新規就農するということは。
その人の立場によってやらなければいけないこと、準備すべきことは同じではありませんが、どんな立場でも共通してやるべきことはあります。
そして。
ビジネスなら当たり前のことが農業ではあまり気にされてないことが、意外に多いなぁと感じることがあります。

新規就農するというのは、サラリーマンの延長ではありません。
被雇用者から雇用者の立場になるということ。
雇われの身だった人が、人を雇う立場になるということです。
小さいですが事業を始めるということです。
まったく別の人生を歩もうとしている、このことをしっかりと理解しておかなければ
就農後 即 離農
という悲しい結果になりかねません。
事業を始めるとき、どんなことに気をつけたらいいのか。
今回はそのような記事です。
最後までご覧ください。

 

新規就農時に自分をとりまく内的&外的な要素

新規就農をする、つまり事業をスタートさせるときにやるべきことは大きく分けると2つあります。
それは、それぞれの立場でやるべきことが違う
内的な要素
と、どんな立場であっても事業者であればやって当然の
外的な要素
です。

言い換えると、
内的な要素は新規就農するために必要なもの。
外的な要素は新規就農したあと軌道に乗せるために必要なもの。

という表現になります。

具体的な内容は、これまでにいくつも記事を書いてきています。
 

内的な要素
・なぜ農業をやりたいのかという気持ちの整理
・まわりの説得
    会社を辞めて農業を仕事に。上司の説得、両親の説得

・技術習得、資金調達など5つの要素
  1.家や農地  新規就農に向けて農地を借りる 行政相談

  2.資金  新規就農に向けて開業資金、自己資金、貯金はどれくらい必要か

  3.技術  教わることの重要性 農家になりたければ農家から学べ

  4.販路  生産が先か、顧客確保(営業)が先か
         集客が商売の基本なのは農家でも同じ

  5.経験  農業って未経験者でも始められるの?


外的な要素

・どんな業界なのかを知る
・競合はいるのか
・ちゃんと稼げる形態なのか
・TPPなどの外的変化に対応できるか

 

内的なことは誰かに言われるまでもなく、自分で考えて解決していくべきことです。
自分自身の行動ひとつでなんとかなるものです。
新規就農しようと考えている人であれば自らの力で問題を解決していくでしょうし、これまでにいくつも詳しく記事を書いているのでそちらをご覧ください。

黒船
(画像参照:日本財団図書館

これに対して外的な要素は。
自分ではどうにもならない要素を含みます。
農業を始めてしまってからではどうすることもできない要素を含みます。
だからこそ事前の準備・選択が非常に重要になります。
事前に入念なリサーチをして、これからやろうとしていることが事業として長く続けられるものなのかを検証する人がどれくらいいるでしょうか。
おそらくほとんどいないと思います。

 

競合を知ることは非常に重要

TPP参加国
(画像参照:一般社団法人 日本貿易会

もちろん、すべての人がまったく考えていないわけではありません。
考えている人は考えています。
農業界はどんな業界で、平均的にこれくらいの収入がある。
TPPの波が押し寄せてくると、どんな影響があるか。
もしかしたらこれくらいのことは考えている人もいるでしょう。
でも。
自分がやろうとしている経営形態、販売形態ではどんなライバルがいるのか、競合にまで思考が至る人は稀だろうと思います。
就農しようとしている地域で、同じ形態ですでにやっている農家がたくさんいるとしたら。
小さな農家は狭い範囲で商売をしていくことが多いので、地元に競合がいればお客様の取り合いになってしまうのは当然のことです。
コンビニが見渡せる範囲に複数建っていてお客様を取りあう、潰し合いになるのと同じです。

競合相手がいるのかどうかは、とくにチェックしておくべき重要な項目なんです。

    詳しくはarrow070_01競合する農家とは同じ土俵で戦わない

リンク先にあるように、ずらしのテクニックを使えば競合しなくてすむ場合もありますが、自分がどんな形態でどんな客層をターゲットにしたいか明確になっていたら、地域をずらすのが最良になることもあるんです。

どうしても地元で農業をやりたい、そもそも実家が農家だから地の利を生かしたい。
というのであれば地域をずらすのは難しいかもしれません。
でも実家が農業を営んでいない、サラリーマン家庭で育って農業とはこれまでになんの関わりも持たなかったという人も大勢いらっしゃるでしょう。
農業をやるのにとくに地元にこだわらないという人もいるでしょう。
そんな人なら、どんな地域で新規就農するのかしっかりと考えてみるべきです。

たとえば。
よくあるのは研修先の農家と同じ地域で就農しようとする場合。
土質も気候も同じようなところで就農すれば、栽培に関しては学んだことをほとんど活かせるからいいんじゃないか、近くに先生がいれば分からないことがあったときにすぐ相談できるじゃないか、といった理由です。
そのような理由、わからなくもないですが大事なことを完全に忘れてしまっている典型例です。
研修先の農家、つまり先生がライバルになるという事実です。
同じ地域で同じ形態の農業をやれば、先生と戦うことになるのは必然です。
お客様の奪い合いになるのは当然です。
あなたは先生と戦って勝てると思いますか?

有機農業の町と呼ばれるようになった地域は全国にいくつかあります。
長くやってきた優秀な有機農家が、研修生を何人も輩出して地元で農家を増やしてきた結果です。
そこでは、競合ひしめくなかで農家同士がちいさなパイを奪い合っている状況になっています。
需要よりも供給が増えて、販売価格が下がってしまうという(生産者にとっての)悲劇も起こりかねない事態です。
周りに優秀で質問に答えてくれる先輩農家が多いのはありがたいことですが、就農したとたん彼らがライバルに変わったのではたまりません。

 

ランチェスター弱者の戦略

自分が農業をやろうとしている地域で、競合相手はどれくらいいるのか。
これを知ることは非常に重要です。
誰もやっていない地域で営農すれば、たとえ栽培がヘタクソで商品の品質がそこそこであっても売れます。
ほかに買うところがないんですから。

私が2005年に愛知県豊田市で新規就農したときは、まさにこの状況でした。
有機の野菜セットを販売している農家が周りにほぼいませんでしたので、豊田市はもちろん大消費地である名古屋市からも多くの注文が入ってきました。
最初のころは栽培がヘタクソで低品質でしたし、ホームページもそれほど魅力的なものではありませんでしたが、ほかに購入できるところが少なかったので私から買うしかなかったんです。
それから10年。
今ではまわりに同じようなことをしている農家がたくさんいます。
豊田市にはたくさんの有機農家がいます。
そんな状況で、豊田市で新規就農することにどれほどのメリットがありますか?
名古屋市にもっと近いところで、競争相手が少ない市町村を狙って就農したほうが有利だとは思いませんか?


経営における弱者の戦略でもっとも重要なのは戦わないことです。
戦わずして勝つことがもっとも重要だと、フレデリック・ランチェスターは言っています。
戦わないで勝つためには、入念なリサーチが欠かせません。
土地に根付いていく農業では安易に場所を移すことができませんから、しっかりと調査をしてからスタートしてほしいものです。

参考になりましたら幸いです。

 

 

栽培が下手でも時給3000円で働く農家になる方法とは?

もしかしたらあなたは、ひたすら栽培技術を磨こうとしていませんか?
いいものを作れば売れると思っていませんか?
その道は、優秀な先進農家と戦うことになる、かなり危険な道です。死に物狂いで努力しても結果を残せないかもしれない道です。

それよりも、たとえ栽培が下手でも時給3000円、しかも週休3日で働く農家になる道があります。見つけさせすれば誰でも通れる道です。

そんな道どこにあるの?じつは・・・

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有機栽培農家・松本がやってしまった間違いとは?

農業をやりたいと考えたときに最も重要なことは

栽培技術の習得

であることは間違いありません。商品ができなければ何も始まりませんから。
ちゃんと作物を栽培できて、ある程度のレベルの農作物を自分で作れるようにならなければ、当たり前ですが買ってくれるお客様はいないわけです。
だから栽培技術を身につけることは最低限やらなければならないはずです。

じゃあここで、あなたが、農業のなかでも難しいとされる無農薬栽培に挑戦しようと考えていたら・・・。自分の育てたものを消費者に直接お届けしたいと考えていたら・・・。

それはほとんどの場合。
有機農業では王道とされる、野菜セット農家になるということです。
たくさんの種類の野菜や果物、米などを育てて、それを詰め合わせボックスという形でお客様へお届けする。
そういう農家です。

当サイトの管理者・松本は、この野菜セット農家になるときに大きな間違いをしてしまいました。

それは・・・

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