多品目栽培をするということは、作業の内容も多岐に渡るということ。
今日はA圃場でニンジン・ゴボウの草取りとレタスの定植
B圃場で土手の草刈りと大根の間引きとナス・ピーマン・カボチャの定植
という日があったとして、この日だけでも作業は多岐に渡るのに、次の日もそのまた次の日もいろんな作業をこなすということはよくあります。
こういう作業の決定は、目の前に降ってきた作業をただ詰め込んでいるのではなく、いまやらなければならない作業に優先順位を付けて、最優先すべき作業は真っ先に取りかかるし、手持ちの時間では無理だと思うような作業があれば切り捨ててその野菜の収穫そのものを諦めてしまうこともある、そういうことの積み上げによって全体の作業日程が構成されます。
時間が足りねぇ~という場合は、自分のキャパを越えて計画が立てられているとか、自分の持ち時間や作業スピードを把握してないとか、いろんな要因はありますが、無理だと思ったときに切り捨てができていないことがけっこう大きい気がします。
うちの場合ですが。
また、優先順位をつけるには天候も大きく関係します。
晴れて土が乾いていているうちにやりたい作業、雨が降っても出来る作業、ひと雨ふったあとにやりたい作業など天気予報を見ながら優先順位を入れ替えていきます。
その日その日を状況を見ながら作業予定をどんどん変更していくのですが、研修生が本当に学ぶべきところは実はここなんですね。
なぜ今日の午前中にニンジン・ゴボウの草取りで午後にナスの定植なんだろう?
なぜ草に埋もれた水菜を救出しないんだろう?
白菜のタネまきをするのはなぜ今日なんだろう?
ただ与えられた作業をもくもくとこなしているだけでは何も得られません。
なぜ今これをやっているのか、農園主の目線に立って考えてみるといろんなことが見えてきます。
1日をどのように組み立てているのか、1週間はどうか、1ヶ月で見ると・・・。
毎日頭から煙が立ちのぼるほど考えて考えて、疑問符をひとつずつ消していって、また別の「?」にぶつかって考えて、そういうことを繰り返していくといつの間にか自分で圃場管理をさくっとできるようになっている。
というのが理想ですけど。
今日一日の予定している作業すべてに優先順位をつける。
まずはそこからですね。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・