農業研修する農家を選ぶときのポイント→就農地に近い

あなたが農業を一生の仕事にしたいと考えたとして、就農までにどのようなステップを踏んでいけばいいと思いますか?
農業フェアなどに足を運ぶ、就農地を決める、農地や家を借りる、研修を受ける、など。
これについては詳しく書かれている書籍やホームページは数多くありますからここでは触れませんが、ステップのなかには
研修を受ける
という項目が必ずと言っていいほどあるはずです。
もちろん独学で知識を身につけて就農される方もなかにはおられますが、一般的には研修を一定期間受けてから就農するというケースがほとんどです。
多くの場合、栽培技術を習得するためには農業法人に就職して働きながら技術を学んでいくか、農家で研修を受けながら技術を盗むか、農業大学校のような教育施設で勉強するか、だいたいそのような選択肢になります。

そしてこれは、有機農業においても見られる傾向です。
有機農業の場合、主流になっているのは
無農薬で多種類の品目を栽培して、個人宅や飲食店に直接宅配する
というスタイルです。
必然的にそのようなスタイルにあこがれて就農を目指す方が多いんですが、有機多品目の栽培をしたいときには農家で研修を受けることを強くお勧めします。
なぜかというと、この多品目栽培にはたんなる栽培技術を超えたところに難しさがあるからです。
(これについては別の機会に)
書籍やホームページでは分からない、農家から学ばなければ習得できない技術があります。

有機農業に限らず、農家で農業研修を受けようと考えたときに問題になるのは
どこで研修するのか
という大きな壁です。
つまりどの農家で技術を学ぶのか、ですね。
これについて考慮すべき点がいくつかありますので順に(記事を分けて)解説していきます。
 

就農地になるべく近いこと

トウモロコシ畑
農業は気候に栽培を大きく左右されます。
北海道での農業と九州での農業を想像してもらえば分かりやすいですが、栽培する品目や植え付けの時期、栽培方法に至るまでありとあらゆるところで栽培全体が気候に左右されます。
ここまで極端じゃなくても、たとえば愛知県と静岡県という隣り合わせの県であっても気候条件が異なるので栽培時期はすこしずれてきます。
もっといえば、愛知県豊田市の平野部と愛知県の渥美半島付近でみても、トマトの苗を植え付けるのは豊田市なら4月上旬だけど渥美半島だと3月下旬でもOKというような差が出ます。
台風の影響を受けやすい地域とか、積雪がある地域とか、気候が栽培に及ぼす影響はかなり大きいですから、あなたが希望する就農地になるべく近い気候のところで研修農家を探すことをお勧めします。
一年間通して野菜セットを出荷したいと思っているのに、積雪がある地域で12月~3月の出荷を休んでいる有機農家に研修に入れば、その期間の栽培ノウハウは盗むことができませんよ。

また、あなたが就農したい土地と似ていることは非常に重要です。
黒ボク土
関東平野でよく見られる水はけが良好な黒ボク土で栽培技術を学んだ人が、田んぼに向いているような粘土質で水はけがよくない農地を借りて就農すると、その条件の違いにがくぜんとしてしまいます。
黒ボク土では水はけがいいので大雨でも水がたまることがあまりないので、畝の高さはそれほどありません。
ほとんど平畝といってもいいほどです。
そういう栽培技術が頭にあるから、水はけがよくない農地だけど低い畝を立ててしまう。
そんな方法しか教わってませんし。
結果は・・・大雨ですべて水没。
植えた野菜がすべて水に浸かって全滅、なんてことも起こりかねません。
ほかにも、肥料分の効き方は違いますし、耕すときのタイミングだって違います。
草取りの方法や労力のかけ方にも違いが出ます。
土質が栽培に及ぼす影響ははかりしれません。
とはいえ、研修先を選ぶという点からいえば、就農地に近いというよりも土質が似ていたほうがいい、と言えるかもしれませんね。

次回、研修する農家を選ぶときのポイント→経営スタイルが近い
について書いていきたいと思います。

 

 

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ただし、条件があります。
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