自分の育てた野菜つまり商品を自ら売るときには、その商品を説明するという責任が生じます。
義務ではありません。
あくまで自己責任。
とくに安全や安心を売りにするような販売形態の場合、その説明の仕方や内容が信頼度を左右することもあるので要注意です。

その野菜を、どんな想いでどんな育て方をしてどのように収穫まで至ったのか。
その野菜にはどんな特徴があってどのように扱うと美味しくいただけるのか。
伝えるべき多くのことをうまく簡潔に伝えることが重要
だと思います。

そしてこの説明責任を強く実感するのが間引き菜を出荷するとき
ふつうはスーパーなど小売店に並ぶことがなく、畑に捨てられてしまうのがほとんどの間引き菜。
最初は込み合うくらい密に植えておいて、育ってくると光や空気がしっかりと取りこめるように間を抜いていきます。
こうして抜いたのが間引き菜。
抜かれてしまったものも立派な野菜なのですが、スーパーに並べるような一人前ではないため畑で捨てられてしまいます。
もしくは農家自身の食卓にあがります。
間引いたとはいえ若くてエネルギッシュなので美味しさは極上なのですが、味わえるのはごく一部の人のみ。
もったいない話です。

うちではこういう間引き菜も出荷の対象になります。
もったいないから?
そうですね、それもあります。
間引き菜にあるストーリーを知ってほしいから、というほうが理由としては大きいですね。
スーパーにある野菜だけがすべてじゃないと。
そのサイズに至るまでには様々な生長過程があり、それぞれの生育サイズで食感や味が変わってくることを知ってほしいと思っています。

毎週野菜セットを購入すると、小さな間引き菜からはじまって、小売店サイズの小株・中株になり、最後には◎kgにもなる大株に至る生長をみることができる野菜もあります。
順調に大きくなっていたのにパタッと野菜が届かなくなった、じつは病気で枯れてしまった、なんてこともあります。
収穫適期をすぎてトウ立ちしてしまい花が咲きそうなものが届いた、なんてこともあります。
とにかく野菜は生長するので、毎回同じサイズ・形でお届けすることができず、そういうことを伝えるのは直販している農家の責任だと思います。

そうした一見すると規格外の野菜をお届けするためには、どうしてそのような姿なのかを説明することが必要で、それができればやらしい話どんなものでも売れるでしょうね。

たとえばカブ。
まず間引き菜で売って、次に小カブ、中カブ、大カブと収穫していって、最後にトウ立ちしてしまったところを摘んで菜の花として売る。
これがうまくできる農家はウハウハでしょうね。
僕はまだそこまで到達できてませんが。