プロとしての自覚を持つ アマチュアとの違いを意識すべき

家庭菜園

あなたのまわりに家庭菜園をされている方はいらっしゃるでしょうか。
田舎のじーちゃんばーちゃんが、という話はよくあると思いますが、そうじゃなくても自宅近辺で家庭菜園をされている方がいらっしゃるとかそういう畑をたくさん目にするとか。
よほどの大都会でなければ回りで家庭菜園の畑を見たことはあると思います。
そのような家庭菜園の畑ってじっくり見たことはありますか?

まあ興味がなければ見ないでしょうけど、季節ごとにいろいろな野菜が育っていますよね。
夏だったらトマトやキュウリ、オクラやナス、ピーマンなど。
定番野菜ではあるけれど、けっこう大きく元気そうに育っています。

プロの私が見ても「おー大きく育ってるなぁ」と思うような家庭菜園をよく目にします。

事実、家庭菜園をされている方々はけっこう上手に野菜を育てることができます。
だいたい同じような種類の野菜を、毎年同じように育てて、長年の経験が積み重なっているからです。
でも。
そこで育てておられる方々は、プロではありません。
本業として野菜を育てているプロではなく、あくまでも趣味として育てている。
アマチュアです。
もしかしたらプロ級のアマチュアかもしれませんが、とにかく育てることを仕事にはしていません。

アマチュアの趣味としての栽培。
プロの仕事としての栽培。
そこにはどんな違いがあるでしょうか。
今回はそのあたりにフォーカスしてみようと思います。
プロとアマチュアの違いが分かりますし、プロとしてやっていくにはどのような要素が必要なのかが分かるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。

 

プロとしての誇りと責任

作物を育てることを仕事にしている人たち、私たちのような専業農家は自分が持っている時間をほとんどすべて作物を育てることに使っています。
畑にいるときはもちろん、畑にいないときでも作物のことを考えています。
もしかしたら寝ているときも夢で作物のことを気にしているかもしれません。
それくらいプロである専業農家は作物を育てるということに集中しています。


これはたとえば、プロスポーツ選手をみてみるとよくわかります。

盗塁

プロ野球選手は自分の持っている時間を野球のことだけに使うことができます。
野球に集中できる環境が整えられている中で、現役でいるうちは野球が生活の中心になっています。
アマチュア野球はもちろん、社会人野球でも仕事を持ちながら野球をしているので、才能や実力の差こそあれ練習量でも差がつくため、プロ野球選手の実力が高いのは当然のことだと言えます。

もちろん。
マイナーなスポーツやプロと言ってもスポーツやってるだけで十分に稼げないときは別に仕事を持つこともあるでしょう。
でも、彼らプロスポーツ選手はそれを仕事にしている人たちです。
プロとしての誇りと責任を持っています。
だからこそ生活のほとんどをそこに賭けているはずです。

 

真正面から農業という仕事に向かいあう農家

プロの農家も同じです。
農業だけで家族を養っている、自分自身の生計を立てている農家というのは、そこに全てを捧げています。
もし栽培に失敗したら収入がなくなる、減ってしまう、お客様からの信頼を失ってしまう、という危機感と常に隣り合わせです。
神経をすり減らしながら、真正面から農業という仕事に向かいあっています。

趣味で家庭菜園をしている人、兼業でべつの仕事を掛け持ちしている人。
そういう人たちも同じように野菜を育てて、畑でせっせと野菜の世話をしています。
でも。
栽培をするという面だけをみれば同じように作物を育てているけど、そこに費やしている時間はまったく違います。
そこに向き合っている真剣さもまったく違います。
となれば、個人差こそあるけど結果も変わってくるのは当然のことだとは思いませんか?
私たちがオリンピックで感動するのは、その競技に人生を賭けてきた人たちが真剣勝負をするからです。
スポーツと仕事を一緒に考えるのはもしかしたら間違っているかもしれませんが、専業農家はそれくらい真剣に作物を育てているということを知ってもらえればと思います。

 

プロ農家とアマチュア農家の大きな差

家庭菜園が悪いとは言いません。
兼業農家が悪いわけでもありません。
でも。
農業だけを仕事にしている、いわゆる専業農家という人たちは、プロ中のプロだということを頭の片隅に入れておいてください。
アマチュアがどれだけ頑張って素晴らしいものを育てても、それはプロ級であってプロではありません。
プロにはプロの、もっと高い次元での思考や技術があります。

それが結果としての作物に現れるかどうかは分かりません。
個人差が大きいのでアマチュアにも劣るようなレベルのプロフェッショナルだってもちろんいます。
そうだとしても、プロの意気込みや誇りは必ず商品である作物に含まれています。

それを商品にのせることができるかどうか、食べてくれる人に伝わるかどうかは農家次第です。
プロとしてのプラス要素を伝えられるだけの情報発信力。
見ただけで分かるくらいの圧倒的な品質。
どんな形であれ、プロが育てたんだという付加価値は食べる人に伝わるべきです。

自分はプロである。
プロとしての仕事をしている。

そういったものを表現する力がプロには求められます。
ただ栽培をしていればいいというものではないことを覚えておいてください。

 

 

 

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