これまでに何度か、有機農業で昔から行われてきたスタイルとして
多品目栽培&直販&定期契約
について書いてきました。

【1】有機農業の王道 少量多品目&直販型定期宅配の特徴

【2】有機農業の王道 多品目栽培にはメリットとデメリットがある

【3】有機農業の王道 少量多品目&直販型定期宅配という安定戦略

【4】有機農業の王道 少量多品目&直販型定期宅配 産消提携のメリットデメリット

【5】有機農業の王道 少量多品目&直販型定期宅配 大口取引せずにリスク分散

特徴やメリットデメリットはわかったけど、そもそも生計が成り立つようなモデルなの?
あんまり稼いでるようなイメージないけど?
って気になりますよね。

いくつかの有機農家を見学したけど、朝から晩まで働くわりにたいした収入じゃなさそうだった。
実際に聞いてみたらアルバイトしてたほうが稼げるんじゃないの?ってレベルだった。

そんな意見も聞こえてきそうです。

今回は。
実際のところちゃんと稼げるビジネスモデルなのか
に焦点を当てて書いていきます。
統計資料が見つかりませんでしたので、実際の平均収入はわかりませんが、このスタイルで営農しているなかで多くの有機農家に会うなかで私が感じたことを交えていきます。
参考になれば幸いです。

 


有機農業の立ち位置

多勢に無勢
(画像参照:日本最大級お笑いWebサービス『写真で一言ボケて』

まず知っておかなければならないのは、有機農業が日本の農業全体からみれば1%にも満たない小さな勢力だということ。
生産量をみても栽培面積をみても、どちらも1%に届きません。
世論的にはちやほやされて、あたかも農業の主流であるように思える有機農業は、圧倒的に小さなチェアしか持っていないんです。
そこからさらに経営スタイルで絞っていくと、多品目&直販スタイルなんて屁みたいな、ちょっと風が吹けば飛んでいってしまうような弱々しい勢力です。
だからこそ。
小さな弱々しい勢力だからこそ、栽培も販売も一般的な農業とはちがっていて特殊である必要があります。
差別化していかなければ生き残れなかったからです。

そうして細々と生き残ってきた多品目&直販スタイル。
圧倒的弱者でありながらも生き残り続けたことには、当然ですが理由があります。
それは、けっこう儲かるから・・・ではありません。
残念ながら多品目&直販スタイルでウハウハだという農家に私は出会ったことがありません。
ふつうに生活できるくらいの稼ぎになるよ、という農家はたくさんいましたが。

弱者でありながら淘汰されることなく生き残っている理由。
それは。
ビジネスモデルとして優秀だから。
ということに尽きます。
低空飛行をするのか高く飛ぶのかはその農家次第ですが、長く安定して経営していくという点でみれば非常に優秀なモデルです。
それは、ホリエモンの「儲かるビジネスの4原則」をみれば明らかです。

 

ホリエモンの「儲かるビジネスの4原則」

ホリエモン

ホリエモンとは、ライブドア元代表取締役社長CEO堀江貴文氏のこと。
その堀江氏が以前ブログで書いてきた「儲かるビジネスの4原則」がけっこうネット上で話題になり広まっているようで、インターネット検索でビジネス系の調べ物をしていると簡単に出てきます。

具体的には次の4つを挙げています。

利益率の高い商売
在庫を持たない商売
定期的に一定額の収入が入ってくる商売
資本ゼロあるいは小資本で始められる商売

この4つを満たす商売であればほぼ確実にうまくいくと堀江氏は言っています。
多品目&直販スタイルにこれを当てはめてみるとどうなるか、ひとつひとつみていきましょう。

 

■利益率が高い

小売店などのように商品を仕入れて販売するという商売だと、商品原価がけっこう大きくなります。
70円で仕入れて100円で売る、という商売です。
これは商品ひとつひとつの利益が小さく、たくさん売らないと成り立たない薄利多売の典型です。
物量で圧倒できる大企業ならともかく、中小企業が薄利多売をやっていては儲かるわけがありません。
100円の商品を売ったのであれば70円とか80円が手元に残る。
場合によっては100円すべてが売り上げになるような、そんな商売は利益率が高いと言えます。
技術によって収入を得ていく、美容師や整体師などが典型です。

多品目&直販スタイルではどうかというと。
お客様へ直接販売するため中間マージンがなく、100円で売れば100円が入ってきます。
ただし整体師のように腕ひとつで売っているわけではなく農産物の生産には色々な経費がかかるので、むちゃくちゃ利益率が高いわけではありません。
それでも私の経験からいうと利益率は7割程度はありますので、農業全体の中でみればかなり高い利益率だろうと思われます。

    詳しくはarrow070_01【4】有機農業の王道 少量多品目&直販型定期宅配 産消提携のメリットデメリット

 

■在庫を持たない商売

在庫をたくさん抱える商売は悲惨です。
売れなければ利益になりませんし、その商品に期限があれば売れなかったときにはマイナスです。
在庫を管理するための費用もばかになりません。
在庫を抱えすぎて倒産した、なんて話はよく聞きます。

農業は畑に農産物をたくさん並べているじゃないか。
あれこそが在庫そのものじゃないか、と思われるかもしれませんが違います。
売り先が決まっている契約栽培であれば、それは在庫ではないんです。
多品目&直販スタイルでは定期契約をして販売することがほとんどですので、畑で育てられている農産物はすべて売り先が決まっています。
在庫なんて一切ないんです。
もちろん、栽培がへたくそで作りすぎたりすれば在庫になってしまうことは言うまでもありませんが。

 

■安定的な収入

今月は多いけれど先月は少なかった、なんていう不安定な収入では心臓に悪いです。
健全な経営のためには、今月も来月もその先も安定して収入が得られるという見込みがあることは非常に重要です。
これはようするにリピートがあるかどうか、長期契約があるかどうかに繋がってきます。
売り切り商売ではひたすら新規のお客様を探さなければならないので、何千人何万人というお客様を集めなければならなくなります。
これはしんどいです。

多品目&直販スタイルでは定期契約が基本です。
100人のファンをつかめば、それだけで十分経営が成り立つというくらいの小さな商売です。
毎週●件分の発送をするという見込みが1年先まで見えているので、安定した収入が得られます。
もちろん、安定して出荷できるだけのものを揃える栽培技術が必要なのは言うまでもありませんね。

    詳しくはarrow070_01【3】有機農業の王道 少量多品目&直販型定期宅配という安定戦略

 

■初期投資がいらない

最初から何千万円何億円と投資が必要な事業は、それだけで参入障壁が高いと言えますが個人が始める商売としてはよくありません。
なにか施設をドーンと建てて運営する、経営が行き詰ったらどうするんですか?
という話です。
新規参入して必ずうまくいく保証なんてないんだから、最初は小さく始めましょうよ。
そのほうがリスクが少ないですよというホリエモンの提言ですね。

多品目&直販スタイルで主に栽培されるのは野菜やコメです。
コメはまあ専用の機械が多いのでどうかと思うところもありますが、野菜だけであれば初期投資はあまりかかりません。
最低限、耕耘機一台あればなんとかなるくらいです。
耕耘機、管理機、草刈機、軽トラック
あたりの機械類を揃えたとしても中古なら100万円とか200万円程度。
わりと気軽に始められます。
 


このようにみていくと、意外と4原則に当てはまったモデルであることがわかります。
つまり。
多品目&直販スタイルはビジネスモデルとして優秀だといえます。

でもそんなにガッポガッポ稼いでいる農家があんまりいないんでしょ?
そういう農家に出会ったことないんでしょ?
じゃあ優秀なモデルだと言えないんじゃない?
という声が聞こえてきそうです。
たしかに大きく稼いでいる農家は少ないかもしれません。
稼げない理由、そこには有機農家の特殊な一面が関係しているんです。

 

清貧思想がブレーキをかけている

おカネ

有機農業の世界ではいまだにオカネというキーワードを出すのがタブーになっているような風潮が見られます。
清貧をよしとする考え方です。
お金がなくても幸せに暮らせる、いわゆる清貧思考は有機農業の世界ではわりと多くみられる考え方ですが、必要な収入を得られる実力がないから低所得で自分自身をムリヤリ納得させている、というケースが意外に多いんです。

有機農法を他の農法よりも優れたものとして思い込み、さまざまな制約によって自分自身を縛りつけてしまい、結果的に収入が伸び悩むことになります。
農薬は使っちゃダメ、化学肥料も使っちゃダメ、動物質の堆肥もダメ、耕しちゃダメ・・・。
そんなに制約を課したらまともに栽培できませんよ、という場合がけっこう多い。
まともな栽培ができないから結果がついてこない。
つまり収入が伴わない。
世間の認識とはちがって農家の収入は少ないどころか意外にも多くて裕福だったりするんですが、こと有機農家に限っていえば世間の認識通り、それ以上だったりします。

それは有機農家自身が望んでいる清貧なのかもしれないし、やせ我慢なのかもしれません。
望んでそうなっているなら何も言うことはありませんが・・・おカネ欲しいですよね。

有機農業では栽培において様々な制約がある。

うまく育たない、収量が上がらない。

収入が増えない。

これはもちろんあると思います。
ですが、お金がなくても幸せに暮らせる清貧思考が強いことが、しっかり稼げないことの一番の理由です。
最初から稼ぐつもりがない、もしくは農業では稼げないという前提に立っている。
こういった有機農家はかなり多いです。

思考は現実化する
というビジネス(自己啓発系)の世界では大ベストセラーになっていて、知らないと損するくらいの有名な書籍があるんですが、まさに思考が現実になっているのが有機農家なんです。

稼げないと思っていれば、当然ですが稼げません。
稼ぐつもりがないならなおさら。
清貧思考が有機農業にブレーキをかけている、という現実があります。

 

新規就農者のほうが可能性は高い

優秀なビジネスモデルであるにもかかわらず、しっかりと稼げている有機農家が少ない。
その理由は、稼げると思っていない清貧思考にあるわけです。
じゃあその思考を取り除くとどうなるか、気になりますよね。
ストレートな表現をすれば、ちゃんと稼げます。
年収1000万円だってじゅうぶんに可能でしょうし、時給に換算したら5000円になることだって可能です。

それができていないのは、前提になっている思考がビジネスモードではないから。
ただそれだけのことです。

それって新規就農者でもできますか?
という問いに対しては、むしろ既存の有機農家よりも可能性が高いと言っておきます。
当サイトではちゃんと稼ぐための考え方を細かく書いているので、それをインプットしつつ栽培や販売の技術を習得すればいいんです。
思考が全て。
既存の有機農家はすでに思考回路が固まってしまっているので、いまから稼ぐ体質になろうと思っても難しいことが多いですが、これからサラリーマンを辞めて新規就農しようと考えている人はまだキャンバスが真っ白な状態です。
どんなふうにも絵を描いていけます。
稼げると思えば稼げます。
稼げないと思えば稼げません。
清貧思考であれば、やっぱりその程度の収入しか得られないんですよ。

 

このように。
多品目&直販スタイル自体は非常に優秀なビジネスモデルであるにもかかわらず、有機農家自身が清貧思考によってブレーキをかけているため望むだけの収入を得られていません。
非常にもったいないことをしているので、これから新規就農してこのスタイルでやってみたいと考えている人は、ぜひしっかりと稼ぐことを意識してやってみてほしいと思います。
 

 

 

栽培が下手でも時給3000円で働く農家になる方法とは?

もしかしたらあなたは、ひたすら栽培技術を磨こうとしていませんか?
いいものを作れば売れると思っていませんか?
その道は、優秀な先進農家と戦うことになる、かなり危険な道です。死に物狂いで努力しても結果を残せないかもしれない道です。

それよりも、たとえ栽培が下手でも時給3000円、しかも週休3日で働く農家になる道があります。見つけさせすれば誰でも通れる道です。

そんな道どこにあるの?じつは・・・

つづきはこちら

有機栽培農家・松本がやってしまった間違いとは?

農業をやりたいと考えたときに最も重要なことは

栽培技術の習得

であることは間違いありません。商品ができなければ何も始まりませんから。
ちゃんと作物を栽培できて、ある程度のレベルの農作物を自分で作れるようにならなければ、当たり前ですが買ってくれるお客様はいないわけです。
だから栽培技術を身につけることは最低限やらなければならないはずです。

じゃあここで、あなたが、農業のなかでも難しいとされる無農薬栽培に挑戦しようと考えていたら・・・。自分の育てたものを消費者に直接お届けしたいと考えていたら・・・。

それはほとんどの場合。
有機農業では王道とされる、野菜セット農家になるということです。
たくさんの種類の野菜や果物、米などを育てて、それを詰め合わせボックスという形でお客様へお届けする。
そういう農家です。

当サイトの管理者・松本は、この野菜セット農家になるときに大きな間違いをしてしまいました。

それは・・・

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