エンゲル係数から田舎暮らしへ

農家だから収入がなくてもなんとか生きていけるね。
というセリフをよく耳にします。
とりあえず食べ物があるから飢え死にはしない、という意見のようです。
まあ確かにそうなんですが・・・。

実際、この現代社会で生活していこうと思ったら食べるだけでは生きていけません。
家賃
電気ガスなどの光熱費
電話などの通信費
国民年金、健康保険
自動車があれば税金、保険、ガソリン代など
衣類や生活雑貨
・・・
食べ物にかかる金額なんてタカがしれています。

エンゲル係数
という指標があります。
家計の消費支出に占める飲食費のパーセントのことです。
一般にこの係数が高いほど生活水準は低いと言われていて、日本ではだいたい25%前後くらいが統計上の数字みたいです。
たとえば平均的な家庭で20万円の総消費支出に対して5万円の食費、ということですね。

うちは野菜が中心の食生活なので確かに食費は少なく、エンゲル係数も10%を切ります。
それだけに、収入がなくても生きていけるね、という意見にはどうもしっくりこないんです。
収入が減れば食べ物があっても文明人らしい生活は成り立たなくなりますよ。

田舎暮らしをしたくて、現金収入が少なくても食べ物があるから生きていけますよね
という意見を聞きますが、そんな意気込みで田舎暮らしをはじめてしまうと、税金や保険料が払えない、医者にかかれない、なんてことになりかねません。
現金収入が多ければいいってもんじゃありませんが、自分がふつうに生活していける最低限の収入を得られる見込みのうえで田舎暮らしするのがいいと思います。

うちに見学に来られる方の中にも田舎暮らし志望者が数多くいらっしゃいますが、僕は基本的に
車を買えちゃう、家も買えちゃう?
という一般的な生活レベルを維持するための農業経営をやってますので、これから見学を希望される方がいらっしゃって
悠々自適・自給自足
を目標にされるのでしたら、うちへの見学はお勧めしません。
そのかわり農業経営で生計を立てたい、という方でしたら参考にできることもあるかと思います。
ぜひどうぞ。

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

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