農業において収益や収入を考えていくとき、大規模でやってるのか小規模でやってるのかという耕作面積が重要になってきます。

世間的なイメージでは、やはり大規模農業ほどたくさん稼げるのではないか、小規模ではなかなか生計を立てていくほどの収入を得ていくのは厳しいのではないか。そのようなイメージがつきまとっているように思います。

そのイメージは果たして本当なのか?規模が大きければ大きいほど稼げるものなのかを、今回は農水省から出ている統計情報をもとにして考察していきましょう。

農業を始めるとき、つまり新規就農ではやっぱり最初は小さい面積からスタートすることが多いと思います。

じゃあ、就農初期のころから充分な収入を得ていくためにはどんどん規模拡大を積極的にしていくべきなのか、それとも小さな規模のままであっても技術力向上や取引条件をよくしていくことで健全な経営をしていくことが可能なのか。このあたりは気になるところでしょう。

売り上げや経費、所得などの指標からそれらを見ていくことももちろん可能ですが、今回は”時給”という指標に注目しながら、規模によって時給にどれくらいの差がついていくのかを詳しく見ていきます。

耕作規模によって時給は大きく違う

農家の時給はどのようになっているのか、それを知るには農水省のホームページを見ればすぐに分かります。

といっても統計情報が膨大にあるのでどこを探したらいいのか分からないと思いますので、ご自身の目で確認したい方のためにリンクを貼っておきます。

★経営形態別経営統計(個別経営)

★平成29年経営形態別経営統計(個別経営)

★全国農業地域別・経営耕地規模別統計表
 5-2 都府県 経営の概要と分析指標

ざっくりと言ってしまえば、経営規模別統計表のなかの”家族農業労働1時間あたりの農業所得”という項目に注目します。

これがいわゆる時給を表しているのですが、農業の場合は農家というと農業者ひとりを指しているわけではなく、家をひとつの単位として複数の構成員(家族)もカウントしたりするので、そのあたりを考慮し正確に時給を出しているという意味で

家族農業労働1時間あたりの農業所得

といった表現をしているのではないかと、勝手に想像しています。

それはともかくとして、農業者の時給が明確に統計データとして存在するわけで。今回は、経営規模別にまとめられた時給を拾ってみました。


これは都府県だけのデータです。北海道を一緒に含めてしまうと、面積で分類したときにまったく規模感が違うため統計データとしておかしなことになってしまうため、今回は北海道を除いた都府県のデータを参照しています。

統計の対象となっている農家数は約4000戸数、生産品目はすべて。野菜だろうが米だろうが、畜産も花きも果樹も、すべてを含んでいます。グラフの横軸は耕作面積(ha)、縦軸は時給(円)としています。

まず、全品目を網羅した農業全体で見たときに、農業者一人あたりの平均時給は973円と出ています。だいたい1000円ぐらいですね。一人の農業者が働いて、そこから得た収入を労働時間で割ってみれば時給が算出されます。

この時給1000円という数字。例えばサラリーマン並みに2000時間働いたとしたら、年収は200万円にしかならない。実際、200万円くらいの年収に落ち着いているのが農業全体の傾向であることは知っておいた方がいい事実だと思います。もちろん、主業か副業か、主副業かによって違いますが。

この事実を踏まえながら詳しく見ていきますが、規模別耕作面積がどれくらいのときに時給がどの程度になるのかを示しているのがさきほどのグラフです。

耕作面積が0.5ha未満だと、時給840円。平均よりも低いですね。そして耕作面積が0.5〜1haでの時給は480円。この数字を最低ラインとして、これ以降は耕作面積が増えていくごとに時給も上がっていきます。

日本の農家の平均耕作面積はだいたい2ヘクタールぐらいと言われているので、そのくらいの面積で営農していれば時給973円になるという結果に。この数字は、グラフと照らし合わせても辻褄が合いますね。ちなみに、耕作面積が20ha、30ha、それ以上と大規模化してくると時給4000円を超えてくるようです。

統計データからは間違いなく、面積が大きければ大きいほど時給は上がっていくと言えそうですね。

※補足ですが、0.5ha未満面積の場合になぜ時給が高いのかというと、ハウス栽培による高密度・高反収が理由ではなく畜産による影響です。都府県のデータなので酪農は少なく、養鶏や養豚が時給を押し上げているようです。

このような結果を見れば、国策として大規模農業を支援していくのもわかる気がします。時給が高いことは、生産性が高いことにほぼ直結しますから。

つい先日、2018年11月に国連が小農宣言を採択しましたが、日本はこれを棄権しました。そのことからも国として大規模化を推し進めたい意図が汲み取れます。

まとめると

現役農家の現状は、全体としては時給1000円程度にしかならない生産性の低い農業をしているが、耕作面積が大きくなればなるほど時給が高くなる傾向にある。

新規就農をして、スタート時の小規模面積を継続していくことが悪いとは言わないが、時給1000円にも満たない年収200万程度しか稼げない農業に留まってしまう可能性がある。

それなら最初から規模拡大を目指して営農計画を立て、規模拡大路線を進めていくのが経営としては健全で現実的ではないでしょうか。

小農進化論

ただ、、、小さい農業はダメなのか、小規模農業は国のお荷物なのかというと断定はできません。そもそも当サイトは小さな農業を応援してますし、私自身も小さな農業をやってますから、小さな農業でも稼げる道ははありますよ、時給を高める方法はありますよ、という話をずーっといろんな角度・切り口からお伝えしてます。詳しいことはサイト内をくまなく探索していただければご理解いただけるはずです。

ざっくりと方向性を示しておくと、やはり今回お見せしたデータが示しているように普通に現役農家さんたちのマネをしていて、普通の農業を踏襲していった場合、似たような結果になるのは避けられません。

だから、普通じゃない道を探り進む。非常識だと言われようが、後ろ指を刺されようが、周りとは違った農業を展開する。そうすれば時給が上がっていく可能性はあるという事に気づいてほしいと思います。

では実際にどうしたらいいのか、普通じゃないって何?その答えとして今回は二つの方向性を示します。

一つは商品の単価を上げていくこと。単純に、価格を釣り上げたところで売れなくなるだけです。

もちろんそれはそうでしょう。昨日まで100円で売ってたものを、今日は200円で買ってくださいと言ったって、買ってくれるわけがありません。じゃあその100円の商品を200円に上げるために、300円400円に上げていくためには何をしなきゃいけないか?

価値の創造です。

商品が100円で売れるのは、そのくらいの価値しかないと思われてるから。この商品には200円300円の価値があるんだということを伝えることができて、その価値を認めてくれる人に届けることができれば高くても売れます。

小農は面積が小さいですから生産量も少なくなります。それでちゃんと利益を出していこうとするなら、商品単価を上げていくのは現実的です。売上=単価×数量ですから。

もう一つの切り口、それは経費を下げること。というとコストカットを想像されるかもしれませんがそうではなくて。

マージンを小さくしようということ。経費の内訳を見て、その割合が大きいところに手をつければ効果も大きいだろうという発想ですね。一般的に、農協出荷や市場流通に頼り生産だけ集中している農家の場合、けっこうな中間マージンを取られています。小売価格の半分以下が生産者の取り分、なんてザラにあります。

大規模農業であれば、流通や販売、営業などを委託して生産に集中したほうが結果的に利益が大きくなるでしょう。薄利多売でも生産量があれば大きな利益を得られるからです。でも小規模農家が同じことをやれば、薄利小売で利益も薄くなります。

であれば、流通や販売を自分自身である程度手掛けていく。そういう方向性でやっていけば利益率は高まります。100円で売れば100円が手元に入ってくる。そこから経費を引いたぶんが収入になっていくので、生産量が少なくても大きな利益を得られるようになります。

もちろん生産に集中できないデメリットがあるのですべてを自前でやるのがベストではないでしょうが、やれることは外注しないて自分でやる選択肢もありだということです。

小さいことを自覚するところから

流通や販売を手掛けつつ、価値を高めて単価をアップする。もちろん簡単なことではありませんが、時給を計算したら大規模農業と張り合うくらいに高めることは可能だと、それは知っておいてほしいと思います。

小さな農業は、頭を使えばやり方次第ではいくらでも時給を高めることができます。新規就農者は最初小さいところからスタートすることが多いでしょうし、戦略的に経営することも検討してみてください。

参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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