松本自然農園の強さの秘密

昨日の日記で出荷作業に時間がかかってしょうがないという話をしました。
ここから真面目な話に展開してみようと思います。

松本自然農園で生み出される野菜の主な出荷先は一般家庭です。
箱のなかに10種類前後の野菜を詰めて送っています。
収穫はあれこれ採らないといけないし、小分けして箱に入れないといけない。
1種類の野菜をドサーッと送る大口取引と比べれば相当に効率が悪いです。

多品目栽培にして一般家庭向け。
こんなに効率の悪い経営はほかにないかもしれません。
ただしこんなにリスク分散している経営もほかにないかもしれません。

野菜の栽培には豊作・不作はつきものです。
天候や病害虫に左右されて出荷に至らない、ということも往々にしてありえます。
現に今年はジャガイモが病気でやられたしサトイモは干夏で不作、昨年は雨のおかげでトマトが不作だったし全体的に葉もの野菜が調子悪かった。
それでも家庭向け野菜セットは途切れることなく出荷を続けることができました。

なにかが不作でも収穫できる野菜があれば野菜セットは成り立つので、栽培の失敗があったとしても収入にはあまり影響がありません。
不安定要素が満載の農業界において売上が安定するというのは何者にもかえがたい利点なのかなと思います。
効率に目をつむって経営の安定をとったのが松本自然農園なのかも。

僕が大口取引に重きをおかない理由はリスク分散のためですが、まだまだ栽培に自信がもてないというのも理由としては大きいです。
毎年うまいこと栽培できている野菜って意外に少ないですし。
今年はうまくいったけど昨年は失敗した、というのはけっこう多い。
ほしいと言われて栽培したものが収穫に至らなかったら・・・目も当てられませんから。
自信のなさが生み出した超リスク分散経営方式が今のうちのやり方。
栽培に自信がつくまで当面は今の形でいくでしょうね。

さてここからはぶっちゃけ話。
僕のこれまでの経験によると、1人で野菜セットを家庭向けに販売する場合は50軒/週というのがラインになってくると思います。
2000円のセットを50軒/週として1年54週のうち45週で出荷したとすると
2000×50×45=4500000
ということで450万円の売上が見込めることになります。
ものすごい単純計算ですが。
ここから経費が引かれますが100万円もかからないです。
夏でも週休2日、冬は週休4日という農作業体系。
農作業で体を動かせて、経営で頭を使う。
健康的な生活のうえに収入が伴うわけですね。
この経営に大口取引をうまーく組み合わせると、年間500万円以上の売上は簡単に見込めます。
家族経営にして夫婦2人で1.5人工くらいを見込めば750万円オーバー。
奥さんががんばって夫婦2人で2人工なら900万円オーバー、研修生がいたら1000万にも手が届く。
ほら、やりたくなってきたでしょ?

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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