趣味を仕事にすると失敗する
とよく言われます。
これは、ある意味では正しい意見です。
すべての場合に当てはまるわけではありませんが、多くの場合は失敗に結びつきます。
それはなぜかというと。
趣味の延長に仕事があると思っているからです。
好きなことをやって仕事になるなら、そりゃあもう素晴らしいことだと思いますが、それができるのは趣味と仕事との明確な差をしっかりと分かっている人だけです。
逆にいえば、趣味を仕事にしていくときに注意すべき点をちゃんと理解してればうまくいく、ということです。
私自身は趣味を仕事にした人間ではありませんので、
あー、そういう考え方もあるのね
といった参考程度にご覧いただければ幸いです。
目次
そもそも趣味とはなにか
趣味とはなにか、というような言葉の定義はさておき。
趣味ってなんだ?と単純に考えれば
楽しいからやるもの
没頭できるもの
といったフレーズが頭に浮かびます。
仕事ではないプライベートで、自分が楽しいと思えることに時間やお金を使います。
没頭しすぎて気づいたら朝になっていたりします。
そういった時間が経つのも寝食も忘れてしまうようなものです。
では、趣味に没頭した結果どうなるかというと。
スカッとしたり癒されたりしてストレスが発散されます。
ここで。
趣味が高じて仕事にしてしまうとどんなことが起きるのか。
利益を追求するために、やりたくないようなこともやらなければならなくなったり。
お客様の要望に応えるために、100%満足できない仕様でおさめなければならなかったり。
生産効率や労働効率のことを考えて、ある程度手を抜いた仕上がりになってしまったり。
やりたくない接客が必要になったり。
長時間パソコンの前に座らなければならなかったり。
売り上げをあげるため、利益をあげるために好きなことだけをやっていればいいという状況ではなくなります。
純粋に趣味を楽しめなくなるんです。
つまりストレスになります。
趣味を仕事にして、好きなことだけをやっていけると思っていたら。
好きなことをやっているはずが、好きじゃないことが混じってくることでストレスがかかってしまうんです。
ストレスが生まれてしまったら、好きで始めた仕事なのにそのうちに好きじゃなくなってしまう可能性だってあります。
趣味が仕事になり、ストレスがかかって楽しめなくなる。
趣味が趣味でなくなってしまうんです。
たとえば。
家庭菜園を楽しんでいる人が、その延長で農業を仕事にしようと考える例はけっこうあります。
とにかく野菜を育てるのが楽しくて、畑にいると癒される。
自分で育てたものを食べると美味しいし、それを知り合いに配ったらすごく喜ばれる。
畑で作業するのは苦じゃないし、野菜を育てるのを仕事にしたら楽しいんじゃないか。
と考えます。
そんな人が農業を仕事にするとどうなるかというと。
たいていは失敗します。
その理由は簡単です。
農業は、ただ作物を育てていればいいだけの仕事ではないからです。
作物を育てて。
収穫して、それを出荷して。
営業・広告など販促活動をして。
栽培管理、経理など事務処理をして。
仕事の内容は多岐にわたります。
個人事業というのは、大企業が製造部・人事部・総務部・営業部・研究開発部というように分業してやっていることを、個人がすべてをこなさなければならないんです。
規模が限りなく小さくても、やっていることは大企業と変わりません。
それを知らずに栽培だけ、つまり製造部だけをみてそれが仕事のすべてだと勘違いしていたら。
大好きな栽培に集中できなくて、ストレスを抱えることになります。
家庭菜園出身者が気をつける点はここです。
農業は、ただ栽培をしていればいいだけの仕事ではありません。
事業であることを忘れてしまうと、楽しいはずの趣味すら失いかねません。
趣味を仕事にしていこうとするのであれば、この点を頭に入れておいてください。
頭に入れたうえで仕事にするのであれば、もしかしたらうまくいくかもしれません。
楽しい人生を送るために趣味を仕事にしたのに、その趣味さえも失ってしまう。
そうならないように気をつけてください。
仕事を趣味だと言える人は幸せだ
仕事が趣味になった。
という逆パターンは成功への近道になります。
最初はただひたすらがむしゃらに仕事に没頭していた。
とくに好きというわけでもなく、仕事だと割り切ってやっていた。
でもあるときから楽しくなってきて、仕事を仕事だと思わないようになってきた。
その仕事に真剣に向き合っていると、このような境地に至る人が出てきます。
趣味はストレスを発散してくれるものだから・・・。
仕事が趣味になるということは、仕事でストレスを発散できるということ。
仕事をすればするほどストレスがなくなるということです。
たとえば。
あなたの趣味はなんですか?
と質問されたときに、
仕事が趣味です
と言えるほど楽しめているとしたら。
こういう人は、すでに成功していると言ってもいいんじゃないかと思います。
必ずしもお金だけが成功の基準じゃないですから。
この領域に到達するには、とにかく仕事に集中すること。
結果や成果を出していくこと。
好きこそものの上手なれ
という言葉とは逆に、がむしゃらにやって上手になったからこそ好きになるという発想です。
頑張ってみて結果がついてくるようになると、自然と楽しくなるし好きになっていきます。
そういうもんです。
家庭菜園出身者は起業するなら気をつけるべし
いま家庭菜園をしていて、生き物を育てるのが性に合っているから仕事にしようかなと考えている方。
趣味としてやっている採算度外視の家庭菜園と、利益を追求していく農業とでは住む世界が違います。
お金がからんで、お客様の要望に応えて、小さな面積にありったけの愛情を注げなくなり、すべてを自分のやりたいようにやれなくなったとしても。
それでも農業を仕事にしてみたいと思うのなら。
ぜひやってみてください。
ただし。
趣味を仕事にすると失敗する。
その可能性が高いことだけは覚えておいてください。
多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?
たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。
このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。
有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?
有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。
「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」
と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、
有機農業はちゃんと稼げる
ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。
ただし、条件があります。
それは・・・