多品目で野菜を育てて詰め合わせセットをつくる。
というのはくどいようですが有機農業の昔からある販売方法です。
とりたてて言うほど珍しいものではありません。
松本自然農園はその珍しくない手法でここまでやってきました。
これからもそのつもりです。
当然のことながら、作り手が変わればセットの内容が変わる、というのが詰め合わせセットの面白さであり弱点でもあります。
野菜の種類はもちろん、品種も好みが反映されるし、栽培技術によって品質にばらつきが出るのもあって当然のこと、価格と量の関係も生産者次第です。
購入者からすると買って食べてみないとわからない、という恐ろしいものです。
生産者という立場からこの詰め合わせセットのクオリティ向上を考えると、だいたい4つの大きなポイントがあるように思います。
1.とにかく年間を通して安定した供給が可能であること
大雨や干ばつなど不測の事態があるたびに野菜を切らして定期宅配を休止するというのは、お客さんが離れていく大きな原因になります。
2.野菜の種類をバランスよく揃えられること
葉菜・果菜・根菜・豆類がセットにバランスよく詰め込まれている。
緑ばかり白ばかりにならないように彩りに気を配っているか。
重量感がありつつボリュームもしっかりあるか。
といった点を全て考慮して毎週バランスよくセット野菜が構成されていることが大事ですが、これを常に満足できる内容で揃えていくのはかなり難易度が高いように思います。
3.毎週購入しても飽きないような工夫がされていること
定番野菜をしっかりと揃えることで主婦が野菜を使い切りやすいようにするというのもそうですし、珍しい野菜を組み込んで箱を開けるたびに驚きを味わってもらうというのもそうです。
受け取る側からすると強制的に送りつけられるものなので、それでも届くのが楽しみだと思ってもらえるようなセットにしなければいけません。
4.どこに出しても恥ずかしくないように品質を向上させていること
1~3をある程度こなせるようになってくると、今度はひとつひとつの野菜のクオリティを高めようとする方向に向かいます。
もちろん最初にこれを最重要視する農家もいると思います。
とにかく価格に見合ったものを供給しなければNGなのは間違いありません。
これらを、生産効率を考慮したうえで達成できれば食べる人みんな笑顔になって松本教に入信するに違いないのですが、まあとにかく完璧にはいきません。
完璧どころか50点ももらえないような結果になることもしばしば。
それでもやっぱり理想とする形にもっていけるように日々の作業を積み重ねていきたいものです。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・