新規就農で事業を立ち上げるときにどこまで投資をしてスタートするのかによって、スタートダッシュの勢いは変わってきます。
ガツンと一式を揃えて一気に軌道に乗せるのか、身の丈に合わせて徐々に規模拡大していくのか。
外から見てかっこいいのは前者ですが、軌道に乗らなかったときのリスクは大きいです。
後者はいわゆる「石橋をたたいて渡る」タイプで、無借金経営と呼ばれます。
借金を嫌って出来るかぎり自己資金で事業を行い、万一の失敗時にも被害を最小限にとどめることができるのが無借金経営のいいところ。
ただし成長のスピードは遅くなりますね。
名古屋圏では名古屋式経営と呼ばれるほど無借金経営は定着しており(現在はそうじゃないかも)、バブル崩壊のときの影響が小さかったことが知られています。
この経営形態でとくに有名な企業はトヨタ自動車です(現在はそうじゃないかも)。
ちなみに松本自然農園はずっと無借金経営で通しています。
そのせいで最初の数年はたいした投資もできず栽培に支障が出たこともありましたが、金がなきゃないなりに工夫をするのでいい勉強になったような気がします。
耕耘機などについても、最初は中古で揃えていろんな故障を経験しながら機械の構造やメンテナンスを覚えていけるので勉強になります。
経営をするにあたって借金をするかどうか、は重要な問題だと思います。
個人的には借金が悪いことだとは思いませんが、その投資を生かすことができるタイミングというのは必ず存在するので、実力が伴わないうちは借金をお勧めしません。
え?
新規就農したいけど貯金がない?
貯めてください。
就農するということは事業を興すということですよ。
資本金ゼロで事業を興す気ですか?
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・