時給にこだわる背景

松本自然農園の目指すところ。
それは会社のような組織とは違います。
会社は際限なき成長を目標として、毎年利益が増え続けていくことを前提にした仕組みになっています。
昇給制度ひとつとっても分かると思います。
もっと売り上げを、もっと利益を・・・というやつですね。

個人事業として生計を立てる場合、際限なき成長は疲れるのではと感じています。
松本自然農園を組織化したいわけじゃないし、どこまでも大きくしていこうと思っているわけでもないので、目指すところは別にあります。
ある気がします。
松本家がある程度の余裕をもって生活できたうえで、農業の不安定要素を吸収できるだけの収入があるなら、それ以上は望もうと思いません。
望むものは時間です。
同じ収入でも働く時間が短くなるのなら、ほかのことに時間を使えるので生活にゆとりが生まれます。
家族サービスに使ったり、趣味に費やしたり、やっぱり仕事を楽しむのもアリですが。
せっかく個人事業やってるんだから、お金と時間のバランスを自分で操作していきたいものです。
お金だけあっても幸せにはなれない。
時間やゆとりがないとね。

僕が何度か時給の話をしてきたのは、こういう背景があるからです。
望む収入と、望むゆとり時間を得ようとするなら目標とする時給はおのずと出てきます。
高時給で働けば時間にゆとりが生まれるのは当然のこと。
短い時間で稼ぐことは非常に大切な要素だと思います。
人から羨まれる農的暮らしを実践できる立場にありながら、効率を追求して農を業(なりわい)として成立させていく。
これが松本自然農園の目指すところです。
有機農業やってる人たちのなかには、収入が少なくても豊かに暮らしていると胸を張って生きている方がたくさんおられますが、有機農業がもっと世間的に評価を受けるためにはサラリーマンと肩を並べるくらいの収入が得られる仕組みが必要だと思います。
でも収入が多いからといって朝から晩まで働く、従来の有機農家のイメージじゃ意味がないので。

他の有機農家さんを否定しているわけじゃありませんので念のため。
これから参入してくる就農者に希望のタネを播かないと有機農業そのものが衰退していきますよ、という懸念からくる話です。

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