オンリーワン農家になる。小さな世界で一番になる方法

小さくても強い農業。
小規模農業でもしっかりと収入を得ていく方法は存在します。
そして、それを実現するためには、ちゃんとした考え方に基づいて経営を意識し、販売をしっかりと自分で手がけて、自分の商品を自分で売っていく。
そういった農家になる必要があります。
この時に気をつけるべきことは。
それは、大規模農業と同じことをやっていてはダメということ。

この話は別の記事でもしていますが、これは言い換えると
「自分自身のポジションを確立する」
という表現になります。
ポジションというのは立ち位置のこと。
どんな農業をして、どんなお客さんに、どんなこだわり商品を、どうやって売っていくのか。
マーケティングを考えて、自分なりの農業スタイルを確立していく、ということ。
つまりは。
小さい農家としての、大規模にはできない小さいからこそのポジションをとっていく。

とにかく自分自身のポジションを決めていく、確保していくこと。
つまりポジショニングをどうやって作っていくのか。
ここに全てのカギがあります。
タイトルにある、「小さな世界で一番になる」ことがポジショニングと大きく関係しているのですが、今回はこのあたりについて深く掘り下げていきます。

そこにしかいない存在になる。
あなたから買いたいんです、と言われる存在になる。

そのための方法について書いていきます。

 

ポジショニングとは

ごく簡単に言ってしまえば、ポジショニングで重要なことは
誰ともかぶらない場所に立つ
という点に集約されます。
別の言い方をすれば、
差別化してオンリーワンになる
ということ。

ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン。
なんて歌詞の有名な楽曲がありますが、オンリーワンになった時点で
小さな世界でナンバーワンになった
ということに等しいわけで。

これは、自分だけの立ち位置を決めてしまうということ。
誰でもできることを、あなたがやる必要はありません。
誰でもつくれて、どこにでもあるものを、あなたが持つことに意味はありません。
そこにしかない、他では手に入らない商品をいかにして作るか。
その商品を、あなたから買いたいと思ってもらえるような売り方をどうやってしていくのか。
これがオンリーワンになるということであり、小さな農家が生き残っていく道です。

 

島田紳助の伝説

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島田紳助という人物をご存知でしょうか。
元・吉本興業のお笑い芸人で、お笑い界のトップに君臨していたのでご存知の方も多いでしょう。
今現在は、いろいろ事情がありテレビには出ていないので、多くの人の記憶から薄れていっていますが、彼が芸能界で確立したポジションはまさにオンリーワン。
誰にも真似できないものでした。
もちろん才能はあったと思います。
でもそれ以上に、自分の立ち位置をしっかり考えて、誰ともかぶらないポジションをとろうとした戦略性が大きかった。

デビューして間もないころ。
同期のオール阪神巨人をみて、「これは勝てん」と思ったそうです。
そして、明石屋さんま。
彼の才能、スター性は真似できるものではなく、同じ道を進んだらダメだと悟ったそう。

自分が勝てる場所を探さなければ生き残ることはできない。
自分の強みは何か弱みは何か。
自分がオンリーワンになれる場所はどこか。
それを突き詰めて考えて、戦略的に考えて、たどり着いたのが、漫才でのあのイメージ
不良っぽい、島田紳助
漫才コンビ紳助竜介
なわけです。

 

ポルシェというブランド

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もう一つ例をあげます。
ポルシェ、という自動車メーカーはご存知でしょうか。
ポルシェといえばスポーツカー、といったイメージが強いですが、このメーカーは誰もが知っているほど有名ですよね。
ただ、有名だけど台数はそんなに売れてません。
その車両価格帯のおかげでしょう、お金持ちかモノ好きが購入するくらいで、それほど多く売れていません。
自動車業界は、よく生産販売台数で世界一を競ったりしていますが、その基準でいえばトヨタやGM、フォルクスワーゲンには遠く及ばない。
上記3社は年間で1000万台を超えるくらいなのに対して、ポルシェは約24万台。
まったく勝負になりません。

でも、
高級スポーツカーというカテゴリーならどうでしょう?
けっこう上位に食い込めるのではないでしょうか。
もしかしたらナンバーワンになる可能性もありますよね。
自動車という大きなカテゴリの中では、販売台数で遠く及ばないけれども、カテゴリーを細かく分割して一番になれる場所を探す。
そうして確立したポジションが今のポルシェの立ち位置なわけです。
ポルシェはポルシェでしかない。
ポルシェが欲しい人はポルシェしか買わない。
ということです。

 

小さな世界で一番になるポジショニング

じゃあ、ここまでの話の流れから考えて。
小さな農家が一番を取る、オンリーワンになるにはどうしたらいいでしょうか。
なかなか難しい問題のように思えるかもしれません。
まあ、たしかにオンリーワンは簡単じゃないです。

けど、ポルシェの例で挙げたように、生産量が多ければいいというわけではないし、大規模だからいいというものでもありません。
むしろ小さいからこそ尖った特徴を前面に出して、一番を取りやすいという見方もできるわけで。
そんなに難しく考えなくてもいいんです。

では具体的に、どのようにしてオンリーワンになっていくか例を示しておきます。
参考にしてみてください。

1.まずは地域で絞りこんでみる

たとえば有機農業をやっている農家、という大きな枠で一番をとるのは容易ではありません。
何十年も経験を積んだベテランがいますし、大規模に生産している農家もいれば、職人の技を追求している農家もいる。
どんな切り口で考えても一番はとれない気がしますよね。

でもよく考えてみてください。
商圏はどこですか?
全国展開するわけじゃないですよね?
だったら地域を限定してみればいい。
全国で一番、愛知県で一番の有機農家はムリかもしれないが、豊田市で一番ならなんとかなるかもしれません。
県単位、市町村単位で絞り込んでいって、どんどん範囲を狭くしていって、
おっ、この範囲なら一番だ!
と思えるなら、そこでナンバーワンを名乗ってしまえばいい。
ナンバーワンには人を惹き付ける力(宣伝力)があるから、地域を絞ってそこでは一番だと言ってしまえばいいんです。
そうすれば、地域の人たちは
「あそこの農家の野菜が一番なんですって~」
と勝手にプラス解釈してくれます。

 

2.商品の特徴をリストアップ

地域を絞ったけど競合がいて一番になれそうにない。
そういう場合もあります。
であれば次の手を打ちましょう。
自分の栽培品目、商品の特徴を挙げてみてください。
これなら他に負けないかも、というウリです。
無農薬で栽培しているとか、特別な品種を使っているとか、肥料にこだわってるとか、サービスの質は負けないとか、新鮮さならナンバーワンだとか、味には自信があるとか、価格を考慮すればかなりイケてる品質だとか、自分自身のキャラクターが超絶おもしろいとか。
ほかにはない特徴があるなら、それを前面に打ち出していけばいいわけです。

 

そうすると。
まず地域を絞ったことで、ある程度は競合する相手が減って、この時点でナンバーワンやオンリーワンを名乗れる場合もあるでしょう。
それでも地域限定だけじゃムリなら、次にウリになる商品の特徴を魅せていく。

豊田市で最も新鮮なキャベツを買える●●ファーム
愛知県で最も話がうまい農家がつくるニンジン

という感じですね。
とにかく他とは違うんだと思ってもらわないことには何も始まりません。
積極的にオンリーワンを探していきましょう。

 

と、ここで注意すべきことがあります。
競合しそうな相手と比べて、
お客さんはなぜうちのを買うのか?
という質問にしっかり答えられるかどうかを意識してください。
さきほどの、
愛知県で最も話がうまい農家がつくるニンジン
は、キャラクターをウリにしていますが、そもそもニンジンを買いたいお客さんが農家のトークスキルを求めているのか、という問題があります。
求められていない特徴をウリにしても意味がない、ということは忘れないでください。

 

売りやすい状況をいかにして生みだすのか

大きな世界で一番になるのは難しい。
だったら小さな世界で一番になればいい。
ただそれだけのことです。
なにかを買おうとするとき、やっぱり一番のものが欲しいですよね。
求めている特徴を備えていて、比較するものがあればナンバーワンを名乗っているものを買いたくなります。
作ったものが売れなければ収入になりません。
作るだけじゃなく売ることも考えるなら、売りやすい状況をいかにして生みだすのか。
それを常に考えてほしいと思います。


 

 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

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