目の前に転がっている成功へのビジネスモデル

すでに就農してあなたよりも10歩も100歩も前に進んでいる農家は、競争しなければならない商売相手です。
その農家より前に出なければ、お客様をすべて持っていかれてしまう。
そういう可能性すらある強敵です。
でも。
すこし見方を変えると、その強敵があなたにとって役に立つ、味方になったりするんです。
今回はそんな話です。


コピーするなら正確に

ソリューション
既存の農家はお手本。
もしくはビジネスモデルの実験場。
そのように考えてください。
どのような環境で、どのような栽培をして、どのように経営すると、どのような結果が出るのか。
それを実践してくれている存在なんです。

もしその農家が、あなたがやりたい将来なりたいと考えている姿に近いのであれば、その農家がやっていることを真似すればいいだけ。

あなたがやろうとしている形態で、いろんな失敗をして経験を積んでくれているんです。
あなたが失敗しなくてすむように先に現場でテストしてくれていると考えてください。
既存の農家とはそういう存在だ、と思いこむことで強敵に見えていたものがありがたい存在に変わります。

真似をするといっても、上っ面だけを真似したところでうまくいくわけがありません。
その農家が持っているノウハウを、その農家の経営を支えている土台になっているところを真似する。
見た目に同じような料理をつくれたら、繁盛しているフレンチレストランのように自分の店も繁盛するのかといえば、そんなことないですよね。
どうしてそのレストランが繁盛しているのか、その秘密・ノウハウを知ることが土台を真似するということです。
たんに料理を真似する、栽培を真似する、というような表面上のことではありません。
そのビジネスモデルの全体像を知る必要があります。

 


真似をして実践する

真似をするための最短ルートは、その農家で研修を受けることです。
その農家がやっていることすべてを、その農業者が考えていることすべてを吸収するつもりで研修を受ける必要があります。
栽培だけではなく、集客のことも、接客のことも、事務処理のことも、経営理念、時間管理、財務管理、マーケティング・・・。
真似をするということは、栽培だけではない経営すべてを学んで、その全体を理解するということです。
どうしてお客様はこの農家から買うのか、どうしてこの価格で買うのか。
その収益を上げるためにどれだけの経費を投入して、どのようにして売り上げを積んでいくのか。
経営の全体像が見えなければ、真似をすることはできません。
真似をしたいのであれば、その農家の生活や考え方のすべてを盗み取るくらいの気持ちが必要なんです。


そして学びとれたのであれば。
実際にやってみる。
多少の誤差はあるけど、同じようにやったのであれば、同じような結果が出るものです。
販売に関しては、手本になった農家と商圏・客層が同じであれば顧客の奪い合いになるので同じ結果が出ることはありませんが、商圏・客層が違っているなら似たような結果が出るはずです。
農作業そのものは技術的に難しいものじゃありません。
その作業がなぜ必要なのか、なぜ今なのか、抑えるべきポイントはどこか。
小手先ではなく本質を理解したうえで真似をしているのであれば、その結果はだいたい同じようになるものです。

 

目の前に転がっているビジネスモデルを逃す手はありません。
就農地が変わるなら、アレンジを加えればいいだけの話です。
気候が違う。
土質が違う。
商圏が違う。
客層(ターゲット)が違う。
まったく同じになることはありませんから、多少の修正をして自分に合った形に作り変えていけばいいだけです。
学んできたモデルの本質を理解しているなら、軌道修正は簡単にできます。

成功しているビジネスモデルを学ぶことは、自分が成功するための近道だと思ってください。


さらに先に進む、そして下剋上

ただし。
これで満足してはいけません。
真似をすることは成功するための近道ではあるけど、真似をしているだけではオリジナルを越えることができません。

あなたが将来、研修生を受け入れるような立場になるためには。
地域では一番になるためには。
もしくは経営的に磐石な体制をつくるためには。

真似をしてきたオリジナルを越えなければならないときがきます。
それはまだ考えられないかもしれません。
五年後十年後に生き残っていられるかもわからない、新規就農する時点では考えられないかもしれません。

でも頭の片隅には入れておいてほしいです。
一番にならなければ生き残っていくのは大変です。
豊田市で一番に。
多品目有機栽培で一番に。
ミニトマトのアイコという品種の栽培で一番に。
この分野なら誰にも負けないというものがないと、生き残っていくのは難しいです。
オリジナルさえも越えなければならない時が必ず来ます。
それは覚えておいてください。

最初は真似をして、そこに自分の強みを加えていくことで越えていく。
どうせやるならそこまで考えてみてはいかがでしょうか。

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