売り上げを分解すると改善策が見えてくる

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なかなか売り上げが増えないなぁ、
どうしたらもっと儲かるんだろうか・・・
農家ならこういう悩みを持つことはあるでしょう。
兼業農家で農業収入にあまり頼っていないならまだしも、主業農家として収入の柱に据えているなら、農業で得られる売り上げは生活に直結する話です。
気にしないはずがありません。

 

ここで考えてほしいことは、
どうしたら売り上げが増えるんだろう・・・と漠然と考えていてもダメだということ。
栽培をもっとがんばって生産量を増やすべきなんだろう・・・という単純な回答しか出てきません。
栽培を追求する、その道はいばらの道。
誰しもが考えるその回答では、競争が激しすぎてまともにやっても苦労が報われません。

もっと別の角度から、視点を変えて、別の切り口から考えていく必要があります。
問題を分解して、自分にとって最もベストな解決の道を見つけ出していく必要があります。
そのための手法を、今回はお話ししていきます。

 

売り上げを分解してみる

農業を商売として考えたとき、売り上げは簡単な数式で表すことができます。

単価 × 顧客数 = 売り上げ

これは、売り上げを単価と顧客数に分解したわけです。
顧客数のところを販売個数、と表現したほうが分かりやすい人もいるでしょう。

100円の大根を1万人に買ってもらえば、売り上げは100万円。

100円×1万人=100万円

2万人に買ってもらえば、売り上げは200万円になります。

100円×2万人=200万円

顧客数が増えれば、売り上げも増える。
わかりますよね。

顧客数をがんばって増やす
つまり別の表現をすれば、
生産量を増やして販売個数をアップすることで売り上げが増える。
一般的な農家の売り上げアップ願望がこれです。

 

じゃあ、単価をアップすれば売り上げが増える。
数式を見れば、これも簡単にわかりますよね。

単価 × 顧客数 = 売り上げ

ですから。

200円の大根を1万人に買ってもらえば、売り上げは200万円。

200円×1万人=200万円

つまり。
売り上げをアップさせようと思ったら、
単価を高めるか、
それとも顧客数を増やすか、

2つの道があるわけです。

そして、
小さな農家は、どっちをアップさせやすいかといえば間違いなく単価でしょう。

顧客数を増やすのは、広告を出したり、メディアへの露出を積極的に行ったりして、
大きなコストがかかったり、営業活動が必要になるので大変です。
小さな農家には負担が大きすぎます。

だったら、同じ売り上げにするのに単価を上げる。
という方法を選ぶほうが、小さな農家には合っていますよね。

ただ売り上げをアップさせたい、そのためには栽培をがんばって生産量を増やすとか、規模拡大して栽培量そのものを増やすとか、一般的に考えられる道は、同じことを考えている農家と真正面からぶつかることになるので厳しいことは目に見えています。
でも、
売り上げを単価と顧客数に分解したとき、単価をアップさせる道があることに気づき、
そっちのほうが小さな農家が取るべき施策としては現実的だということに気づきます。

 

単価も分解してみる

そして。
単価をアップさせる方法は山のようにあり、これはセミナーのなかで詳しくお話ししています。

セミナー「小さな農家が有機農業で収入を倍増する秘訣」

セミナー映像を見ていただければ分かりますが、農家が持つ多様な価値をうまく使いこなすことで、単価は意外にかんたんにアップしていきます。

 

そして単価も、分解していくとさらに問題が浮き彫りになります。

栽培をこだわることで付加価値をつけて、それを単価アップにつなげる。
珍しい品種を選んで、それを熱烈に欲しがる人に差し出すことで単価をアップする。

これらは単価をアップする方法のうちの二つですが、

栽培 + 品種 = 単価アップ

という公式で単価を分解しているんです。
この場合はかけ算ではなく足し算
手をつけなければ、つまりどれかひとつがゼロでも単価はゼロにならない。
足せば足すほど単価は上がっていく。
という意味で足し算です。

 

売り上げを増やすにはどうしたらいいだろうか・・・
と考えたときに、その売り上げを構成する要素が何かを突き詰めて分解する。
そこで浮き出た要素を、さらに分解して掘り下げていく。
これを繰り返していくと、公式はどんどん複雑に、そして長くなりますが、
自分自身が手がけるべき最良の売り上げアップ方法が見つかったり、逆に弱点になっているところを見つけたりすることができます。

 

ちょっと考えてみてください

ちなみに。
どんどん売り上げを分解していくと、次のような式にまで長くなっていきます。
これが正解とか、正解がひとつだけだと言うつもりはありません。
いくつかある式のひとつだと考えてください。

詳しく解説はしませんが、この式を自身の農業に当てはめたときに、どのように活用できるかを考えてみると、なかなか楽しいと思いますよ。

売り上げ = 単価 × 顧客数

    ↓↓↓↓↓↓

売り上げ = ( 栽培 + 品種 + 顧客層 + 市場 + 情報発信 + 販路 ) ×  商品数 ×( 既存客 + 新規客 - 流出客 ) × 購入回数

 

 

 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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