新規就農でまず最初に考えること~顧客の絞り込み

農業を始めようと考えてまず最初に決めるべきことは
自分がつくった農産物を誰に売りたいのか
だということを以前の記事で書きました。
最初に決めるべきは誰に商品を売っていくのか

誰に、というのは自分の商品を売っていく顧客もしくは見込み客のことです。
地元の農協に出荷していくのか。
らでぃっしゅぼーやなどの大手宅配業者と契約を結んで出荷していくのか。
卸業者をとおさずスーパーに直接売っていくのか。
レストランの契約農家になるのか。
家庭向けに直接お届けしていくのか。
顧客像が明確になっていないと、どんな商品をつくってよいのかが分かりません。
誰に対して売っていくのかが決まってようやくスタート地点に立つことができます。

大切なのは”誰”をはっきりと明確に絞り込むことです。
できるかぎり絞り込んでください。
そうしなければ栽培の方針も使用する資材も、場合によっては就農する場所さえ決まらないことがあるからです。

調理するシェフ
例をあげましょう。
たとえばあなたがレストラン向けに野菜を出荷していく、と決めたとします。
顧客は味にうるさい舌の肥えたフレンチレストランのシェフです。
そのシェフは、とにかく野菜に対して美味しさを求めています。
加えて非常に珍しい野菜を求めているので、欲しいものがあれば海外から直接輸入することもあるくらい探究心が強いです。
皿の上に小さく切った野菜や花などをちょんちょんと盛り付けるようなメニューがあるので、いわゆる一般的な野菜よりも小さなサイズを好みます。
たとえば一口サイズのジャガイモのような。
一方で、玉ねぎやトマトのようなスープやソースにして使用する野菜に関してはまとまった量を欲しがります。

そういうシェフがいるレストランに向けて野菜を売っていく。
というふうに顧客を細かく明確に絞り込んでいくんです。
ここまでやると自分がどのような野菜を、どのような栽培方法で、どうやってお届けしたらいいのかが分かってきます。
とにかく美味しい野菜をお届けしなければいけないので、無農薬での栽培を選びます。
畑に入れる肥料にもこだわります。
フェンネルやアーティチョークなど家庭向けには間違いなく受け入れられない珍しい野菜を育てることになりますし、花を食べることを前提にしたズッキーニの品種を選ぶことになるかもしれません。
たくさんの野菜を育てて、多くの種類を提供できる体制をつくっておく必要がありますし、ソースとして使われる玉ねぎやトマトは栽培量を多くしておくことも必要でしょう。

このように、自分のお客様は誰なのか、どのような人に商品を提供したいのかを明確にすると、いろんなことが勝手に決まってくるんです。
有機農業をやりたい、というのも最初に決めることではありません。
農業をやりたい人のほとんどが有機農業に興味をもったりやりたいと思っていたりします。
その気持ちはわかります。
が、まず誰のために商品を提供していきたいのかを考えたうえで、そのために有機農業が必要ならやればいいと思います。
よーく考えてください。
この順序を間違えると失敗する可能性が高くなりますよ。
 

 

 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

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