収入からの逆算

もっと規模拡大しないの?
とたまに聞かれることがあります。
内情を知っていての発言かどうか知りませんが、労働時間的にはまだ余裕がありますし需要に供給が追い付いていない状況なので規模拡大してもいい時期なのかもしれません。

でもうちはまだやりません。
9月に借りた圃場が規模拡大と言われればそうかもしれませんけど、これまでギリギリの面積で回していたのを改善した、という程度の面積しか借りていません。
経営的な規模としてはあまり変わりません。

規模拡大できる条件がそろっているのにやらないのは、そもそもの出発点が違うからです。
日々の生活でこれくらいの時間を仕事に向けたい。
ある程度の余裕を持って生活するにはこれくらいの収入が欲しい。
というところから全てが始まっています。
収入がいくら必要だから売り上げはこれくらい必要で、そのためには毎週◎件発送すればいい。
それにあわせて野菜を生産するためにはこれくらいの面積が必要。
収入からの逆算です。
だから収入面で充分に満たされていれば規模拡大はしないんです。

一般的にはお金はたくさんあればあるほどうれしいものです。
でも、500万円稼いでいても1000万円稼いでいても「もうすこし収入があれば・・・」と思ってしまうようですね。
これではいつまでたっても心が満たされません。
自分の生活から必要な金額をしっかり把握して、そこに心を留める。
金銭的にも時間的にもゆとりのある生活をするために無限の欲求を捨てる。
この考えを腹に落とし込むのにはずいぶんと時間がかかりました。

松本自然農園がずっと規模拡大しないわけではありません。
子供たちが大きくなってお金がかかるようになれば、必要だと思って拡大するでしょう。
スタッフを雇って自分は農作業から解放されたい、と思えば拡大するでしょう。
その日が来るまで、小さい面積で最大限の利益が上がるように効率を追求していきます。

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

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