青年就農給付金制度はご存知でしょうか。
 詳しくはarrow070_01農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)
青年給付金

※2017年には農業次世代人材投資資金と名称を変更しましたが大枠は変わっていません。

新規就農を考えているのであれば、おそらくほとんどの人が知っているのではないかと思います。
それくらい有名で、有用な制度です。
そりゃそうですよ、要件さえ満たせば年間150万円が手に入るんですから。
もし知らなかったという人がいれば、一度調べてみることをお勧めします。

以前の記事で、
補助金を受け取ることは、起業して経営をしていく道を切り開いていくときの覚悟を減らしてしまうから危険だ
という話をしました。

農業次世代人材投資資金(旧:青年就農給付金)とは誰にとって有益なのか

さらに。
給付金で生活費をまかなうような使い方ではなく、設備投資などに使うことで覚悟を減らさずに有力な先輩農家と対等に戦うことができるようになる。
という話をしました。

農業次世代人材投資資金(旧:青年就農給付金)を活用して優秀な農家になる方法

そんな給付金。
年間150万円という金額があまりにも大きすぎるためにメリットばかりが目立ってしまいます。
ですがもちろんあるんですよ、デメリット。
全ての人に当てはまるデメリットではありませんが、人によっては非常に大きな、人生を左右しかねない危険をはらんでいるデメリットです。
ぜひ最後までご覧ください。

 

メリットだけじゃない青年就農給付金

まず簡単に青年就農給付金のメリットを整理しておきます。
一番のメリットはとにかく金銭的な不安が減るということ。
1年で150万円、7年間を満額で受給すると1000万円を超える金額をもらうことができます。
これにより生活費をひとまず気にせずに農業に集中できる、というのをメリットに感じる人もいますし、すべて設備投資に回して1日でも早く経営的に安定させて先輩農家と対等に戦えるようになりたい、そのために給付金を生かすという人もいます。

この金銭的なメリットは、とにかく大きいです。
ほかにも、受給審査を通すために書く経営計画は、実際に経営をしていくうえで5年先を見越した計画が立てられるようになるというメリットもありますが、受給に関わらずそういった経営計画は作っておくべきものです。
作って当たり前のものです。
金銭的なメリットに比べればたいしたことではありません。

とにかく目立ってしまう金銭的なメリット。
もちろんデメリットもあるんです。
給付金制度におけるデメリットは、この大きすぎるメリットの影に潜んでいるんです。


それは。
ゆがんだ時計
時間です。
書類作成にかかる時間とか、そんな小さなものではありません。
アルバイトしたりして生活費を稼ぐ時間が減るんだから、時間はデメリットじゃないだろっ!
と思われるかもしれませんが、問題はそこではありません。

このデメリットは、給付金制度そのものの存在と深い関係があります。
そもそも青年就農給付金制度はなんのためにできたんでしょうか?
農林水産省のホームページ、青年就農給付金のページの最初には

青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため・・・

と最初に書かれていました。

(※現在は「次世代を担う農業者となることを志向する者に対し・・・」となっています。)

つまり。
就農したいと思っている人に一歩を踏み出してもらうため。
就農後の不安定な生活を支えて農業に長く従事してもらうため。
という目的で創設された制度なんです。

ようするに新規就農者、農業者を増やしたいんですよ。

で、この制度ができたことによって何が起きるか。
農業をやりたいと思っていた人が、生活の下支えになるような補助金があるならやってみようかと動き出します。
もともと制度がなくても参入したはずの人たちにプラスして、喚起された人たちも農業に参入してきます。
ここで。
本来であれば。
給付金制度がなければ。
自分で独立してやっていこう起業しようと自己資金を貯めて頑張っていく就農者と、「お金がないから」「生活していけるか不安だから」やめておこうと考えて参入しなかったはずの就農希望者。
この両者はフルイにかけられていたんです。
本当にやる気のある行動力のある人だけが農業を始めることができた。
不安を乗り越えられない人は農業を始めることができなかったんです。

それが給付金制度によってハードルが下がった、と言えます。
乗り越えられないと思っていたハードルが下がったんです。
極端に言ってしまえば

誰でも簡単に農業を始められるようになった

ということ。

ここで問題が発生します。
ただハードルを下げただけで、お金をばらまいただけで就農者を増やしたとしてもあまり効果はありません。
給付金制度によって就農できちゃった組の人たちは、給付金がなくてもがんばっちゃう組に比べて覚悟や行動力が足りないので、給付金支給がなくなる就農5年後までに自立できていなければ離農の道を辿ることになります。
やるべきではなかった人が参入できちゃうことで、研修~就農~離農で費やした時間が無駄になってしまう危険性をもっているんです。
言ってしまえば、給付金制度によって下がる前の高いハードルを飛び越えられない人は、本来新規就農するべきではなかった人です。
そんな人たちまで就農させてしまうということは、就農後数年で離農してしまう農家を増やしてしまう、つまりその人たちの人生を狂わせてしまう可能性があるということです。

いやいや。
やってみて失敗したとしても、その経験は人生にとってプラスでしょ。
と思われる方。
たしかにそうです、正しい意見だと思います。
離農してしまったとしても、そこまでの道のりを後悔してないならそれは失敗ではないですから。

でも。
給付金制度に潜んでいるデメリット「時間喪失」は、また別の形で襲ってくるんですよ。
このことについて詳しく書いていきます。

 

制度の拘束力がタイミングを鈍らせる

拘束されるサラリーマン
それは、給付金があることによる拘束力なんです。
農業に限らず、どんな仕事でもやってみなければ自分に合っているかどうかなんてわかりません。
農業研修をしているうちに
「あ、なんか違う」
と感じる人もいるでしょうし、実際に就農してみて
「これ向いてないかも」
と気づく人もいる。
計画通りにいかず3年経ってもなかなか思うような収入が得られない。
という人もいるでしょう。

そんなときに給付金を受け取っていたら。
研修中に給付金制度を利用していて、やっぱり違うと思って別の道に進もうとしても、とりあえず生活できるお金がもらえているのでずるずる次へのスタートを引き延ばしかねないですし、研修後すみやかに就農しなければ給付金の返還義務があります。
受給期間の1.5倍の期間は営農しなれければ返還義務が生じます。
(研修で2年間受け取っていれば、就農後3年は営農しなければならない)

就農してから数年で自分の農業に対する適正に気づいて、このまま営農していても安定した収入が得られる見通しが立たない。
もう離農しよう。
と思っても、給付金があるからなんとか生活できちゃう。
5年間は受け取れるから、そこまではがんばってみて、それから離農して別の道に進もう。
となってしまう、なってしまう可能性があります。

つまり。
本来なら、農業の世界で生きていくことを断念した時点ですぐに別の人生を歩めるはずなのに、給付金があるせいでそのタイミングを先延ばしにしてしまう。
農業の道に踏みとどまらせてしまう。
そういう拘束力を持ってしまうんです。
給付金を受け取っていることで、時間を失ってしまうんです。
数年で退いて、他の人生をスタートさせることができる、その時間を失ってしまうということです。
これは非常にもったいないことです。
10代は言うまでもなく、20代30代の数年間という時間は、自分を成長させるには充分なほど長い時間です。
そんな時間を、給付金制度による拘束で無駄にしてしまったら。
それこそ受け取ったお金以上に大きなものを失うことになります。

 

 

もちろん。
本当に自力でやっていける実力・行動力があって、これで一生やっていくんだという覚悟がある人にとっては、まったく関係のない話です。
給付金制度はまったくデメリットになりません。
就農後の給付最大期間5年といわず、経営がうまくいって数年で早々に受給を打ち切られるような力のある人にとっては、この補助金は非常に有益なものになります。


あなたはどっちに当てはまりますか?
一生の仕事にしていくつもりだ!
そのための覚悟はあるし努力もしていく!
というくらいの気持ちはありますか?
もしないなら、給付金制度がデメリットとなって跳ね返ってくる可能性がありますよ。

 

 

栽培が下手でも時給3000円で働く農家になる方法とは?

もしかしたらあなたは、ひたすら栽培技術を磨こうとしていませんか?
いいものを作れば売れると思っていませんか?
その道は、優秀な先進農家と戦うことになる、かなり危険な道です。死に物狂いで努力しても結果を残せないかもしれない道です。

それよりも、たとえ栽培が下手でも時給3000円、しかも週休3日で働く農家になる道があります。見つけさせすれば誰でも通れる道です。

そんな道どこにあるの?じつは・・・

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有機栽培農家・松本がやってしまった間違いとは?

農業をやりたいと考えたときに最も重要なことは

栽培技術の習得

であることは間違いありません。商品ができなければ何も始まりませんから。
ちゃんと作物を栽培できて、ある程度のレベルの農作物を自分で作れるようにならなければ、当たり前ですが買ってくれるお客様はいないわけです。
だから栽培技術を身につけることは最低限やらなければならないはずです。

じゃあここで、あなたが、農業のなかでも難しいとされる無農薬栽培に挑戦しようと考えていたら・・・。自分の育てたものを消費者に直接お届けしたいと考えていたら・・・。

それはほとんどの場合。
有機農業では王道とされる、野菜セット農家になるということです。
たくさんの種類の野菜や果物、米などを育てて、それを詰め合わせボックスという形でお客様へお届けする。
そういう農家です。

当サイトの管理者・松本は、この野菜セット農家になるときに大きな間違いをしてしまいました。

それは・・・

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