味覚は主観的なもの
だと思うので僕は自分の野菜に関して美味しいですとは言わないようにしています。
もちろん美味しいと思いますがそれを他人に押しつけたくないからです。
僕が美味しいと思ったものでも他の人が食べて美味しいと感じるとは限りませんからね。
(野菜の)味を決めるものにはいくつかあると思いますがさっと並べてみただけでも
鮮度、栽培方法、品種、環境、思い込み、味覚
といったところが挙げられます。
鮮度については言うまでもなく新鮮であればあるほど美味しいと感じます。
サツマイモなど一部例外はありますが、トウモロコシや枝豆やアスパラガスなど収穫直後の美味しさが感動的な野菜もあり、基本的には新鮮なほど美味しいのは間違いないです。
よく畑で収穫したものをその場で食べて「美味しい~」ってのがテレビのみならず巷でブームになっていますが、スーパーで売っているものに比べればそりゃ美味しいですよ。
新鮮だもん。
栽培方法については僕個人的にはそれほどウエイトが大きいとは思っていません。
農薬や化学肥料を使っているかどうか、肥料は何を入れているのか、草を生やすのかどうか、厳しく育てるのか優しく育てるのか。
これに関しては栽培方法(◆▲農法)によって味が違うというよりは各農家の栽培技術によって味に特徴が出るのでは?と思います。
ひとくちに有機栽培といっても使用する肥料の種類、投入量、栽培管理など農家ごとにそれぞれの想いをもって栽培していますからね。
有機栽培だから美味しいとは言いきれませんし、慣行栽培(農薬・化肥栽培)でも美味しい野菜を育てる農家さんはたくさんいます。
◆▲農法だから美味しいんです、というような誘惑にはご注意ください。
品種による味の差はかなり大きいと感じています。
わかりやすいところで言えばジャガイモの男爵とメークインでは味も食感もまったく違います。
他の野菜についても本当に多くの品種が存在していてそれぞれ特徴をもっています。
どういう品種を選ぶのかによって味の違いは明確に出てくるんです。
たとえば慣行栽培のものと有機栽培のものを食べ比べしようと思っても、品種が違うだけで味に差が出るので一概にどちらの栽培方法が美味しいとは言えないわけです。
有機栽培が美味しいとかじゃなくて、美味しいと言われている品種を使っている可能性がありますから。
環境っていうのは食空間のこと。
演出された空間でいただく料理は、そのものの味以上に美味しく感じることがあります。
これと同様に畑で直接もぎとって食べる野菜は相当にうまいです。
鮮度のところで書いたように収穫したての野菜は本当にうまいんですけど、それ以上に環境が演出したプラスアルファもあるような気がします。
思い込みは気持ちの問題。
生産者を知っていると美味しさがプラスされる、という話ですね。
味覚は人それぞれ違うもの。
あっさりした味を好む人もいれば、こってり濃い味が好きな人もいる。
プロのシェフのように舌が肥えて敏感な人もいれば、僕のように何を食べたって美味しいと感じる人もいる。
だから僕の野菜が万人に受け入れられるとは思わないし、100%認められることは難しいと思う。
でも誰が食べても美味しくないと感じるような野菜を育てないように気をつけたいなとは思いますね。
このように味を決定する要素というのは様々あって、これらが絡み合うことで評価が決まってくるんだと思います。
味という主観的なものは他人よって評価されて初めて生きてきます。
松本さんとこの野菜おいしいね、というお褒めの言葉は何者にも変えがたい賛辞であり、その評価が集まることで客観的な評価になっていきます。
多くの人に美味しいと言ってもらえるようにがんばらないと。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・