冬の楽しみ。
それはコタツに入ってみかん・・・ではなくて、来年の品種選び。
多品目農家ならではの楽しみです。
例えばジャガイモひとつとっても男爵とメークインが有名なように、野菜ごとにホントに色々な品種が世の中にはあって、そのなかから自分がつくりたいと思う品種を選ぶというのは困難な作業です。
トマトだけとっても100品種以上、キャベツだって大根だって100品種なんてもんじゃない。
うちは50~60品目もの野菜を栽培しているので、それはそれは大変です。
とはいえ本音は大変なんてもんじゃなく、楽しくてしょうがない。
カタログを見ていると一日なんて簡単に終わっちゃいます。
漫画に集中しすぎて気づいたらよだれが出ていた、少年の頃を思い出します。
農閑期のメインイベントです。
こんな本を参考にしたりします。
野菜品種の選び方
さて品種の選び方ですが、市場向けの野菜をつくっている農家なら
作りやすさ、病気の抵抗性、見た目のよさ、揃いのよさ
を重要視します。
うちの場合は圧倒的に
おいしさ
を重視しています。
スーパーに並べるわけじゃないですからね、大事なのは味です。
とにかく味です。
というように味を最重要とするのは基本品種。
スーパーにもよく並ぶ野菜で食卓の柱になるようなスタンダードな野菜のこと。
これとは別に珍しい品種も選びます。
毎週セットを購入しても飽きないように、スーパーではあまりお目にかかれないような珍しい品種も栽培していますから。
例えば切ると中が真っ赤な大根。
茎がひょろ~っと長いブロッコリー。
皮が緑色のナス。
ズッキーニ。
メキャベツ。
赤からし菜。
こっちは基本品種とは明らかにちがうという特徴をもったものを選んでいます。
味というよりは珍しさ重視です。
カタログを見ていて楽しいのはこれを選んでいるときですね。
来年あたりから「お中元セット」「お歳暮セット」なんかができればいいなぁと考えています。
そういうセットでは珍しい品種を多めに入れるので、珍品種といえどもおろそかにはできません。
年間通して野菜が切れないように計画をたてて、基本品種と珍しい品種をおりまぜながら野菜セットをつくっていく。
品種選びはこれから畑で起こるであろうドラマティックな展開を想像させる魅惑の業務です。
これだけは誰にも譲れません。
お金を積んでもダメです。
これがないと春を迎えられません。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・