競合(ライバル)を分析して自分の足場を固めよう

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小さな小さな農家といえども、事業者として、経営者としてしっかりと商売を考えた農業をしていくなら色々と考えるべきことがあります。
農業という業界はいまどうなっているのか、社会の流れや政治の動き、技術革新の状況など、社会全体の動きをとらえているかを把握する。
それを踏まえたうえで、これからやろうとしている農業の形、もしくはいまやっている農業経営が時代にマッチしているのか、今後も続けていくことができるのかを判断しなければなりません。
さらに。
自分はどういう人間なのかをしっかりと見定めておくことも必要です。
自分の強みはなんなのか、他の人よりも明らかに優れていると思われるものは何か。
これなら負けないと言えるものは何か。
逆に、この土俵に立ったら自分は本領を発揮できないという場所を知って。
これをやっても心から楽しむことはできないものを知る。
つまり自分の弱みを知っておくということも求められます。

このように、
世の中の動きを知ったうえで、
自分自身の強みと弱みをしっかりと見定めながら、
じゃあ農業で自分がなすべきことは何かを判断して、どの道を進んでいくのかを決めていかなければならないわけです。

しかも。
農業経営をまじめに考えるなら、競合を深く知る必要にも迫られます。
社会の動きを知って、自分に合った農業をやっていたとしても、そこに強烈なライバルがひしめいていたら、いくらがんばっても報われない可能性があるからです。
競合は少なければ少ないほうがいい。
そして、競合に勝っていかなければならない。
なかなかビジネスの世界は厳しいんです。
牧歌的なイメージのある農業といえどもビジネスなんです。

今回は。
冒頭から難しい話になっていますが、競合(ライバル)について詳しく書いていきます。
敵を知ることがどれほど重要なのか、理解できると思います。
ぜひ最後までご覧ください。

 

目指せ!青い楽園

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できることならまったく競合がいない状況がいいですよね。
戦わずして勝てる、こんなうれしいことはありません。
そして、もちろんこれは可能です。
ターゲットを絞りこみ、商品やサービス、商圏をずらすことで全く競合が存在しない

ブルーオーシャン

をつくりだすことはできます。
とはいえ、
どうしても競合は避けられないこともあります。
ターゲットがずれていても商圏が重なることもあるし、商品は違ってもターゲットが似ていて顧客の奪い合いになることもある。
そもそも、ターゲットをあまり絞りこまないで広い客層を相手にするときは、確実に競合とぶつかることになります。

そんなときにどうしたらいいか。
競合がいることを前提にしたときに、どのように考えて前に進んでいったらいいのか。
そのひとつの答えが、

競合を知る

ということ。
競合をくわしく分析して、戦略を立てるということです。

 

競合を知るのは当たり前

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ちょっと考えてみればすぐにイメージがわくと思いますが。
たとえばポーカーで、1対1の勝負をするとき。
もし相手のカード、手の内が見えれば勝てる確率は上がりますよね。

たとえば野球。
バッターボックスに立ったとき、ピッチャーの球種がわかればヒットの確率はかなり上がりますよね。

もっと単純に。
じゃんけんをするとき、相手のクセがわかれば勝ちやすくなります。
最初にパーを出す傾向が強いとか、グーの次はチョキを出してくることが多いとか。
くせをつかんでしまえば、それをうまく利用してここだ!という場面で勝つことができます。

そもそも。
スポーツで対戦相手がいるような競技、テニスや卓球、バレーボールや野球、レスリングやボクシングなどを想像すればすぐに分かります。
対戦相手を調べて、強みや弱みを知り、それをもとに戦略を立てますよね。
勝つためにできることはなにか、どのような作戦を実行すればその勝負に勝てるのか。
考えますよね。
あえて言うまでもなく、敵を知ることはスポーツの世界では当たり前なんです。

ビジネスでもそれは当たり前。
ありとあらゆる業界、分野で、企業は生き残りをかけて競合に勝つためにはどうしたらいいのかを考え、作戦を立てて、実行しています。
農業でももちろん競合はあります。
産地間競争という言葉があるように、米だってイチゴだってキュウリだって、どの産地も生き残りをかけて熾烈な争いを繰り広げています。
でも。
小さな農家ほど、あまり競合を意識していません。
ただつくって、ただ売っているだけ。
そういう農家が多いです。
小さいからこそ、風が吹けば飛んでしまうからこそ、しっかりと考えて、知恵を絞って、分析をして、強風に耐えられるような身体を作り上げていく必要があるんですけどね。

 

具体的な分析

じゃあ具体的に、競合をどのように見ていったらいいでしょうか。
どのようなところに注目したらいいのでしょうか。

たとえばそれは、

商品、価格帯、顧客層(ターゲット)、商圏、販促手段

でしょう。

あなたのライバルたちは、どうやったら競合に勝つことができるのか、もしくは競合との衝突を避けることができるのかを考え、そして対策をしています。
それは。
商品そのものの味や品質、新鮮さでアピールしていたり、パッケージでうまく見せていたり、ほかよりも安くして勝負していたり。
ちょっと高級志向な方々を意識した商品をつくっていたり、安全性をとくに気にする主婦を狙っていたり、珍しいものに飛びつく人たちに向けて売っていたり。
facebookやtwitterなどをよく使っている若い人たちをターゲットにして広告を出していたり、わりと年配の方々がよく聞くようなAMラジオで広告を流していたり、とにかく美味しいものを探しているレストランのシェフと繋がりをもって自分のこだわり農産物を売り込んでいたり。

しっかりと競合を意識しているところは、農業経営をするんだという意識をしっかりと持っているように感じます。

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そのようなライバルが、どんな商品をつくっているのか、どこに売っているのか、どんな営業をしているのか、調べてみるんです。
それは。
ホームページをもっているならそこに書いてあるかもしれません。
その競合する農家の商品を買ってみたり、カタログを取り寄せてみたりすれば分かるかもしれません。

これは、大規模に展開している農家、法人、企業ほど詳しい情報が手に入りやすいです。
開示している情報が多いですから。
卸先、売上高、経営規模、商品ラインナップ、業績の推移なども調べれば出てくるかもしれませんね。

とにかく情報を集めましょう。
ライバルがここまでに成長する過程でどんな紆余曲折があったのか、どんな方向転換をしてきたのかを知ることができれば、自分が同じ失敗を避けられるかもしれません。
ライバルの成功も失敗も、参考になる情報です。
わざわざ競争相手が、自分のために情報や経験を積んでくれていると思えば、こんなにありがたいことはないですよね。

もちろん手に入りにくい情報もありますし、手を尽くしても欲しい情報が出てこないこともありますが、出来る限り調べることをお勧めします。
相手を知れば知るほど、戦略を立てやすくなります。
そのライバルたちがやっていないことを見つけることができれば、ずらして競合を避けやすくなります。

とにかく競合のことを調べまくる。
調べて分析して、すきまを見つける。
すると自分にとってのブルーオーシャンが見えてくるはずです。

小さいからこそ自ら足場を固める努力が必要

自分の強みや弱みを知ることは重要です。
自分を知ることができれば、限りある資源(時間)をどこに集中させればいいのか分かりますから。
それと同じくらい、競合の強みと弱みを知ることも重要です。
いくら自分の得意分野で戦っても、ライバルがさらに上をいけば簡単につぶされてしまいますし、がんばっているのにいつまでたっても成果が出ないで苦しむことになります。

自分を知り、競合を知り、社会を知り、顧客を知る。

ただ生産だけやっていればいい、そんな時代じゃないことを肝に命じるべきだと思います。

 

 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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