僕の甘い話につられてはいけません。
有機農業でもこんなに稼げますよ、とか時給換算するとこんなに高くなりますよ、とかブログ内に数字で実績を示したことはあります。
こういう数字から有機農業に希望を持っていただけることは非常にうれしいです。
ですがここに至るまでの経緯を無視してはいけません。
誰にでもできるんだと思ってはいけません。
農業を甘く見てはいけません。
有機農業を10年以上やっても100万円程度の売上しかない方を知っています。
生計が立てられなくなってやめていった農家を知っています。
10人が10人とも生き残れるような世界ではないんです。

僕がやっているのは経営です。
サラリーマンが被雇用者という立場なら、僕は雇用者という立場にいます。
サラリーマンの気分を引きずったまま新規就農することは非常に危険だと思います。

このブログで書くようなことや見学に来られた方に話すことはもちろん事実ですが、僕がここまで辿りつくまでに蓄積してきた知識・経験・技術などは一朝一夕で手に入るものではありません。
無農薬で野菜を育てる栽培技術、年間通してほぼ途切れることなく野菜を揃えるための作付計画、出来る限り手間を省くように組まれた出荷作業、ホームページ作成・管理能力、独自の顧客管理・発送支援システムの構築。
様々な要因が積み重なってできているのが松本自然農園です。

有機農業をやりたいんだけど、生計を立てられるかどうかわからない世界に踏み出すのは不安。
そういう想いでためらって動けない人は多いと思います。
やり方次第でじゅうぶんに生計が成り立つ、ということを示すことが農業者を増やす近道だと思ってこれまでやってきましたが、ちょっと甘い話をしすぎたかもしれません。
同じようにやれば誰でも松本自然農園程度のレベルに達することは可能。
と思われていたとしたら、それは僕のミスですね。
もうすこし厳しい話も織り込むべきでした。

僕が提供できるものは惜しみなく出します。
ただし、栽培をきっちり真似するので販路開拓を支援してもらってすぐにでも就農したい、というのは無茶です。
栽培は真似したからって同じものはできません。
販路の支援ができるほど僕にそこまでの余裕はございません。
5年後の松本自然農園ならもしかしたら手厚い支援で新規就農者を応援しているかもしれませんけど、現状は最低限の支援しかできません。
あしからず。