馬鹿でもできる農業は絶対にやるな!

メディアでよく取り上げられたりする農業に関する話題の中に
ニートの社会復帰支援としての農業
障害者の就労支援としての農業

といったものがあります。

彼らの活躍の場として農業がいいという取り上げられ方です。
それがいいとか悪いとか、そういうことをここで言いたいわけではありません。
ニートや障害者を否定するわけでもありません。
農業に触れることで彼らにとって一定の効果があると考えるなら、好きにやってもらえればいいと思います。
私が問題だなと感じるのは、農業という仕事の受け止められ方についてです。

 

作業は単純だが管理は難しい

ニート支援
(画像参照:琉球新報
誤解を恐れずにいえば、
農業はだれでもできるからちょうどいい
と思われているんです。

もちろん。
植物と触れあうことでもたらされる効果はある程度の期待をされているでしょうし、人と向き合わなければならない仕事ではなく、モノと向き合う仕事のほうが彼らにとっていいのかもしれません。
でも。
それを考慮したとしても。
農業をニート社会復帰支援や障害者就労支援の場として活用するということは、誰にでもできるような技術レベルの低い仕事だと考えていることが根底にあるような気がしています。
言いかたを間違えると障害者批判だと受け止められかねませんが、通常よりも低い生産性の人たちを働かせたいと考えて農業を選んでいるのであれば、それは農業の仕事を誰にでもできる簡単な仕事だと判断していることになります。

 

実際はどうかというと。
たしかに単純な作業は多いです。
ただひたすら同じことを繰り返すだけ、という仕事は少なくありません。
要点だけ伝えれば、すぐにだれでもできる作業がほとんどなのは事実です。
なかには農業特有の機械を使用するような難しい作業もあります。
でもそれだって、覚えてしまえば単純な作業であることには変わりありません。

医師や教師、弁護士などのように資格や高度な知識がいるわけではない。
プロスポーツ選手や大工、のように高い技術を求められるわけでもない。
作業そのものだけをみれば、だれでもできるのが農業だといえます。


ただし。
作業そのものは単純で誰でもできるけれど、
その作業をするのはなぜか。
なぜそのタイミングでやる必要があるのか。
その深さで、その幅で、その速さでやるのはなぜか。

という管理者としての立場になると、誰にでもできるとは言えなくなります。
タネを播くことだけをみても、何粒播くのか、土をかける厚さはどのくらいか、水やりはするのかしないのか、そもそも何月何日に播くのか、といったことは知識や経験の乏しい作業者では判断できなかったりするからです。
あくまで、作業そのものが単純であるということだけが重要です。

 

将来なりたい職業 ⇒ 農家

クレイアート農家
あなたが新規就農を考えているなら、このことを絶対に忘れないでください。
作業そのものは単純で誰にでもできます。
でも、それを管理することは単純ではありません。

どんな農業をしたいのか考えるときには、作業者になってしまわないように気を付けてください。
農協が提案する栽培暦にしたがって、肥料の種類や量やタイミングを自分で考えずに、言われるままに栽培する。
できた作物を農協に出荷して、市場で値がついてから売り上げがいくらだったのかが分かる。
そんな農業では、単なる作業者と同じです。
誰にでもできることをあなたがやる必要はありません。

自分の頭で考えて、それを形にしていく。
必要なら営業や販売も手掛けていく。
そうしていかなければ、農業は儲かりません。
農業はバカでもできると世間に思われている、そんな農業をやってあなたは満足できますか?
あなた自身もバカだと思われかねませんよ。

ニートでもできると思われていることは、私たち農業者にとって気持ちのいいことではありません。
怒りすら湧いてきます。
医者や弁護士が尊敬されるように、農業者も人々から尊敬されるようになり、小学生から
将来なりたい職業No.1
として農家が挙げられるように地位を向上させていきましょう。

 

 

 

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