廃菌床。
さいきん僕のホームページではよく目にする単語です。
キノコ栽培の人工培地のことを菌床と呼んでいます。
そしてキノコの収穫を終えて使用済みとなった培地が廃菌床(培地)です。
主原料はオガクズ。
これを松本自然農園では今年の秋作あたりから積極的に使用するようになりました。
当初頼りにしてよく使っていたオカラが諸事情によりもらいにくくなったので、かわりになるような資材を探していたんですね。
そしたら見つかったのが廃菌床。
オカラと廃菌床。
性質がまったく異なる資材だったので使い方に最初はとまどいました。
世間的な常識もじゃまをしました。
オガクズのような分解しにくい資材は生で畑に入れてはいけない、というのが一般常識なんです。
発熱・発酵で作物の根を痛めたり、分解過程で窒素を大量に使うため野菜には窒素不足による生育不良が起こる恐れがあるという。
だから廃菌床はいったん堆肥化しないと使えないというんです。
一方で、キノコ菌が住み着いている生の状態じゃないと意味がないという意見もあります。
炭素循環農法
僕は非常識が好きなのと堆肥化が面倒なのと、両方の理由で後者を選択。
生の廃菌床を畑に直接入れました。
耕して廃菌床を土に混ぜ込んだあと1週間もしないうちに種まきしてました。
耕した当日にすぐ種まきした野菜もありました。
常識では考えられない暴挙です。
いま畑で収穫されている野菜たちのほとんどは、ちゃんと育って収穫に至っています。
常識として言われている根痛み・窒素不足などの生育不良は見受けられません。
僕が気づいてないだけなのかもしれませんが。
まあ気づかないほどの生育不良しかなかったということで。
常識ってのは大多数がそうであると信じていること。
だから常識が必ずしも正しいとは限らない。
地球のまわりを太陽が回っている、という天動説だって昔は常識だったわけだし。
食物繊維は栄養分がないから食べても得にならない、というのは一昔前の常識だし。
廃菌床を生で投入するのが当たり前になるときが近い将来くるかもしれない。
そんなの誰にもわからん。
だから自分でやってみるしかないわけだ。
今日の非常識は明日の常識。