農業を始めるには、大きく分けるとふたつの道があります。
農業法人のような会社組織に就職するのか。
それとも。
起業開業という形で自らが事業者となって独立就農するのか。
サラリーマンのように雇われる立場になるのか、自分が雇う側の立場にまわるのか。
まったく対極の生き方を選ぶことができます。
サラリーマンをしていて、もしくは学生やフリーターをしていて農業を仕事にしたいと考えたとき。
どのようにステップを踏んでいけばいいのか分からないとき。
yahooやgoogleなどの検索エンジンで調べてみると思います。
農業 始める
なのかもしれませんし、
農業 長野
のように自分が住んでいる地域をワードに含めるかもしれません。
そんななかで、
農業 就職
と検索する人もある一定数います。
おそらくそのように検索される人は、農業法人への就職をイメージしているのでしょう。
もしくは種苗系やバイオ関連の企業も含めているのかもしれません。
でも中には。
ただ単純に就農という単語を知らなくて、
農業を仕事にしたいんだけど何と検索したらいいんだろうか?
と考えて
農業 就職
と検索した人もいるのではないでしょうか?
今回は。
農業という業界に就職するにはいくつかのルートがあること、それぞれのルートによって持つべき思考が違うということ。
このあたりについて触れていきます。
目次
農業法人への就職
(画像参照:農業生産法人トップリバー)
ひとつは農業法人などの会社組織への就職という形です。
就職という言葉から連想されるのはおそらくこれではないでしょうか。
会社に雇われて、毎月決まった給料をもらって働く。
そういった雇用関係が結ばれています。
このような法人就職は他の業界と変わらず、いわゆるサラリーマンという立場になります。
業界全体としては給与水準は低いほうだと思いますが、なかにはものすごい高給な法人も存在するようですね。
このような働き方の場合。
ごくふつうに、就職をしてサラリーマンとして働くことになるので考え方も雇われている被雇用者としての思考でまったく問題ありません。
というよりも、なにかを意識する必要はなく、とくに思考回路を入れ替えることもなく農業への就職ができると思います。
農業にかかわる仕事がしたい、と考えたときにもっとも参入しやすいルートです。
とはいえ。
農業法人は、その法人数そのものが非常に少ないので就職しようとすれば狭き門になります。
実際、新規就農する人のうちの1割程度しか法人就職という道に進んでいません。
完全独立型はサラリーマン思考では食えない
サラリーマン農業とは別の道ももちろんあります。
自営業としての農業、いわゆる農家になるという形です。
農業といえばこちらのほうが一般的ですね。
農家という言葉の印象になじみがあるせいかあまり敷居が高いように感じませんが、地元の小さな飲食店のように夫婦でこじんまりとやっているのと同様に自営業であり、立派な事業です。
農業をやる = 事業者になる
法人就職ではない農業を考えているのであれば、事業を興すという意識は絶対条件です。
サラリーマンと同じような雇われている感覚で始めると、たいていの場合は最初につまづきますのでご注意ください。
同じ農業をやっていても、法人就職すればサラリーマンと同じなのにたいして、農家になれば自営業者として社長の立場になる。
まったく立ち位置が異なります。
適当に働いていれば、毎月決まって給料が振り込まれるサラリーマンとは違って、やったことに対して結果がついてこなければ1円にもならないリスクを伴うのが農家です。
すべての責任を自分で背負うことが求められます。
農業をやりたい、農家になりたい。
と考えているのであれば、サラリーマン思考を捨てなければ一人前になることはできません。
独立型だが農協依存だと不安定なサラリーマン
とはいえ。
すべての農家がそのような独立志向の強い経営をしているわけではありません。
たとえば。
農協の組合員になり、栽培部会に入り、農協出荷をメインにしている農家などはサラリーマンとそれほど感覚は変わりません。
農協という組織に所属して、求められるように栽培をして出荷をする。
ただ栽培をしていればある程度の安定した収入が得られる、という農家がけっこういます。
栽培以外の部分は、農協が取り仕切ってくれるわけです。
農協という組織に属する農家サラリーマンといった感じですね。
一概にこれが悪いわけではありません。
農業をやりたいと考えている皆が、独立心の強い人たちばかりではありませんから。
サラリーマンのようにある程度の安定が欲しい。
とにかく栽培することに集中していたい。
そういう人が多くいるのは事実です。
そんな人たちの希望を叶える、サラリーマン農業のひとつの形として農協という組織が関与している。
それだけのことです。
でも。
所属する農協が組織として強ければ、そこに所属する農家も当然ですが身入りが多くなります。
でも所属する農協が弱ければ、目も当てられないほどの悲しい収入しか得られません。
というように組織力に左右されてしまいます。
しかも天候に左右されやすい。
それが収穫にまで影響すると、収入にも響いてくるという悲劇が襲います。
サラリーマンのように安定した収入というわけにはいかない。
サラリーマン的な農業をやっているけれど、不安定な部分を丸抱えしているのが農協依存型農家です。
どのような働き方をしたいか考えてみる
このように。
ひとくちに農業といっても様々な働き方があります。
法人就職、完全独立農家、農協依存型農家。
農業をやりたい、農業に関わる仕事がしたい、と考えたときには
自分はどんな働き方がしたいのか
ということも同時に考えて、どの道に進むべきなのかを決めてもらえればと思います。
参考になれば幸いです。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・