今回の話は農業収入です。ぶっちゃけ気になりますよね、お金の話。あんまりお金の話をすると嫌がられるというか、日本人はどうも好きじゃないみたいで拝金主義だとか言われるんですが、やっぱり農家がどれぐらい稼いでいるのか実態は気になりますし、新規就農者にとって知っておいて損のない話でしょう。現状を知ることはすべてのスタートになります。

とはいえ、農業の魅力はおそらくお金が一番ではないとは思います。農業に求めているのはやりがいとか、その仕事が楽しいかどうかとか、作物・植物に触れていることが幸せだとか、そういう方多いでしょう。ただ、やっぱり最低限の暮らしをしていくためのお金は必要で、一人であっても所帯持ちであっても生活していかないと仕事そのものを楽しめないのは確かです。

だからこそ、収入を気にしてお金という価値に正面から向かい合う。まずは実態を把握したうえで自分自身の進退に役立ててほしいと思います。

前提1 主業経営者

仕事としての農業を考えるとき、本気で農業をやっている人と趣味的にやっている人、副業として片手間にやっている人などを分けて考えないと実態が見えなくなります。新規就農したい人は生活の糧として収入を得ようとするでしょうから、農業からの収入を主としている農家の収入を知る必要がありますよね。ですのでまずは主業農家に絞り込んで統計を見ていきます。

主業農家とは、かんたんに言えば農業収入のほうが農業外収入よりも多く、なおかつ65歳未満の構成員がいる世帯のこと。個人ではなく世帯であることに注意が必要ですが、たとえ兼業農家であっても農業収入への依存が強ければ主業農家に分類されます。

今回、統計情報を見ていくにあたって主業経営体という分類を使うのですが、これは主業農家+農家以外の事業体(法人)+農業サービス事業体(作業受託者)を合わせた分類です。

農家以外の事業体(法人)は、農家つまり世帯ではなく農業法人など組織化して活動している団体のこと。農業サービス事業体(作業受託者)は、農作業たとえば田植え作業を受託している事業者を指します。自分自身で農地を耕作して農産物を生産していないけれど、事業サービスとして農作業を請け負っている事業者です。あくまでも事業者ですので、パート・アルバイトのように雇用されて作業受託している人は含まれません。

前提2 北海道という別格地域除外

もう一つだけ前置きさせてください。日本の農業、さらに農業収入を主においている農家の統計を見ていくときに、北海道を除外したほうが実態を把握しやすいため今回は除外させていただきます。北海道はもちろん日本なんですが、あの広大な大地が他の地域と比べるとあまりにも違いすぎて、別の統計データとして見ていかないと現状を間違ってとらえてしまう可能性があります。

もうすこし突っ込んで言えば、北海道は強すぎるんです。耕作面積、収入や時給などすべてにおいて格が違っていて、たとえば北海道を除いた地域の時給を計算していくと1,432円という数字が出ているんですが、北海道はなんとその2倍ほど、3,000円近い時給になっています。そんな地域を一緒にして考えてしまうと実態が見えなくなる、その意味はお分かりいただけるでしょうか。
ですので北海道の皆さんには申し訳ありませんが、今回は部外者というか殿堂入りさせてください。

粗収益と経営費から所得を算出する

それでは実際の統計データを見ていきますが、平成29年度の主業経営体・粗収益は1,660万円となっています。粗収益とは、農産物の販売収入のことですが、じつは共済・補助金等も含んだ数字になっています。

共済とは、たとえば不作で収穫量が落ち込んだ時などに収入を補填する保険のようなもの。補助金は想像がつくと思いますが、国として金銭的に農家を支援するものです。
このあたりの話は今回くわしくしませんが、たとえば稲作農家の場合だと20ha以上の大規模農家は粗収益の3割ほどの補助金を受け取っているという統計データもあります。かなり大きな数字です。

次に経営費ですが、これはいわゆる生産活動をするためにかかった経費のこと。1,073万円となっています。農業を知らないまったくの素人、部外者がみればそんなに経費がかかるのかと思うほどの数字です。だって粗収益の6割ほどが経費として使われるんですから。

いま挙げた粗収益1,660万円から経営費1,073万円を引けば、農家の所得587万円が導き出されます。これが多くの人が知りたい農業収入です。でも収入を見ても実際は参考にならないことが多くて、その理由は農家が世帯を指しているからです。その収入を何人が、どれくらい働いて得ているのかを把握しないと参考にすることもできなければ真似することもできないということ。

たしかに、587万円を一人の農業者が稼いでいるのだとしたら素晴らしいことです。サラリーマンの平均年収が400万円を切っている時代に、それを大きく超えるような収入があれば、農業ってなんて夢のある職業なんだと思わずにいられません。

時給を計算してようやく実態がつかめる

けれども残念なことに、この数字は世帯収入なんです。587万円を何人で稼いだかが見えてないと痛い目にあいます。その人数、統計の中では4.2人となってましたが、じいちゃん&ばあちゃん&父ちゃん&母ちゃんで4人がフルで働いているかというと、たぶんそんなことはないでしょう。片手間にやっている人も含むでしょうし、パートやアルバイトを雇って働いてもらっているからこその平均4.2人でしょう。

だから人数を見てもよくわからない。労働時間を見るほうがよほど実態を把握できます。
何人で労働していてもいいけれど、その農業所得(収入)を生み出すために何時間使ったかということの方が大事で、収入を労働時間で割れば1時間あたりいくらの収入を得ているか、つまり時給が計算できるわけです。

これは自営農業労働時間という形で統計があり4,773時間となっています。サラリーマンが1年間残業なしで働いたらだいたい1,900時間とか2,000時間くらいになるので、4,773時間はフルで働いてる人が2人+パートアルバイトがちょっと手伝っているかじいちゃんばあちゃんがちょっと手伝っているか、というレベルの労働時間です。

587万円 ÷ 4,773時間

これで時給が・・・ちょっと待ってください。面倒くさい話になってしまいますが、正確に時給を算出するためには付加価値額を参照する必要があります。

付加価値額・・・経営費 ー(雇用費+地代)

自営農業労働時間はパートアルバイトを雇って働いてもらっている時間を含んでいます。 彼らが働いた労働時間を差し引かないと正確な時給は導き出せません。また、農業には自作農と小作農という分類があり、小作農は農地を借りて、つまり借地料を支払って耕作をしていることになります。公平に時給を計算するのであれば、借地料を経営費から差し引いておかなければこちらもやはり正確な数字を出すことはできません。

これらを含めて考慮したものが付加価値額であり、684万円という数字が出ています。さていよいよ時給を計算するための数字が揃いました。

684万円 ÷ 4,773時間

こうして算出された農業者一人当たりの1時間農業所得つまり時給は1,432円です。この数字が、一人の労働者がせっせと働いて最終的に1年間でこれぐらいの収入を得られました、時給を計算してみたら1,432円でした、という数字なわけで。これが農業をメインにして働いている農業者の、平均的な労働価値だということだけは知っておくべきだと思います。

農業に向き合う姿勢が時給を左右する

農業全体でみれば、農家の平均的な時給は約1,000円ほど。これは定年後に小さく趣味的にやっている農家も含みますし、副業として片手間に農業をやっている農家も含みます。だから当然ですが時給は低くならざるを得ないわけで、それが1,024円という数字に表れています。この時給と比べれば主業経営体に限ったときの1,432円という数字はけっこう大きいのではないでしょうか。

ちなみに、農業所得よりも農業外所得のほうが大きい農家、準主業農家の時給はなんと289円。耕作しないと荒れてしまうからしょうがなくやっていたり、自家用とか近所、親戚に配ったりする程度の週末農業をやっている農家は生きていくための収入源を農業外にもっているため効率を追求したりコストを意識することが少ないように感じます。

また、65歳未満の構成員がいない農家(副業的農家)の時給は683円。さきほどの時給よりは高いですが国が定める最低賃金のレベルにすぎません。年金をあてにした趣味的な農業をやっていることが一因だと思われますが、たんに後継者がいないだけでバリバリ稼いでいる農家も多く含むため時給の底上げになっている可能性は高いです。

このように、農家をひとくくりに見れば「だいたい時給1,000円かぁ」という感想で終わりますが、農家を年齢や収入源で分けてみてみると時給に大きな差があることに気付かされます。この差は一体なんでしょうか?

いくつかの回答はありますが、心理的な面でいえば「本気でやっているか」ではないかと推測できます。本業だからこそしっかりと効率を追求して利益を出さなきゃいけない、という気持ちの表れが時給にも表れている。と考えるのは自然ではないでしょうか。農業でなにがなんでも食ってく!ではなく半農半 Xのような生き方や、農的ライフを楽しむとかゆるめの思考をもって農業に取り組んでいる場合、生産性や効率化なども含め農業収入への意識はすごく低くなってしまうでしょう。そんな思考で働けば時給が低くなってしまうのは容易に想像がつきます。

ぼんやりした表現になりますが、やるなら本気でやれば結果として数字に出るとも言えます。農業収入で自分は生きていく、家族を養っていくんだという意気込みがあればそれだけで時給はおのずと高くなっていく傾向にあることは(心理面の推測なので事実ではありませんが)知っておいて損はないと思います。

年収300万円で満足できるかどうかが変革の鍵になる

ところで時給1,432円という数字。もうすこし身近に感じてもらうためサラリーマンの働き方と比べてみようと思います。一般的なサラリーマンは残業なし一日8時間労働&週休2日で年間約2,000時間ほど働いています。ということは、サラリーマン並みに2,000時間労働すれば、本気農業では時給1,432円×2,000時間労働=約280万円の年収に。

年収300万円時代だと言われてからずいぶん経ちますが、年収300万円あるんだったらけっこう普通に暮らせるんじゃないかと考えるのは間違っていない気がしませんか?サラリーマンだからってずっと定年まで安定し続けられる時代ではなくなりましたし、右肩上がりに収入が増えていくような時代でもありません。だったら多少不安定かもしれないけど働き甲斐や生きがいを強く感じられる農業で頑張ってみて、それで年収300万円ほどが得られるんだったらいいよね、ってけっこう現実的な思考だと思います。

さてここからが大事なんですが、年収300万円という数字は一般的な農業をやっている主業経営体の平均的なデータです。実家を継ぐとか、非農家だけど周りの農家さんたちに倣って同じようにやっていたらだいたい300万円くらいは稼げますよ、というデータ。出る杭になって打たれまくって非凡な才能を発揮したからこその数字ではありません。だから、農業で食っていくぞという意気込みで取り組んでいれば普通に300万円くらいは得られるわけです。

でも、年収300万円では満足できない、やっぱり400万円とか500万円とか、大台1,000万円を目指したいよねとか、小学生の将来なりたい職業ラインキング上位に農家が入るようなバリバリ稼げて魅力ある農業をするんだとか、壮大な夢を持っているならやっぱり300万円では満足できないわけで。

その時にどうしたらいいのかというと、もっと稼げる普通じゃない道を選ばないといけないわけです。普通にやっていれば年収300万円だけど、ふつうでは満足できないしもっと上を目指そうとするなら、ひとつは大規模化していく道があります。もうひとつはブランド価値を高めていく道。もっとたくさんの道はありますが、太くて歩きやすいのはそのふたつではないかと思います。

大事なことは、現状を知ったうえで将来を見据えること。農業の現状がいまどうなっているのかを知って、その現状を受け入れて自身もそこに染まっていくことに満足できるならそうすればいいし、現状では満足できないんだったら変えていかなきゃいけない。その岐路に経つためには現状を知ることはスタート地点になるわけです。

まとめ

世間的にはあまり良いイメージを持たれていないのが農業で、年寄りがやるもんだとかたいして稼げない斜陽産業だとか、新規就農するのをためらうような印象が強いように感じます。けれども実態を詳しく見ていくと、本気で真正面から農業を仕事にしていくんだったら他産業に負けないくらいちゃんと稼げる仕事だったり、今回は書きませんでしたが将来的には新規就農者にとってどんどん有利で稼ぎやすい明るい未来に向かっている産業だったりすることが分かってきます。

まずは現状を知る。これで食ってくぞ!と本気でやってる主業農家さんたちは時給に換算すれば1,400円台ぐらいある。その事実だけでも覚えておいて損はありませんよ。参考にしてみてください。

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