あなたは自分の仕事に情熱を注いでいますか?

 

自分がその仕事に向いているかどうか
それはもちろんやってみなきゃわかりません。
ただし、
ある程度の適正みたいなものは、過去の経験から予測することはできると思います。
地道な単純作業が向いている。
華々しいステージの上で才能を発揮できる。
リーダーとして統率力がある。
こういった適性は、人生経験を積んでいけばなんとなく分かってくるものです。

じゃあ、向いているとわかったとして。
それをやってみたとして。
長く続けていけるかどうか。
それは、本当に好きかどうかにかかっています。
言い換えると情熱があるのかどうか。
その仕事に情熱を持っているかどうか。
ということ。

今回は仕事への情熱について。
仕事に対する情熱が、どんな成果を生むのか。
仕事に対する情熱で、人はどんな生き方ができるのか。
最後までご覧いただければ、仕事に情熱が必要不可欠なことが理解できるようになります。

 

嫌いなものには情熱を向けられない

先日、食事中に子供から質問されました。

お父さんは嫌いな野菜ってないの?

なんでも残さずに食べることが不思議だったのでしょうか。

この質問に関して、私は悩むことなく即答できます。
そのときもすぐに返事をしました。

お父さんはラッキョウとセロリが嫌い。

えーそうなの?なんで嫌いなの?

嫌いな野菜があると思っていなかったようで、少し驚いていた様子。
私は次のようなことを、なぜその野菜が嫌いなのかを話して聞かせました。

 

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小学校の給食6年間の給食の中で、お父さんが唯一残した食材。
それがラッキョウ。
ラッキョウだけはどうしても食べられなかった。
小学校6年間で2回出たんだけど、2回とも残した。
給食で出たものはほぼ100%残さず食べるんだけど、ラッキョウだけはどうしても食べることができなかった。
そういう記憶がしっかり残ってる。
もちろん今ではラッキョウを食べることはできるんだけど、やはり苦手だなぁという意識は記憶に焼き付いている。
だから、積極的に食べることはない。

 

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セロリについては、大学生の時の苦い経験のせいで嫌いになった。
当時、貧乏学生でお金がなかったんでけっこう自炊をすることが多くて。
スーパーで食材を買ってきて毎日のように料理をしてた。
あるとき、ポトフを作ろうと思って色々と食材を買ってきたんだけど。
その中にセロリがあって。
レシピにセロリと書いてあったからね。
セロリを買ってきたのはその時が初めて。
それまでの人生でセロリを食べた記憶もなければ、買ったこともなかった。

そのレシピのとおりに材料を切って、味付けをして、煮込んでいく。
手順そのものは難しくなかった気がする。
見た目はまあけっこう普通にできた感じだったよ。
いや、思ったよりもうまくできたんじゃないかな。
でも、、、
なんか香りがおかしくて。
やたら青臭い香りがしてきて。
おそるおそる食べてみたら・・・とんでもなくまずかった。
次の一口が考えられないレベル。
そのポトフは全て捨てました。
少ないお金で買って自炊した貴重な食事だったけど、どうしても食べることができなかった。

あの味を生み出したのは、おそらくセロリ。
セロリ以外に使った食材は全て、食べたことがあり味を知っているものばかりだったから。
その時以来、セロリが嫌いになって。
セロリの酢漬けなんかは、まあ普通に食べられるよ。
今でもセロリを食べられないことはない。
ただ、過去の失敗が記憶に残ってしまっているから、セロリはまずいという意識は今も変わらずに持ってるんだよね。

 

こんなかんじで、ラッキョウとセロリが嫌いな理由をちゃんと説明したら、子どもは納得してくれたようでした。

このラッキョウとセロリ。
苦手だという意識が、栽培にも影響しています。
私は多品目栽培農家で、野菜を年間で50種類とか60種類育てているんですが。
そのラインナップの中にラッキョウとセロリはありません。
どうしても作ることができないんです。
育てようという気持ちが湧かないんです。

過去に一度だけ、お客さんに
「セロリ作ってよ、俺セロリ食べたいんだよ」
と言われて育てたことがあります。
種をまいて、苗を育てて、畑に植えました。
そこまでは何とかできました。
でも、そのあと畑のセロリを見に行くことはありませんでした。
草をとったり、セロリの顔色を見て肥料を追加したり、あれこれと管理しなきゃいけないのは分かっていたんですが。
意識が畑にあるセロリに向かないんです。
自分が持っている栽培の情熱を、セロリに向けられなかったんです。
だからそのうち、セロリは草に埋もれてしまい、収穫されることがありませんでした。


何を育てるのか。
これは非常に重要です。
嫌いなものを育てても、そこに情熱を注ぎこむことができないからです。
そして、無理やりなんとか頑張ったとしても、それは続きません。
好きでもないものに情熱を注ぎ続けることができないからです。
それが私の場合はラッキョウとセロリだった。
だからスーパーに置かれているほとんどの野菜を育てている農家だけど、その2品目だけはいまだに育てることはありません。
おそらくこれからも。

 

情熱の有無は起床するときに分かる

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これはどんな品目を選ぶのかだけではなく、どんな仕事を選ぶのかということにも関わる話です。
好きであればそこに情熱を傾けられます。
24時間365日そのことばかりを考えるようになります。
結果的に、仕事の成果につながる。
それはつまり、たくさんの人たちの役に立つ。
もしくは収入を多く得られる、ということ。

サラリーマンとして働いている人の多くは、ちゃんと休日があります。
平日働いて、土日は休むなど。
仕事とそうじゃない日の境界がはっきりしてます。
ワークライフバランス、なんていう言葉がありますが。
仕事と生活のバランスをとりましょう、とか。
休みを楽しむために仕事を頑張っている、という人もいますよね。
これはこれでアリなんでしょうけど、ちょっと違和感もあります。
自分で決断してその道に進むとき、農業を自ら選んだとき、休日うんぬん言っているのは視点がずれているからです。

本当に好きな仕事をしていたら、休みたいとさえ思いません。
四六時中、仕事のことばかりが気になってしょうがない。
他の事をやっていても上の空、ついつい仕事をしたくなる。
頭の中は常に仕事でいっぱい。
仕事が大好き、仕事をしている自分が大好き。
自分で選んだ仕事なんだから当然です。

このような働き方ができる仕事。
それが情熱を傾けられる仕事、好きを続けられる仕事だということです。

もうちょっと分かりやすくいえば、

朝起きたとき、
「あー仕事かー、やだなー」
「あともう5分だけ寝ていたい」
という気持ちになるのは、できれば仕事したくない感が先行しています。
仕事が楽しくてしょうがないと、寝る時間が惜しくなるんですよ。
朝起きたとき、早く仕事がしたくてしょうがないんですよ。
そういうものです。

この領域は、なかなか到達するのは難しい。
でもそこまで行ったら勝ち。
放っておいても収入が増えます。
仕事がどんどん舞い込んできます。

今やっている仕事、好きですか?
情熱があふれてきますか?

 

 

 

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