良などの分類に従う必要があります。仲介する業者が望んでいる大きさ、形、色などがあるからです。
これを無視するのはほぼ不可能でしょうね。
その枠の中でいかにA品を多く採れるよう技術を磨いていくか、規格外品を生まないようしていくか、が一般的な農家の在り方だと思います。

この仕組みを疑うのは相当な覚悟がいります。でも疑います。

本当にその規格・基準は必要なの?と。そんなに厳しいルールを消費者は望んでいるの?それによって生産者は苦しめられているんじゃないの?と業界の暗黙ルールに疑いを向けます。

曲がっていても、土がついていても、ちょっと虫食いでも、きれいに包装されてなくても、受け取り側がいいと思えばそれは成立するのではないかと疑う。もちろんすべての規格・基準をぶちこわそうとは思ってませんし、誰にでも当てはまるような話でもないです。
もし消費者に直接売るような農業をしているなら、消費者がいいとさえ言えば厳しい規格なんていらなくなるんじゃないかと考えられるわけで。
A・B・C品をごちゃまぜにすることもできるし、規格外品を「特別希少品」として高く売ることもできる。規格・基準は消費者理解のもと生産者に委ねられている状況ですね。
農産物は「規格・基準」に従うもの、という常識から抜けてしまえば栽培・出荷の手間を省くことも高く売ることもできてしまうわけです。

すべての起点は「顧客は誰なのか」「顧客は何を望んでいるのか」から始まります。せっかく消費者に直販しているのに厳しい規格に従って手間ひまかけて出荷していくのはもったいないことです。
なんでもかんでもルールをぶち壊すのが正義ではないですが、すこし考えてみるのは面白いと思いますよ。

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