農家見学へ行くときに必ずおさえておくべきポイントとは

農業をやろう。
農業を仕事にしたい。
そう考えたけれども・・・なにを作っていいか分からない。
自分はどんな農業をやりたいのか、まだ決まっていない。
という段階は誰しもが通る道です。

どんな農業をやりたいのか決めかねているとき。
ぼんやりとしていて進むべき道が見えていないとき。
そんなときは。
書籍をたくさん読んだり、インターネットで情報をかき集めたり、とにかく情報をインプットして道を作っていくしかありません。
そして明確ではないにしてもある程度の道筋ができてきたら。
とにかくたくさんの農家を見学して、話を聞くことをお薦めします。
自分がこれから進むであろう道の、その先にいる農家さんに話を聞くことで、その道は果たして自分にとって正解なのかイバラの道なのか、具体的に将来をイメージできるようになります。

今回は。
農家を見学するときの注意点について書いていきます。
見学をする就農希望者にとって有意義な時間になるためには何に気をつけるべきか。
見学を受け入れる農家はどんな気持ちで受け入れているのか。
最後までご覧いただければ。
安易な気軽な気持ちで見学に行ってみようかな、ということがなくなります。
見学という行為に真剣に望めるようになります。

 

質問がなければ見学に行く必要はない

見学をするときにはいくつか注意点があります。
必ずアポイントをとって見学日時をすり合わせておくとか、遅刻をしないとか、汚れてもいい恰好で行くとか。
そんなのは当たり前のことですので注意点というほどのことはありませんが、見学は農家の仕事場を見せていただく行為なんだという気持ちは忘れないでください。
今回とくにお伝えしたいのは、実際に見学をしているときの内容についてです。
見学に行けば、
圃場を案内してもらう
ということもあるかと思いますが、新規就農を希望しているのであれば基本的に話がメインになります。
話を聞きたくて見学に行くんですから当然ですよね。

ということは。
会話がスムーズに進まないと貴重な見学時間を無駄にしてしまう可能性があるということです。
だから。
聞きたいことはあらかじめリストアップしておいてください。
その農家さんに何を質問したいのか。
10個くらいの質問は当たり前。
20や30くらいの質問は用意しておくべきです。

そんなにたくさん?と思われる方もいるかもしれませんが、お互いにとって貴重な時間を使って見学をするんですからそれくらいの準備はするべきです。
とりあえず見学にいけばなんとかなる、とか思わないでください。
口が達者な農家ばかりじゃありませんよ。
質問を投げかけないと全然しゃべらない農家だっています。
だまって立っているだけで見学時間が過ぎていく、そんなもったいないことはやめましょう。

ノートとペン2

その農家へ見学に行きたいと考えたのであれば、見学に行く目的があるはずです。
聞きたいことがあるはずです。

その経営形態で生計を立てられるのか知りたい。
農家暮らしの一日の流れを知りたい。
栽培のコツを聞きたい。
どんな農業機械が必要なのか。
新規就農に向けてどのようなステップを踏んでいけばいいのか。
販路開拓について。

もし質問が思い浮かばないなら、見学に行く必要はありません。
聞きたいこともないのに見学って、何しに行くんですか?
あらかじめ質問をリストアップしてみて、それほど質問項目が増えないとしたら、それは見学に行く必要がないことを意味します。

 

農家は仕事をする時間を削って見学に当てている

見学を受け入れる農家の目線で考えてみてください。
農家は、本来なら仕事ができるはずの貴重な時間を使って見学を受け入れてくれています。
1週間の段取り、1ヶ月の段取りを組んでいく中で、見学時間をとってくれています。
次の日から雨が続くから、できることなら農作業に時間を使いたい。
そういうことがあるかもしれません。
全体的に仕事が遅れ気味だから、できることなら農作業を進めたい。
そう思っているかもしれません。
それでも見学の予定を組んだのであれば、農家は快く見学に応じてくれるはずです。

おカネ

時給2000円の労働価値がある農家で2時間見学をすれば、その見学には4000円の価値があります。
時給3000円なら2時間で6000円の価値が。
農家にとっては、それくらいの価値ある時間を割いて見学に応じてくれるんです。

2時間なら2時間、ただなんとなく世間話や雑談で過ぎてしまった。
なんてことのないようにしっかりと事前準備をしておきましょう。
それが見学を受け入れてくれる農家に対する礼儀です。

 

見学するだけでお金がかかるときもある

ちなみに。
見学者がひっきりなしに訪れるような有名なところは、見学日をもうけていることがあります。
そのような見学会に参加したときにはマンツーマンではないので、思うように質問できないことは覚悟する必要があります。

また。
見学を有料にしているところもあります。
なんで見学するだけでお金をとられるんだ?
と思われるかもしれませんが、さきほど書いたように農家は貴重な労働時間を割いて見学に応じてくれているんです。
そのぶんの料金をとることはなにも問題ないと思います。
しかも。
見学が有料になれば、真剣に話をきくでしょうし質問をしっかりと用意していくはずです。
おそらく農家としては、見学で儲けようという気はなくて、真剣な見学者だけを受け入れたいのではないでしょうか。
有料にせざるを得ないほど見学希望が多いという可能性もあるので、お金を払ってでも訪れてみる価値はあるのかもしれません。

 

感謝を形にする

とにかく。
農家から直接話を聞ける見学は貴重な場です。
仕事をしている実際の現場に立ち入って話を聞けるんですから。
小さいながらも経営者とマンツーマンで話ができるなんて、なかなかできることではありません。
それがわりと当たり前のように通用する農業は、もしかしたら特殊なのかもしれませんね。

最後に。
貴重な時間を割いてくれてありがたいと少しでも感じるのであれば、現金とは言いませんので茶菓子のひとつでも持参するのが最低限のマナーではないかと思います。

参考になれば幸いです。

 

 

多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

つづきはこちら

 

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