農業はまだまだ競争意識の低い業界

農業って、この先は明るいの?
なんか農業は儲からないって聞くし、3K(きつい、きたない、きけん)の代表のように扱われることもあるし、農業者人口は現実に減り続けてるし・・・。
いま働いている業界から足を洗って、農業の道に進んで本当に大丈夫なの?

これは誰しもが気になるところでしょう。
誰が好んで、潰れゆく産業に飛び込んでいくでしょうか。
これからどんどん伸びていく、将来有望な産業で働きたいと思うのが、ふつうの考え方ですよね。

せっかくやるならちゃんと稼ぎたい。
いくら収入以外の魅力があるといっても、生活していけなきゃ続かない。
就農するなら一生この仕事で働いていきたい。
当然の心理です。

であれば、
農業という業界がこの先どうなっていくのか知ることは非常に重要です。
衰退産業にこれから参入しようとすることは、かなり危険を伴いますからね。

たとえば畳業界
いま現在、マンション建設で和室を設けようとするところがどれくらいあるでしょうか。
一戸建てを新築するときに和室は何部屋用意するでしょうか。
時代の流れで明らかに畳の需要が減っているのに、いまからそこに新規参入するのはかなり勇気がいりますよね。
もともと業界で頑張っている強者がいて、生き残れずに撤退していく業者がいて、これからそこに入っていく新参者が、生き残っている強者に勝てるのか。。。
ふつうに考えたら、これから畳業界へ参入することはそうとうな覚悟が必要です。

着物、レンタルビデオ、出版業、そろばん教室・・・。
例に挙げたものがそうだという根拠はありませんが、このまま先細っていくのが目に見えている業界に、あえて新規で参入するのはできれば避けたいものです。

こういった例から考えてみても。
農業の世界に足を踏み入れようとするとき、農業が産業として成長していくのか衰退していくのか、そこで競争がどれくらい激しいのかを知ることは大切ですよね。
業界として衰退していく段階にあるなら、いま残っている農家は競争を勝ち抜いたツワモノばかりだから、そこで新規参入するのはかなりきつい。
小さなシェアを奪い合っていく激戦になりますから。
でも。
農業がますます発展していく成長期だったら・・・。
そこに飛び込んでいくだけで引く手あまた、生産しているだけでどんどん生産物は売れていくし、あれこれ考えなくても収入につながっていきます。

今回は。
歴史的な農業の栄枯盛衰はちょっと横においといて、いま現在の競争はどれくらい熾烈なのか。
新しく参入してきた農業者が、最初から勝負していける場所は残されているのか。
農業界の競争について書いていきます。

 

カレーは競争の激しい業界

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まず先に、他の食品業界を例に挙げて競争とはどういうものかを書いていきます。

あなたはカレーライス、好きですか?
まああまり嫌いな人はいないでしょうけど、スーパーなどでカレーコーナーに立ち寄ったことはあるでしょうか。
すごいですよ。
固形のルーを売っているのだけ見ても、多くのメーカが、それぞれ何種類も商品ラインナップをそろえて競争を繰り広げています。
その競争が、すぐそばのレトルトカレーでも同じように行われていて。
買う側にとってはバラエティに富んでいて好きなものをチョイスできる楽しみがありますが、製造メーカにとっては激戦を勝ち抜くためにありとあらゆる手を尽くして戦っていかなければならないつらさがあります。

メディアを活用した宣伝・広告をしたり、手に取ってもらえるようパッケージを工夫したり、材料へのこだわりや味の追求など他との違いを鮮明に打ち出したり、とにかくひたすら最安値を狙ってコストダウンをしまくっていたり。

熾烈な競争を繰り広げています。


これはなにもカレーにかぎった話ではありません。
納豆、アイスクリーム、飲料水、調味料、お菓子、インスタント食品・・・
それぞれのウリを味やパッケージなどにこめて、競争を勝ち抜こうとしています。

 

青果コーナーを見て愕然とする・・・

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では、スーパーのなかでも青果コーナーに足を運んでみてください。
いわゆる野菜や果物などが売られているコーナーです。

大根、人参、キャベツ、小松菜、ネギ、水菜・・・
リンゴ、みかん、キウイ、バナナ・・・

大根は大根として売られてますよね。
人参は人参、キャベツはキャベツ。
何種類かの小松菜が、味やパッケージを競い合うように並んでいるわけでは・・・ないですよね。

ネギは白い部分が長い一本ネギと、緑の葉がほとんどの葉ネギがそれぞれ売られていたりしますが、そもそも用途が違ったりして競争している印象はありません。

果物は、まだ競争しているほうかもしれません。
リンゴはいくつかの品種が並んでいたり、複数の産地から取り寄せてあったり、糖度を明示して売り込んでいたりします。
バナナだってとにかく安い特売品もあれば、倍以上の価格がついている高級バナナがあったりします。

こういう事実と、カレー等の激戦ぶりを比べてみて。

青果全体としてみれば、まだまだ競争はゆるい気がしませんか?

本来なら。
大根を買う人って、煮物に使ったりサラダに混ぜたり、漬物用に大根を探したりするわけで、それぞれの用途に合わせた大根の品種がラインナップとしてあってもおかしくありません。
ふつうに売られている青首大根のほかにも、外皮が真っ赤な大根、切ると中が真っ赤な大根、紫がかった大根、大根おろしに最適な辛み緑大根なんてのもあります。

この大根にはこんな特徴があって、こんな使い方が最適で、こんなこだわりの栽培をして育てました、というウリをパッケージで表現して売っていてもおかしくないのに、そもそも競争がないからそんなことは考えもしません。

産地間競争は間違いなく存在しているのに、バッティングしないようにうまく調整してるのか、同時に複数産地のものが並ぶことすら意外に少ないのが現状です。

もちろん。
青果には競争がない、は言いすぎです。
産地間競争は間違いなくあるでしょうし、それで疲弊しているところもあるでしょう。
でも、少なくともスーパーなどの小売店の店頭に並ぶ頃には競争が見えないわけで。
見た目とか安さで競うのがせいぜい、ほかの食品に見られるような多様な価値での競争は感じることができません。

 

黙っておいて必殺カードを切る

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こうした事実は、新規就農者には歓迎すべきことです。
この記事を読んで
「そうだよ、もっと競争があったほうがいい!」
と、もし思ったとしても黙っておきましょう。

あえて言う必要なんてありません。
自分自身が農業を始めて、農産物を販売していくときに、周りと違う方法を用いて積極的に売っていく、魅せていく。
競争がないなかで、魅力的に映る商品をバンバン並べていけば、それはもう一人勝ちです。
競争に勝つ方法は、基本的に

どれだけ差別化できるか

にかかっています。
だから、差別化できるカードは順番に切っていけばいい。
一気にすべてを見せなくてもいいんです。
他の業界の売り方、魅せ方、戦い方を参考にしながら、それを自分の農家としての商売に活かしていく。
それを意識するだけで、意外に簡単に戦っていけるのが農業という世界です。
まだまだ競争が激しくないということに感謝しましょう。
安心して参入しましょう。


 

 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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