作業技術と管理技術

だいたい農業系のアルバイトだと時給1000円もいかないような仕事がほとんどだと思います。
白菜や大根など重量野菜の収穫・出荷といったような重労働であっても、
収穫していた野菜の枯葉などを調整して袋詰めするような軽労働であっても、
農業系で時給1000円を超えることはほとんどないと思います。
それはひとえに単純労働だから。
これに尽きます。

農業に限らないのですが、畑の中で展開される仕事には
作業技術管理技術
の2種類が存在します。
作業技術というのは、いわゆる世間一般でいうところの農作業です。
耕したり、タネを播いたり、苗を植えたり、草をとったり、収穫したり。
多少のコツはありますが基本的に単純な作業ばかりです。
覚えてしまえばスピードに差こそあれ誰でもできる作業です。
アルバイトで任されるのはこの作業技術の部分になります。

対して管理技術はその名のとおり管理する技術。
どこに何を植えるのか、どれくらいの施肥量で、どんなタイミングで耕すのか。
農作業そのものではなく、指揮権・決定権を行使する技術のことです。
誰にでもできる仕事ではありません。

農家になるということは作業技術と管理技術の両方を駆使して生産をするということ。
高原野菜のアルバイトで仕事が速いといって褒められたから農家になれるというもんじゃありません。
栽培管理できる能力が求められます。

(上から目線で申し訳ありませんが)僕がこれまで受け入れた研修生だけ見ても、作業技術に長けた人もいれば管理技術が優れていると思われる人もいたりと様々です。
実際に新規就農したときには両方の能力が必要ですが、管理能力が高くないとスムーズに営農していくのは難しいと思います。
作業技術は経験でどうにでもなりますし。
だから僕が重視するのは常に管理技術。
研修生に吸収してほしい、磨いてほしいのは管理技術。

管理技術を磨くにはどうするか分かります?
”なぜ?”を意識することです。
なぜこのタイミングで耕したのか、なぜ通路の草を処理してから株元除草するのか、なぜ草をそんなに伸ばすのか。
ひとつひとつの事象に対して疑問を持ち、自分で考えてみる。
調べてみる。
聞いてみる。
これを繰り返すことで管理技術は向上します。
おためしあれ。

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