大学を卒業したら実家で跡を継ぐつもりです。
サラリーマンを数年やってから実家で農業をやる予定です。
実家は農家じゃないけど農業の世界へ新規参入したい。
など農業を始めたいと考えている方の置かれている状況はみなさん違いますが、ほとんどの場合
サラリーマンとして給料をもらっていた
アルバイトをして日々の稼ぎを得ていた
というふうに毎月ある程度の安定した収入のもとで生活してこられたと思います。
そんな方にとくに注意していただきたいことがあります。
サラリーマンと自営業者は思考回路がまったく違う
ということです。
これをしっかり理解しないまま就農してしまうと、こんなはずじゃなかったと後悔してしまうかもしれません。
目次
サラリーマン脳は足かせになる
サラリーマンとは名前の通りサラリー(給料)をもらいながら仕事をしている人のことです。
会社に属して、毎月給料をいただくかわりに自分の労働を提供する人を指します。
給料に見合った働きが出来ているかどうかは別にして、バリバリ働こうがテキトーに仕事をしていようが、金額の差こそあれ給料は定期的に決まっていただくことができます。
あまりにひどい働きぶりで給料を減らされることはあるかもしれないけど、働きが悪いから会社に損失分を支払ってくれと言われることはないでしょう。
ふつうに働いていればなにも問題はありません。
それがサラリーマンです。
ところが農業を始めるとそうはいきません。
働いたのにマイナス、ということが起こりうるんです。
耕耘機で畑を耕して、肥料を入れて畝を立てて、タネをまいて野菜を育てる。
途中まではうまく育っていたんだけど、もうすぐ収穫というところで台風がやってきて壊滅。
すると、収穫することができなかったので売り上げゼロということになります。
ところが肥料代や種代、なによりも労働力がそこにかかっているので経費はゼロではありません。
売り上げがないのに経費がかかっている。
つまり赤字です。
働いたのに収入につながらない、という状態ですね。
このようなマイナスの例までいかなくても、働いた分がすべて収入に反映されるという保証はどこにもありません。
自分の能力と運が試される世界です。
働いたら働いた分だけ給料がもらえるサラリーマンと違って、農業では働いたうえで結果を出さなければ収入にはつながりません。
成果主義というやつです。
これはべつに農業に限ったことではなくて、コンビニオーナーや個人理髪店、個人飲食店オーナーやフリーランスなど、自営業といわれる経営をしている人は成果主義によって収入を得ています。
意識改革が必要
自営業が成果主義だということを理解してください。
サラリーマンのときの給料という感覚は忘れてください。
忘れるための努力をしてください。
といってもそんなに難しいことをやる必要はありません。
意識が変わればいいだけですから。
今はまだサラリーマンをしているという方であれば、社長になったつもりで仕事をしてみてください。
自社商品を、会社の看板がないと仮定して自力で売るにはどうしたらいいかを考えてみてください。
アルバイトであれば、自分の売っているものがどのような経路を辿ってバイト代に換わっていくのかを想像しながら仕事をしてください。
いまお客様にコーヒーを差し出したその行動が、時給800円のうちの何円になるかを考えてみてください。
つまり、視点を変えて働くという訓練をしてください。
変えるのは意識だけですから、仕事ぶりを変える必要はありません。
そうすることで、実際に就農して収入が不安定な時期があっても乗り越えていくことができます。
そういうものだと思って不安を打ち消すことができます。
試してみてください。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・