新規就農に必要なものをこれまでに取り上げて解説してきました。
家や農地などのインフラ
資金
栽培技術
販路
商売や経営の経験

これらは最低限必要なものであって、実際に就農するにあたって揃えるべきものは数多くあります。
たとえば農作業用機械であったり、屋号であったり、名刺や作業着や、困難に打ち勝つメンタルだったり。
物質的にも精神的にも新しく事業を興すときにはなにかと揃えなければならないものがあるんです。

そんななかで。
最初に揃えるべきものとして、農家にとってパソコンは必須のアイテムだと思います。
今回はパソコンの必要性について書いていきます。

 

パソコンが威力を発揮するのはどんなとき?

パソコンと男性

時代を考慮するならパソコンは欠かせないツールです。
パソコンを持っていなくても成り立ってる農家はたくさんいるだろう。
と思われるかもしれません。
それはある意味では正しい意見です。
でも。
パソコンがいらないのは農協出荷などで生産に集中することができる農家であって、自分で販売も手掛けていく農家には必須のツールではないでしょうか。
パソコンが一般家庭にこれだけ普及し、インターネットが生活のなかにこれだけ入り込んでいる世のなかで商売をしていくときに、パソコンが必要ないと言い切れるとは思えません。

たとえば納品書請求書を作成するとき。
パソコンがあれば簡単に作成できます。
これまでどおり手書きでもいいんですが、
「納品書が手書きだと温かみを感じるなぁ」
「請求書からその人の優しさが伝わってくるなぁ」
なんてことはありませんから、ここは効率を追求すべきところです。
顧客が増えてくると書くだけで多くの時間を費やしますよ。


宅配業者に商品を運んでもらうための配達伝票だってそうです。
出荷件数が少ないうちは手書きでもいいですが、件数が増えてくると宛名や住所をひとつひとつ書いていくのは苦痛になります。
その作業はパソコンとプリンタがあれば数分で完了です。


顧客管理にももちろん使えます。
データベースソフトや表計算ソフト、顧客管理ソフトがパソコンに入っていることが条件ですが、顧客管理をするためにはパソコンは必須のツールです。
だれに、いつ、なにを、どれくらい発送するのか。
これらの情報をデータ管理しておくことは非常に重要で、アナログでこれを実現しようとするのは無理があります。
手書きだと間違えたりしますし。


栽培記録にも使えます。
手帳や日誌などに日々の作業記録、栽培日誌をつけている農家は多いのかもしれません。
あとで見返すことができますし、気軽にささっと記帳できるので便利です。
でもノートに記帳しておいたものを時系列で見ていくのは大変です。
2010年3月何日にナスのタネを播いたっけ?
過去5年間のジャガイモ栽培面積はどのように推移してきたか?
といった年度ごとのデータを拾っていくときは市販の専用ソフトや表計算ソフトが便利です。
データの整理が容易になり必要な情報を取り出しやすい、という点ではデジタルの力を借りたほうが圧倒的に有利になります。
ただし。
日々の記録をつけるという点でパソコンだとどうしても作業がおっくうになりサボってしまいがち。
スマホで気軽に記録を付けられるほうが便利で継続しやすいので、スマホ使用を前提に考えることをお勧めします。


忘れがちなのが栽培計画
有機農業の世界では当たり前に採用されている多品目栽培では、たくさんの種類の作物をこまごまと育てていきますし、播種・定植・管理・収穫・片付けといった作業が同時期に混在して一年が進んでいきます。
この畝では種まき、となりの畝では収穫が始まっていて、さらにとなりではこれから耕すところ。
といった状況が常に起こります。
いつどの作物のタネを播いて、●月にはどんな作物が収穫できるのか。
栽培量は過不足なく作付けされているのか。
収穫できる種類と量は適切にバランスがとれているのか。
といったことは動き出してしまってからは修正が難しく、計画をしっかり立てておくことが結果を大きく左右します。
これを容易にしてくれるのがパソコンであり、Excelのような表計算ソフトです。
表計算ソフトであれば栽培計画全体が見やすくて修正・改善が容易にできます。
タネの播き忘れが減りますし、栽培に必要な面積などを自動で計算することができます。
多品目栽培の成否は計画が8割以上といってもいいほどですので、これを実現するためのパソコン利用は効果が大きいと思います。


ホームページやブログも。
スマホでSNSを利用したりブログを書いたりすることは簡単にできます。
農家が情報を発信していくのであれば、もしかしたらこれで充分なのかもしれません。
でもホームページを開設するとなれば話は別。
スマホではちょっと難しいです。
自分で作るときもそうですし業者に依頼して作ってもらうときも同じなんですが、たとえばホームページで使う写真を選ぶときにはスマホでは心もとないです。
文章を作るときにも大きなキーボードでタイピングするほうが圧倒的に速いですから、長文力作のページを用意するときなどはパソコンが欲しいところです。

 

事業者がパソコンを持つのは当たり前の時代

あまりイメージが湧かないかもしれませんが農家は自営業者であり、個人事業だけど会社がやっていることと大きく変わりません。
組織化されているかされていないかの違いだけ。
会社組織は人員をそれぞれの役割に分担して仕事をこなしますが、農家はすべての業務を一人もしくは夫婦でこなしているだけの差です。
生産、営業、販売、流通、経理、資材管理、研究開発、人事・・・。
会社であればそれぞれの部署を設けていますが、農家は分業できないので自分ですべて請け負っている。
それだけの話です。

だとしたら。
一般的な会社ならたいてい置いてあるパソコンを、同じ業務をこなしている農家が持つのは当たり前ではないでしょうか。
むしろ小さいからこそ、パソコンなどで効率的に仕事を進めるべきです。

 

グレードやメーカーは個々のレベルに合わせて購入すべき

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これまでにパソコンを必要としてこなかった。
パソコンを所有したことがない、という方もおられると思います。
それでも。
生産だけでなく販売まで手掛けていく、いわゆる販売農家になるつもりならパソコンは必須ですので購入するべきではないでしょうか。
使っていくうちに慣れます。
最初はキーボードを打つ手が人差し指一本かもしれませんが、慣れればカタカタとスムーズに打てるようになります。
必要なソフトのインストールも昔ほど面倒ではないので、慣れてしまえば本当に簡単です。

どんなパソコンを選んだらいいのかというところは私は専門外ですので詳しいことは書けません。
ですが経験してきた中で感じることは一部お伝えしておきたいと思います。
まず。
処理が高負荷になる動画編集など処理能力が求められるような使いかたをしなければ、上級モデルを買う必要はないです。
中古はハードの故障が怖いので避けたいですが、新品で販売されているなかでも下級グレードの安いもので充分だと思います。

どのメーカーのパソコンを購入すべきかについてもはっきりと言い切れませんが、おおざっぱな傾向としては

初心者は東芝やパナソニック、富士通やNECなど国内メーカー
DELLやHPなど海外メーカーは中級者以上

といった感じです。
パソコン本体がどうという話ではなくて、国内メーカーのパソコンは初心者でも使いやすいようにカスタマイズされていてスムーズに使えますが、海外メーカーのものは最低限の機能だけが入っていてご自由にカスタマイズしてくださいといった印象を受けます。

同じ性能なら海外メーカーのほうが安かったりしますが、初心者には国内メーカー品をお勧めします。

あとは。
ワープロ、表計算、プレゼンテーションなどのツールをまとめたオフィスソフトが入っていたほうがいいと思います。
現在主流なのはマイクロソフトのオフィスソフトであるマイクロソフトオフィスです。
エクセル、ワード、パワーポイントなどが含まれています。
他の人とデータ共有するときに互換性がないと困りますので、よく分からなければマイクロソフトオフィスを選べば間違いありません。

 

 

インターネットの発達によってクラウド化が進み、データの保存や共有がネット上で可能になり、オフィスソフトもネット上で実行できるようになりました。
これからもどんどん便利になると思います。
でも。
だからといってスマホだけでなんとかしようと思ってるなら、少し考え方を改めたほうがいい気がしますよ。
効率的に仕事をこなさなければ淘汰されてしまう、厳しい商売の世界に飛び込んでいくのが新規就農だということを忘れないでください。

 

 

 

栽培が下手でも時給3000円で働く農家になる方法とは?

もしかしたらあなたは、ひたすら栽培技術を磨こうとしていませんか?
いいものを作れば売れると思っていませんか?
その道は、優秀な先進農家と戦うことになる、かなり危険な道です。死に物狂いで努力しても結果を残せないかもしれない道です。

それよりも、たとえ栽培が下手でも時給3000円、しかも週休3日で働く農家になる道があります。見つけさせすれば誰でも通れる道です。

そんな道どこにあるの?じつは・・・

つづきはこちら

有機栽培農家・松本がやってしまった間違いとは?

農業をやりたいと考えたときに最も重要なことは

栽培技術の習得

であることは間違いありません。商品ができなければ何も始まりませんから。
ちゃんと作物を栽培できて、ある程度のレベルの農作物を自分で作れるようにならなければ、当たり前ですが買ってくれるお客様はいないわけです。
だから栽培技術を身につけることは最低限やらなければならないはずです。

じゃあここで、あなたが、農業のなかでも難しいとされる無農薬栽培に挑戦しようと考えていたら・・・。自分の育てたものを消費者に直接お届けしたいと考えていたら・・・。

それはほとんどの場合。
有機農業では王道とされる、野菜セット農家になるということです。
たくさんの種類の野菜や果物、米などを育てて、それを詰め合わせボックスという形でお客様へお届けする。
そういう農家です。

当サイトの管理者・松本は、この野菜セット農家になるときに大きな間違いをしてしまいました。

それは・・・

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