安全と安心の違いを知って農家としてやるべきことを知る

世の中には、安全安心という言葉がありますよね。
なんとなく、この二つを同時に組み合わせて使う場面が多いです。
が、安心と安全の違いをはっきりと認識して使い分けている人がどれだけいるのでしょうか。

安心と安全、この両者はまったくの別物。 

農家として販売までやっていくなら、 違いを知る必要があります。
安全を提供するのか、安心を提供するのか。
これは大きな違いです。
安全と安心の違いを知り、それを農家として販売に活かしていく。
安心を求める人に安心を届ける。
安全を求める人に安全を届ける。
そういう使い分けできると、販売農家として売上が増えます。
顧客が増えます。
収入が増えることにつながります。
いや、ほんとに。
売上は関係ないでしょ、と思うかもしれませんが本当です。
最後まで読んで、参考にしてみてください。

 

安全は科学的に証明されてこそ意味がある

何をもって安全とするのか。
これは実は難しい問題です。
どこまでが安全で、どこからが危険。
その判断をするには、明確な基準が必要になるからです。
どこかに基準を設けて、その基準を満たしていれば安全。
満たしていなければ危険という線引き。
これが絶対に必要です。
つまり、簡単に言ってしまえば。

基準が必要。

もしくは比較対象が必要。
という話なんですが。

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もうすこし具体的に言うと。
安全を目に見える形で提供しようと思ったら、数字にする必要があるということ。
データとして示す必要があるということです。
ナントカ物質の濃度が●ppmを超えたら危険。
とか、
この基準を超えたものを摂取すれば、10万人に1人くらいの確率で下痢・嘔吐になる人がいる。
とか、そういうデータです。
いわゆる安全基準というやつですが、個人の農家としてデータを集めたり数値を測定したりするのは、なかなかハードルが高いのではないでしょうか。
面倒だから、とかそういう話ではなくて、データをとるだけでもそれはコストですから。

 

農産物に関わる安全性は、色々な要因・要素があります。
農薬の問題、硝酸態窒素の問題、アレルギー、環境汚染物質、抗生物質、遺伝子組み換え・・・。

これら一つ一つの安全基準を満たすように、農家が栽培に努力を重ねていくことは、もちろん大切なことだとは思います。
でも、、、
それは正直に言ってしまえば難しい。
というか農家にとってかなりの負担になります。
それぞれの問題について農家自身が勉強して、安全基準についての知識を蓄え、その基準を満たすために最大限の努力をする。
必要なら、お金をかけて検査をして、データを取る。
それって大変なことです。
生産性とか効率性とか、必要な収入を得ていくためにがんばっているところへ、それにブレーキをかける要因になる可能性が高いですからね。
できれば避けたい面倒さ・・・。

と、安全性を追求すればこのような面倒なことが待っているけど。
そもそも消費者が安全性を求めるときに考えていることは、意外と

農薬を使っているかどうか

という部分だけだったりして。

なんだよ、それだけかよ~

みたいなガッカリ感もあったりするのが現実です。

大切なことは。

求められるものを提供する。
顧客の悩みを解決する。

という視点。
消費者目線を常に意識することが大切ではないでしょうか。
農薬を使わない選択が、消費者にとって心の満足を満たすことにつながるなら。
無農薬で栽培すればいい。
ということ。
安全性の追求はどこまでいってもキリがありません。
10万人に1人の確率で被害が出るのか、1000万人に1人が被害を受けるのか。
その差を意識して、安全性を突き詰めていくことにどれだけの意味がありますか?
農家として、データや科学的根拠で安全性を示すことができると思いますか?

 

ここで覚えておくべきことは一つだけ。

安全性は数値に置き換えなければ意味がない

ということ。
安全性は、根拠が示されなければ意味がありません。
データで基準を示してこそ意味のあるものです。
もし安全性をウリにして農産物を売っていこうとするなら、データが必要です。
つまり安全の根拠が必要。

農薬の安全性

うちは農薬を使っていません。
肥料も入れていないです。
畑の中になにも持ちこんでないから安全です!
と言ったとしても、空から降ってくる雨になにか混じってませんか?
空気はほんとうに綺麗で安全だと言い切れますか?
無農薬といいつつ木酢とか牛乳など自然農薬を使っていませんか?

これらの事象を、データで示すことは困難です。
もちろん、収穫した農産物を検査して、数値として安全だと言うことはできます。
でも、検査したのは全部じゃないですよ。
たまたまピックアップしたものだけです。
それが全体を示していると本当に言えるのか、それで消費者が納得できるのか。
重箱の隅をつついていけばキリがありません。

安全を売りにするなら根拠を示すべきです。
それはつまり数値化。
でも道は、どこまでいってもキリがなくて、突き詰めていっても消費者が満足するか分からないイバラの道だということだけは知っておいてほしいと思います。

 

安心は心の問題

似ているけどまったく異なるのが安心です。
かんたんに表現すれば、

安全は基準があるが、安心は基準がない

ということ。
安心という漢字が示すとおり、安心は受け取る人の心の問題であり、その人がどう感じるかによって変わるものだからです。
だから難しい。
安全性が確認されているから安心、という人はいるでしょう。
でも。
いくら安全を主張しても安心につながらないこともあります。
それは科学的データを示している出所を信頼できないからだったり、安全だと言われても目に見えないから不安だったり、安全基準そのものに不満を持っていたり、理由はさまざまです。
これはようするに、
農薬がかかっていても安心できる人もいれば、無農薬でも安心できない人もいるということ。

悩む女性

だから、生産者としてやるべきことは

情報発信、情報公開でさらけだす

ということ。
どんな人が、どんな考え方で、栽培にどんなこだわりがあって、どういう生産をしているか。
隠さずに伝えることで安心が近づいていきます。

安全はデータを提供する、数字で示す、根拠を形にするもの。
だとすれば、
安心は素顔をさらけ出す、本心を見せる、信頼を得る、グレーゾーンを減らしていくもの。

安心と安全が全然違うものであることは一目瞭然です。

生産者が思っている以上に、消費者は不安を抱えています。
それは、自分自身を考えたらわかると思います。
安心という目に見えないものを満たすのは決して簡単なことではありませんが、生産者としてやれることはやったほうがいい、やるべきではないでしょうか。

 

安全を売りにするのか、安心を売りにするのか

安全なら安心かといえばそんなことはなく、
安心できるから安全かといえばそんなこともない。
まったく別の価値だと理解すべきです。
どちらの方が重要だとか、どちらを優先すべきかとか、そんな話ではありません。
ベクトルが違うんです。

これを生産者としてしっかりと考えていくと、
戦略が変わります。
顧客が変わります。
安全性を求める顧客に対して、安全なものを提供する。
安心を求める人に対して、安心を提供する。

その違いは歴然です。
求められているものが違うんだから、提供するものも変わります。
提供するものが変わるんだから、経営の方向性や戦略が変わる。

情報の発信方法が変わってきますし、栽培方法も変わってきます。
販売方法だって変わってくる可能性があります。
まず考えるべきことは。
誰にどんなものを提供したいのか。
自分だからこそ提供できるものとはなにか。

これらを考えることがどれほど重要か、安心と安全という切り口から見えてくると思います。


 

 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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