今日、新規就農の意欲を持った人が見学に訪れました。
いろんな方が来られていろんな質問をして帰っていくのですが、農業をやってみたいと思っているけど一歩踏み出せない人の多くが
それ(有機農業)で生活できるのか?
ということを気にしているようです。
実際のところはどうなんでしょうね。
僕も農業者ですから近くから遠くまでいろんな農業者の知り合いがいます。
あんまり金銭の話までしないので詳しいことはわかりませんが、やっぱり収入面で厳しいという農家は多いような気がします。
原因はたいてい
栽培技術が足りない
充分な売り先を確保できない
コスト意識のない労働
といったところでしょうか。
機械ビンボーもよく言われますが、有機農業に限ってはあまりないようです。
人それぞれでしょうけど一体いくらくらい収入があったら普通に生活できるんでしょうか。
サラリーマン並の収入ってどれくらいの金額を言うんでしょう?
そのへんが曖昧ですけど、いわゆる普通の衣食住があって、外食をしてみたり、たまには車を買ったり、家を買ったり、勤労者ならできるであろう生活レベルを維持するくらいの収入ってことにしましょう。
それだけの収入を農業で稼ぐ、というのは・・・まあ大変ですね。
できないとは言いませんけど、経営者としての手腕が問われます。
10軒開業したら2~3軒しか残らない、それって農業に限らずどの産業でもそうじゃないですかね。
飲食店なんかすごくわかりやすい。
数年たって閉店してしまう店のなんと多いことか。
農業でも就農した全員がまともに生計を立てられるようになるとは思いません。
それでもゼロじゃないということは示したいです。
うちは株式会社じゃないので収益を公開したりしませんけど、新規就農希望者で見学にこられた方には聞かれれば包み隠さず公開しています。
その数字を聞いて「や、やってみようかな」と思う人がいれば僕としては
しめしめ
ですね。
ところで有機農業界には収入(年収)に関して2つの壁があると言われています。
いや、言われているかどうかわかりませんが噂に便りで聞いたことがあります。
ひとつめは100万円の壁。
栽培技術の不足や売り先の確保がままならないと100万円を売り上げることも難しいです。
この金額を越えるようになると技術も売り先も安定の兆しが見えてくるはず。
ふたつめが300万円の壁。
技術も売り先も安定しているのに売上が思うように伸びない、という状況でぶちあたる壁です。
この壁をこえると生活がずいぶんと楽になるんですが意外に高い壁。
労働コスト意識、適正な取引単価設定、経営の効率化などせっせと作って売るだけじゃ300万円には届きません。
これら2つの壁を越えてしまえばあとは自分がどんな規模でやりたいのかだけだと思います。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・