多品目有機農家になるための最大の参入障壁

前回の記事:多品目有機農家は大手宅配会社と競合しない
を先に読むことをお勧めします。

らでぃっしゅぼーややオイシックスなどの大手宅配会社が規模拡大しているということは、オーガニック市場が大きくなっているということです。
彼らが掘り起こして拡大してきた市場で、彼ら自身がすべてのニーズを満たして100%独占できるかというとそんなことはなくて、有機野菜を求める人たちの中には
鮮度や安全性、安心感
という点で大手宅配会社では物足りないという人たちが出てきます。
もっと新鮮でおいしい野菜が食べたい
たくさんの農家から集めてきた野菜セットでは安全性に不安を感じる
誰が育てているのか分かるような顔の見える関係の中で野菜を買いたい
という人たちです。
そして、このような人たちが行き着く先が
小さな多品目有機栽培農家
であり、大手宅配会社の宣伝・広報によりオーガニック市場が拡大するのに合わせて、小さな農家から野菜を買いたいという需要も拡大していくというわけです。
だから、市場拡大している今がまさに新規参入のチャンスなのかもしれません。

 

多品目有機農家の特殊性&優位性

自農センター
10種類前後の野菜を詰め合わせて、旬に沿って育てられた無農薬栽培の野菜セットをお客様に向けて直接販売していく。
というのが有機農業において昔から行われている経営スタイルです。
多品目栽培にすることで畑の中に生物・植物の多様性をつくりだし無農薬での栽培を安定化させる。
自然災害でいくつかの品目が被害を受けても、セットがつくれるなら出荷は途切れないという栽培面での安定を図る。
多くの顧客を抱えることで、取引先の一つが契約を解除することによる販路減少のリスクを分散する。
定期購入を前提にして生産を組み立てることで、計画生産・計画出荷が可能になり経営が安定する。

このように栽培面でのリスク分散、顧客管理面でのリスク分散をすることで経営的に非常に安定させることが可能な形態です。
ただし、これを実現するには非常に高い技術が求められます。
無農薬栽培で多くの野菜を同時に育てていく栽培管理技術。
年間を通して10種類前後の野菜が常に収穫できるように生産していく安定供給力。
自分で販路を開拓していく営業力、もしくは集客力。
生産から販売まで、場合によっては流通までも手掛けていく経営管理力。

ただ作物を育てられればいいというものではありません。
生産、営業、マーケティング、事務、経理、資材調達、販売、研究開発・・・。
企業が部署を設けて大勢で分業してやっていることを、ごく少人数の家族経営でこなしていく必要があります。
簡単にやれるものでないことがお分かりいただけたでしょうか?
有機農家に研修してから新規就農する、という流れが一般的なのはこういう難しさを直に学ぶことで少しでも不安要素を解消しようとしているからです。

もちろん。
家庭菜園を大きくしたような感じでなんだか楽しそう。
という軽いノリで始めることもできますが、しっかりとした戦略を立ててやっていかなければ長く継続していくことは難しいです。

 

楽園に通じる道のりは険しい

だから意味があるんです。
難しいからこそ意味があるんです。
なんだか難しそうだからやめておこう、憧れてやってみたけどやっぱり難しくてダメだった。
といって新しく参入する農家が増えていかないんです。
需要はあるのに。
だから生き残っている既存の農家は競合が増えることなく安定して経営ができるというわけです。

それでもやってみよう、という気概のある方は是非。
がんばってみてください。
壁を乗り越えた先には楽園が待っています。
このサイトでは、そのための支援ができるように情報を提供しています。
ほかの記事にも目を通してみてください。
すこしでもあなたの背中を押せるような記事があれば幸いです。
 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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