今年も数字で示しますよ

今年もあとすこし。
決算の季節がやってきました。
誰が読んでいるのかわからないブログで収入の話をすることが果たしていいのかどうかわかりません。
公表してなんになるのか、と思ったこともあります。
それでもやっぱり非農家出身者が農業へ参入しても家族を養っていくことは充分に可能だということは世間に示したいし、最初から農業で生計を立てるのは無理だという前提で半農半Xを目指している人たちに一石を投じたいという気持ちもあります。

以下が大まかな数字です。
売上 600万円  (2010年は650万円、2009年は550万円)
経費 170万円  (2010年は200万円、2009年は150万円)
利益 430万円  (2010年は450万円、2009年は400万円)

労働時間 1570時間  (2009年・2010年は1800時間)
ということで大好きな時給計算をすると
売上換算 ⇒ 3800円/H  (2010年は3600円/H、2009年は3000円/H)
利益換算 ⇒ 2700円/H  (2010年は2500円/H、2009年は2200円/H)

2011年はこのような結果となりました。
売上が落ちていますが想定の範囲ですし、原因は2010年度の失敗にあるので今年度という枠でみればとくに気にするほどの落ち込みではありません。
経費について「年初に新品の機械を買わなかった?」とブログをよく読んでくれている方は気づくかもしれませんが、減価償却の対象になるので一括経費算入はしていません。
経費の内訳が知りたい方は過去の記事で。
http://matsufarm.blog.shinobi.jp/Entry/813/
昨年の数字ですが割合はさほど変わっていません。

傾向として、ここ3年は安定した数字を残せています。
これは経営規模を固定していることが要因ですが、天候不順や栽培の成否などを考慮してもなかなかのものだと自己満足しています。
2カ月近く雨が降らなかったり、記録的な猛暑だったり、台風が直撃してみたり、決して農業のしやすい気候ではありませんでしたが、そんななかで野菜を安定供給できたということは今後の自信にもつながります。

今年の一番の特徴は労働時間の少なさ。
1600時間を切っています。
月によって波はありますが平均すると130時間/月くらいの計算です。
日本人の平均はだいたい180時間/月なので、それとくらべるとかなり少ないです。
労働時間を大幅に短縮できたのは新規購入した畝成型機のおかげ。
diary110303-01.jpg
機械を導入する目的が効率化を進めることだったので、こういう結果が出ないとおかしいんですが実際に数字として表れるとうれしいですね。
新品で買った甲斐があったというものです。

そこまで労働時間を削ってなにがしたいの?という声が聞こえてきそうです。
今のところ余った時間はすべて子育てに割いています。
家にいて子供をみているか、畑に出て仕事をしているか。
自由時間は子供が二人とも寝たあとの数時間だけ、といった感じですね。
子供と接する時間の長さにはけっこう自信あり。
育児がんばってまーす。
来年の春には上の子が保育園に通いだすので、そのへんはまた変わってくるかもしれません。
将来的には余った自由時間をフル活用する計画があって、労働時間をここまで短縮してきているのはそのための布石なんですが、現時点では書くことができません。
何年か後にでも記事にします。

近年まわりに有機農家はどんどん増えてきています。
自分でも研修生を受け入れたりしてライバルつくってますし。
彼らに追いつかれないようにがんばらないといけないですね。
来年の目標?
キャベツをうまくつくることです!

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

関連記事

  1. 【情報の価値】生産者と消費者をつなぐオンラインマルシェ「ポケットマルシェ」は何がすごいの?

  2. 【応用編】有機・多品目栽培でトマトはどのように育てるべきか

  3. 書籍出版しました:時給3千円農家のつくりかた

  4. 【応用編】難しいと言われるキャベツの有機栽培をどうやって実現する?

  5. 【天下統一】農業版”食べログ”の衝撃。チョクバイ!は直売市場をひとつにまとめるか

  6. 【地域格差】平地の農業はやっぱり強い!都市・中山間地域で食える農家になるにはコレしかない!