コロナ禍でかなりたくさんの補助金・助成金がばらまかれたことは記憶に新しいですが、「そんなものをもらわないとやっていけない事業者はオワッテル」などと痛烈に批判する人たちも一部にはいますよね。そういった批判はコロナに関係なく以前からありました。
農家は補助金漬けだとよく揶揄されるので敏感になる気持ちはよくわかりますし、僕も補助金は悪いものだと考えた時期が少なからずありました。今ではそのような考えは薄くなりましたが。
補助金をもらうことは悪いことなんでしょうか。もらえるものは貰っておけ、という事業者はけっこういます。むしろ大企業ほどうまく補助金・助成金を活用して成長を加速させているのは周知のとおり。これは農業に限ったことでもなく他産業でも同じです。
そもそも国はなぜ税金を一部の事業者に還元するような不公平感たっぷりなことをしているんでしょうか?
国は弱者に対して手を差し伸べているわけでもなく、推進したい分野・業界に補助金・助成金を振り分けています。この産業を伸ばしていきたい、この分野を成長させたら結果的に税収アップにつながる、そのような思惑で税金の使いみちを考えているはずです。
だとしたら、もらう側も賢く活用しなければもったいないですよね。うまく活用して事業を大きくして税金を多く払って返せばいいだけ。補助金=悪だなんて思う必要ありません。未来への投資だと思って積極的に取りに行くくらいでちょうどいいです。
補助金を受けるメリット
じゃあもらってやろうじゃないか補助金を。頂きますよ成長のタネを、と鼻息荒く補助金をとりにいったとします。そこで立ちふさがる高い壁に直面するんです。「あーこれはダメだ、やっぱりやめようかな」と挫折しそうになるほどの高い壁。
それが事業計画です。なにやら山のような書類を作らないといけないぞ・・・という面倒くささをなんとか乗り越えたとしても、
「現在の経営状況、売上や顧客の状況、商品・サービスの提供内容など詳しく書いてください」
「本事業を活用してどのような取り組みを行うのか、他社との違いや創意工夫などを盛り込み書いてください」
「今後どのような経営方針や目標をお持ちか、可能な限り具体的に書いてください」
「本事業を行うことで売上、取引などにどのような効果があるのかを書いてください」
といった内容を丁寧に文章や写真・図などで説明しなきゃいけなかったりします。
簡単じゃないんですね。どの補助事業を活用するのかによりますし、農業系は比較的ゆるいように感じますが、自分がやっていることを整理して文字に落とし込めないと書くことはできません。多くの方はここで挫折し脱落していきます。
ただ、しっかりとした事業計画を他人に説明できるようにまとめられるのは、むしろ補助金申請するメリットではないかと思います。申請するにあたり事業計画をしっかり作り込み、数字ひとつひとつに根拠があり他人に納得してもらえるものを用意することは、自分の頭の中を整理するのに非常に役立ちます。
つじつまが合わないところがあれば計画段階で修正することができ、現状どこがボトルネックになっているのかを発見することができ、目標からの逆算で今やるべきことが明確になる。
日々の仕事に追われていたら考えることもなかった事業計画を、あらためて見直すきっかけをくれるわけですから、補助金を受けるのは金銭的なメリット以上の恩恵がありますよね。「そうだよ、すごい恩恵じゃないか!」と思われた方がいたら、ぜひ補助金申請してみてください。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・