農業を始めるなら、若ければ若いほうがいい。
という意見があります。
一方で。
新規就農者の年齢は60歳以上が半数を占めているし、既存の農業者も高齢化しているのに頑張っている。
年寄りでもできるじゃないか。
という現状があります。
実際はどうなんでしょうか。
年齢による新規就農への影響、メリットやデメリットについて解説していきます。
もう50歳だからあきらめよう・・・。
と思っている方には参考になると思います。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
40代以降の新規就農でのデメリット
ある程度の年齢を重ねてから就農したときのデメリットは次の点が挙げられます。
体力の衰え
20代と40代では持ち合わせている体力が違います。
よほど意識していないかぎり体力は年齢に合わせて落ちていくのが普通ですから、年齢を重ねれば重ねるほど体力は低下していくものです。
もし20代で新規就農すれば、若いときから農業という仕事に体が慣れていくので、歳を取ったときには経験を重ねており動きに無駄がなくなっています。
現在の農業者が高齢でもやっていけている要因の一つは、彼ら農業者が若いころからずっと従事しているから、ということが挙げられます。
だからもし。
40代もしくは60代で新規就農した場合、慣れない仕事に体がついていかないということは覚えておく必要があります。
もちろん個人差はあります。
積める経験年数が少ない
(画像参照:ドラクエ3 攻略ゲームプレイ日記@攻略情報局)
ほとんどの農作物は一年に一回しか栽培を経験できません。
同じ大根であっても春大根と冬大根では栽培の仕方が違いますから、一年一回というのはどの作物においても当てはまると思います。
毎年ちがう気候環境のなかで、経験を積みながら栽培技術を磨いていくのが農家であり、経験を積んでいくことで成長していくのが農家です。
過去の経験を踏まえて、今年の気候は●年と似ているから5月6日にタネをまこう、といった判断は、経験のなせる業です。
20代で就農すれば定年まで40回くらいは経験を積めますが、40代で就農すれば20回しか経験できない。
経験がものをいう世界だけに、高年齢での就農はそれだけでデメリットになってしまいます。
抱えている荷物が多い(家族)
学校を卒業して就職、結婚、出産。
夢のマイホームを購入。
一家の大黒柱として安定した収入を求められる立場にいる人ほど、新規就農への決断は鈍くなりがちです。
それは抱えている荷物が重すぎるから。
一般的には年齢を重ねていくと、抱え込む荷物は多くなっていきます。
40代以降の新規就農でのメリット
もちろんメリットだってあります。
貯蓄はあるから初期のスタートがスムーズ
人によりますが若い人に比べれば年配者は、貯蓄をある程度持っているものです。
貯蓄があれば。
最初にある程度の初期投資をして、経営を軌道に乗せやすくなります。
生活のために仕事を掛け持ちしながら農業をする必要がなく、農業に専念できます。
また。
経営が安定するまでの資金が少ないとそれだけで精神的に追い詰められますから、貯蓄があるというのは非常に有利です。
定年後なら自由(荷物が少ない)
年齢を重ねるごとに荷物が増えると先に書きましたが、定年を過ぎるとそれが一気になくなります。
子どもは成人して巣立っていき、家の借金はある程度返済が進んで、長年勤めていた会社も退職。
数年後には年金受給。
自由です。
金銭的にも余裕があるでしょうから、定年就農というのはある意味では正解なのかもしれません。
過去の豊富な経験を活かせる
農業はただ生産していればいいというものではありません。
作ったものをいかに高く売るか。
営業力や販売力が問われます。
農業は遅れた産業だと言われていますし、実際それはすごく感じることが多いので、他産業で培ってきた経験を生かして農業に参入すれば経営的に成功する可能性は高まります。
若い頃に就農するメリットは、高齢就農のデメリットを持たないこと
若くして新規就農するメリットやデメリットは、高齢就農の裏返しになります。
高齢就農のメリットは、若年就農のデメリットになる。
高齢就農のデメリットは、若年就農のメリットになる。
ということです。
メリットは・・・
体力がある
長く経験できる
荷物が少ない
デメリットは・・・
貯蓄が少ない
人生経験が少ない
本当にデメリットになるのはどれ?
ある程度の年齢から新規就農したときにはいくつかのデメリットがあることを書きました。
体力面、経験面、荷物の多さ。
でもそれらは本当にデメリットなんでしょうか。
体力がなければ、資金力を活かして設備投資を積極的に行い、機械化・効率化を進めていけば体力不足を補うことができます。
そもそも。
近年の農業はかなり機械化が進んでいるので、昔のような重労働は減ってきてます。
体力がなければ農業が出来ないというのは過去の話です。
稲作などはその好例です。
田起こし⇒代掻き⇒田植え⇒除草、農薬・肥料散布⇒収穫
これらの工程すべてにおいて専用の機械があります。
機械操作さえできれば体力はいらない。
稲作はそういう農業になっています。
積める経験年数が少ないなら、頭を使えばいいだけの話です。。
比較区、試験区を設けることで何年もの経験を一度にしてしまう方法はあります。
肥料の加減や栽培管理の方法、収穫のタイミング、品種選び。
一度に複数のことを同時に試してみることで、一年一作の枠を取り払うことができます。
こういうのは、勢いで突っ込んでいく若者よりも年配者のほうが向いているはず。
それまで培ってきた他産業での技術、ノウハウなどの経験を農業に活かすことで、農業の経験をカバーできたりします。
結局のところ。
自分が持っているものを把握し、しっかり使えば、年齢なんて関係ないというのが私の意見です。
ただし。
抱えている荷物が多いのは、正直に言うとかなりきついと思います。
会社を辞めること、収入が途切れることには相当な覚悟がいりますし、新規事業を始めることにはある程度のリスクが伴いますから。
もちろん。
家族を養っていかなければ!
というプレッシャーを力に変えて進むこともできますし、家族がいるから頑張れる部分も多分にあります。
そこは個々の考え方によって大きく左右されるところではないでしょうか。
本気でやりたいと思っている人に年齢は関係ない
いろいろありますが。
やりたいと思ったときがベストなタイミングです。
すべての条件が整ってからしか動けない人は、いつまで経っても新規就農なんてできません。
置かれている環境のせいにして、年齢のせいにして動かない人は、いつまでたっても新規就農できません。
年齢は関係ないんです。
問われているのは、本気かどうかです。
本気であれば、どんな状況でもうまくいきます。
決断できる人は、万全の状態じゃなくても動きます。
参考になれば幸いです。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・