無農薬野菜 × こだわりラーメン屋

僕が新規就農した当初は非常に壮大な夢を語る人たちがいました。
有機農業が主流の世の中になる
農薬や化学肥料を使った現在主流の農業(慣行農業)と立場が入れ替わって、有機農産物を流通でのスタンダードにする、という意気込みは、講演会やフォーラムなどに出席するとそのようなたぐいの思想を語る人は少なからずいました。
僕もすこし酔ってました。
今でもこういう人はいますね、たぶん。

現在の僕は考えが変わっています。
一言で表現するなら
有機農業は広まらなくてもいい
といっていいかもしれません。

たとえば。
全国展開しているラーメン店があります。
幸楽苑、餃子の王将、一風堂、天下一品のような店のことです。
どの店で食べてもある程度同じレベルのものを提供できるようにマニュアル化されているでしょうし、ターゲットが大衆向けだからそこに好まれる味やメニューにしているでしょう。
よくいえば飽きない味、悪くいえば無難な味。
これが慣行農業。

一方で、職人的なこだわりを追求した地域密着の小さなラーメン屋もあります。
何十時間も煮込んだとか、全国各地から集めた厳選食材だとか、ひとくせもふたくせもあるような個性の強いラーメンが数多くあります。
くせが強いので誰にでも好まれるということではなく、その味がたまらんというファンをがっちりつかむ経営だろうと思います。
これが有機農業。

どちらがいいとか悪いとかではありません。
食べたい方にいけばいいんです。
農業だって同じです。
農協や市場を介するようないわゆる慣行栽培の野菜がいいと思えばスーパーに行けばいいです。
安いからとか虫がついてないから安心だとか、理由はなんでもいい。
そうじゃなくて安全なものが食べたいとか、無農薬ステキとか、とにかく美味しい野菜が食べたいとか、育てている人から直接買いたいとか、こだわりを感じたいのであれば有機農家から直接買えばいい。
どちらが正しいということではなく自分の求めるものを買えばいい、その選択肢は用意されてるんだから。

ここでもし、小さなこだわり有機農家が世の中の主流になったとしたら・・・。
ラーメンの例えに戻りますが・・・
こだわり店が地元で評判になり、(ガッポガッポ儲かって)全国展開するようになったとする、それ自体は珍しいことではないけれど、ある程度のマニュアル化は進むだろうし開業当初のような強いこだわりをもてなくなるかもしれない。ターゲット(客層)がかわることも考えられるので、大衆向けに味や仕様をあわせることになるかもしれない。
つまり大きな店と小さな店では、ターゲットも職人的なこだわりもウリにするものも違う。

有機農業が慣行農業にとってかわろうとするなら、味や安全性・安心感などのクオリティが落ちるのは避けられないし、こだわりが薄まることで有機らしさも薄まってしまう。
有機農業が今の地位を築いているのは、規模が小さくて少数でこだわりが強いからだと思います。

有機農業は地元密着のこだわり店ポジションが合っていると思う。
小さな農業であるからこそ有機農業は活きてくる。
少数派であり、職人的にこだわりを発揮できる環境だからこその有機農業かもしれない。
と最近は思っています。

だから
有機農業は広まらなくてもいい
と言ったんです。

これから農業を始めようとしている方へ

農業をやってみたいけど一歩を踏み出す勇気が出ない。安定した収入を得られるか分からない不安。作物をうまく育てられるんだろうか、作ったものが適正価格で売れるんだろうか、そんな悩みを抱えていませんか?
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多品目栽培でこんな間違いをしていませんか?

たくさんの種類の野菜を同時に育てる、かんたんに表現すれば家庭菜園を大きくしたような農業。

このような、いわゆる多品目栽培は、有機農業ではよくやられている方法なのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そして、多くの農家がやってるんだから自分にもできるだろうと、独学で、農家研修で、栽培の基本を学んでから実際に自分でやってみるのですが・・・
このときすでに、じつは大きな間違いをしています。

それは・・・

有機農業が慣行農業の5倍も儲かるって!?

有機農業者は、あまりお金の話をしたがりません。

「収入に魅力を感じて農業をしてるんじゃない。わずらわしい人間関係から解放されて、健康的な暮らしをしたいから有機農業の道を選んだんだ。」

と、収入は二の次だと言います。
だからこそ見えなくなっていた真実。それは、

有機農業はちゃんと稼げる

ということ。家族を養っていくことくらいは簡単に実現できます。しかも、栽培がうまいとかヘタとか関係ありません。誰でも実現できるものです。

ただし、条件があります。
それは・・・

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