新規就農するにあたって考えなければならないことのひとつが
どんな農業用機械を揃えたらいいのか
ということです。
トラクター、耕耘機、管理機、散布機、播種機、除草機、運搬車など。
農業の現場で使用される機械は、手押しでカタカタ動いていく人力のものからリモコン操作でガンガン動いていくものまで多岐に渡ります。
それぞれどんな作業ができるのか、という根本的な仕様を理解するところから始まって、自分の農業スタイルにどのような機械が必要なのかを考えなければなりません。

そして、機械を揃えるためには当然ですがお金が必要です。
新規就農でこれから農業をやっていこうと思っている人にとっては、かなり大きな出費になることが予想されます。
だからこそどのような農機を購入するのかは、慎重に検討したいところです。
ポンポンと買ってから「あぁ、いまいち使えないなぁ」という後悔は避けたいですよね。
どんな機械を揃えるか。
新品で買うのか、中古で買うのか。
という点について今回は触れていきたいと思います。

 

あなたがもし、いま農業研修中でこれから新規就農に向けて機械を揃えようと思っているなら・・・。
最初は中古で揃えるのをオススメします。
その理由は大きく3つあります。
新品で揃えたほうがいいぞ!という農家もいると思われますが、これから書くことは個人的な意見ではありますが私の経験に基づくものです。
ぜひ参考にしてみてください。

 

理由その1 栽培技術の確立

農業研修をしていくなかで、受け入れ農家がいろんな機械を使っているのを目にするはずです。
いろんな作業機を使って仕事を効率的にこなしていきます。
研修生自身もそれを使って仕事を進めることがあるでしょうし、その仕事の速さに感動することでしょう。
自分が独立して農業を始めるときには同じ機械を揃えようと思うかもしれません。
でもちょっと待って下さい。
その農家が使用している機械は、あなたの経営に本当にマッチしたものでしょうか。

トラクターB1702
たとえば。
トラクターや耕耘機などの、いわゆる土をかくはんして耕す機械。
この機械は非常に多くの種類があります。
馬力だけとっても3馬力程度の小さな手押しの耕耘機もあれば、5馬力、7馬力、8馬力、10馬力・・・15馬力、17馬力、20馬力、25馬力・・・50馬力・・・。
1馬力の差がどれほどの違いなんだと思いたくなるほど細かく分かれています。
耕耘する幅についても細かいです。
25cm、30cm、40cm、45cm・・・60cm、75cm、90cm・・・120cm、135cm・・・。
なにも知らないで耕耘機を買おうと思ったら、まちがいなくどれを買っていいのか迷うはずです。
なぜこんなにもラインナップがあるのか、考えたことがありますか?

その答えは単純明快。
それを必要としている人がいるから。
5馬力で耕耘幅30cmの耕耘機が欲しい人もいれば、25馬力で耕耘幅135cmのトラクターが欲しい人もいる。
ただそれだけのことです。
じゃあ、なんで人によって欲しいものが違うんでしょうか。
それは、耕作する土壌条件や経営規模がそれぞれ違うからです。
サラサラな砂質土壌であれば、それほど馬力がなくてもすいすい耕すことができますが、粘土質の重たい土壌であればそれなりの馬力がなければうまく耕すことができません。
また、小さな面積でちょこちょこ耕すだけなら小さな耕耘機でじゅうぶんやっていけますが、何十ヘクタールもあるような大面積を管理するときには大型機械でなければ仕事になりません。
それぞれの農家の、それぞれの置かれた環境によって必要な機械が変わってくるんです。
研修先の農家が15馬力のトラクターに乗っていたからといって、あなたが耕作する条件でもそのトラクターが必要かどうか分かりません。
自分が本当に必要な機械を見極める必要があります。

また、栽培方法の変更によって必要な農機具が変わってくることも考えられます。
たとえば。
草を思いきり生やして緑肥として土に戻していく栽培をしていく。
いわゆる緑肥栽培と言われている栽培をするとします。
ハンマーナイフモア
(画像参照:オーレックHPよりハンマーナイフモア)
このときに必要な機械は、背丈の高い草でもバリバリ砕いていくハンマーナイフモア(フレールモア)と、その草ごと耕していけるだけのパワーがあるトラクターです。
このふたつの機械を揃えて緑肥栽培を数年やってみたところ・・・いまいち成果が上がらない。
緑肥栽培ではやっぱりだめだと判断して、栽培方法を変更してしまったら・・・。
緑肥ではなく堆肥を入れるようになったら・・・。
そうなるとハンマーナイフモア(フレールモア)は不要になり、トラクターはそれほどパワーがいらなくなるかもしれません。
かわりに堆肥を散布する機械が欲しくなります。
必要だと思って購入した機械が、栽培方法の変更によって不要になってしまうんです。
栽培方法の変更、栽培方針の転換なんて長くやっていれば当たり前のようにあります。
売り先が変わったことで栽培方法が変わることも充分にあり得る話です。
とくに初期のころ、その土地に合わせて、その気候に合わせて、自分の栽培技術が確立するまでは、本当に必要な機械なんてわからないんです。

もし新品で必要なものを一式すべて揃えてしまって、実践してみたら思ったようにいかなくて経営方針を転換することになったら。
かなりもったいないことになるかもしれませんよ。

 

理由その2 メンテナンス

キャブ清掃
新品の機械は、よほど無理をしなければ故障しません。
オイル交換をこまめに定期的に行っていれば、5年くらいは故障することなく使えるでしょう。
これが機械のメンテナンスを学ぶ機会を失わせている。
という見方があなたにできるでしょうか。
機械が故障するたびに、どんなに小さなことでも農機具屋に修理を依頼していては経費がかさんでしまいます。
プロに任せるべきところはプロにお願いするとしても、自分でできるメンテナンスや簡単な修理はできるようになっていたほうが将来的に必ずプラスになります。
もし機械が壊れたとき、農機具屋に持ちこんでの修理期間中はその機械を使うことができないので仕事が進まなくて困りますが、簡単な修理ができるようになればそういう機会も減ります。
壊れてもしょうがないやというくらいの気持ちで自分であれこれ修理してみるうちに、機械の構造がわかってきたりどんな症状が出たときにどんな故障が考えられるかという修理個所の絞り込みができるようになります。
これができるのは中古だからこそ。
新品だと分からないところに手を出すのが怖くて、ついつい農機具屋に修理を依頼してしまうものです。
自分自身の機械メンテナンススキル向上のためにも、中古農機を買うことをお勧めします。

 

理由3 金銭的な負担

最後の理由はすごく単純。
中古のほうが安いから。
もちろん新品で買って30年きっちり使えば、1年あたりの機械代ってもしかしたら中古で買うよりも安くなるかもしれません。
たとえば。
新品で300万円で購入し、30年つかえば1年あたり10万円です。
中古で50万円で購入し、5年しか使えなければ1年あたり10万円。
同じ10万円です。
5年ごとに買い替えたり、購入してすぐに故障個所が見つかるなど中古品にはいろいろと面倒なことがあります。
1年あたりでいくら、と計算していけば新品で購入するほうがメリットが大きいという考え方は間違っていないと思います。
ですが。
ここで言いたいのはその点ではなくて、なにかとお金がかかる新規就農当初の開業資金はなるべく低く抑えたいよね、ということです。
最初から30年分の投資をする必要がありますか?
30年先に自分がまだ農業の世界で生き残っているという自信があるなら別ですが、そんな先のことまで考慮して就農当初の金銭的に苦しいときに重い負担をかける必要があるでしょうか。
初期投資、開業資金という点でいえば、金銭的な負担を減らすためにも中古品で揃えたほうが無難です。

 

5年経ってから考えよう

5年後にはもしかしたら離農しているかもしれない身ですから、最初から30年も使うことを想定して機械を揃える必要はないんじゃないでしょうか。
最初はすべて中古で揃えておいて、5年経ってみて
よし、このまま農業でやっていける!
という見通しが立ったところで、大きく新品で機械を揃えたほうがいいとは思いませんか?
そのときには栽培方法も自分なりに確立してきてどういう機械が自分のやり方に合っているのかわかってきているでしょうし、機械のメンテナンス技術もそれなりに上がってきているから新品を購入していきなり壊すような無茶なメンテナンスはしないでしょう。

あくまで個人的な意見ですが、私としては新規就農当初は中古ですべて機械を揃えることをお勧めします。
ぜひ参考にしてみてください。

 

栽培が下手でも時給3000円で働く農家になる方法とは?

もしかしたらあなたは、ひたすら栽培技術を磨こうとしていませんか?
いいものを作れば売れると思っていませんか?
その道は、優秀な先進農家と戦うことになる、かなり危険な道です。死に物狂いで努力しても結果を残せないかもしれない道です。

それよりも、たとえ栽培が下手でも時給3000円、しかも週休3日で働く農家になる道があります。見つけさせすれば誰でも通れる道です。

そんな道どこにあるの?じつは・・・

つづきはこちら

有機栽培農家・松本がやってしまった間違いとは?

農業をやりたいと考えたときに最も重要なことは

栽培技術の習得

であることは間違いありません。商品ができなければ何も始まりませんから。
ちゃんと作物を栽培できて、ある程度のレベルの農作物を自分で作れるようにならなければ、当たり前ですが買ってくれるお客様はいないわけです。
だから栽培技術を身につけることは最低限やらなければならないはずです。

じゃあここで、あなたが、農業のなかでも難しいとされる無農薬栽培に挑戦しようと考えていたら・・・。自分の育てたものを消費者に直接お届けしたいと考えていたら・・・。

それはほとんどの場合。
有機農業では王道とされる、野菜セット農家になるということです。
たくさんの種類の野菜や果物、米などを育てて、それを詰め合わせボックスという形でお客様へお届けする。
そういう農家です。

当サイトの管理者・松本は、この野菜セット農家になるときに大きな間違いをしてしまいました。

それは・・・

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