有機栽培だから美味しいわけじゃない

以前、といってもずいぶん前なので覚えている方は少ないでしょうけど
味について語ります
と珍しく味についての記事を書いたことがあります。
簡単に要約すると、野菜の味を決める要素はたくさんあり
生産側の要素:鮮度、栽培方法、品種
消費側の要素:食空間、思いこみ、味覚
などがあって、これらの要素がからみあいながら野菜の味を決定していくというものでした。
今回はこの話に絡めて、決して味そのものについて語るわけではなく、生産者としての心意気について書こうと思います。

野菜の味を決定づける生産側要素として3つを挙げていましたが、もうひとつ抜けていました。
栽培する時期、つまりの追及です。
その野菜にとって最も育ちやすい季節にうまく栽培していくと、旬を外したときにくらべて格段に美味しさが変わってきます。
トマトは夏に食べると美味しいし、ホウレンソウなんて夏と冬ではまったく味が違ってきます。
野菜の味を決める要素に時期も付け加えておきましょう。

鮮度、栽培方法、品種、時期がうまくそろうことで野菜は美味しく育ちますし、それを食卓へお届けすることもできます。
美味しい野菜を届けたい、という心意気さえあれば可能な話です。
だけど流通しているほとんどの野菜はそうなっていないというのが現状です。
形や大きさをそろえたいからそのような生育をする品種を選ぶ。
病気にかかりにくい品種を選ぶ。
そういったことを優先して改良・育成された品種は美味しさを二の次にしていることが多いです。
流通の都合で完熟していない段階で収穫したり、0℃に近付ければ鮮度が落ちないからと収穫から店頭に並ぶまで1週間以上かけて輸送してみたり。
高値で取引されて経営に有利だからと旬をわざと外して栽培してみたり。
それぞれの都合が優先されています。

栽培の都合、流通の都合、経営の都合。
美味しい野菜を届けたい、とは別のところに一番の目的があるので、美味しい野菜を求めてもスーパーには並んでいないというのが現状だろうと思います。
これとは対極にあるのが多品目栽培をしているような有機農家。
すべてではないと思いますが、たいていの有機農家は美味しい野菜を食卓へ届けたいという想いからスタートしています。
そして、そのために美味しい品種を選び、そのために野菜が美味しく育つ旬の栽培を心がけ、そのために収穫した当日・翌日に食卓にあがるように消費者と直接取引をしています。
有機栽培するのは手段。
消費者と直接取引するのも手段。
目的は美味しい野菜を食卓へ
これが有機野菜が美味しいと言われる正体です。
単純に有機栽培だから美味しいのではなく、美味しいものを届けるためにあれこれと手を尽くしているから結果的に美味しさが際立つというわけです。

・・・ちょっと食べてみたくなったでしょ。

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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